1488ページ目 イスラエル、イランに報復の報復?

イスラエルがイランにミサイル攻撃を行ったそうです(日経記事「イラン領内 複数の爆発 現地報道 イスラエル報復か」)。

なお今のところイスラエル政府とイラン政府からはイスラエルによる報復攻撃か否かについて公式発表がなく状況がどうなっているのか不明です。

 

ただ米国のABCニュースによると米国政府がイスラエルのミサイルがイランに着弾したことを認めたと言った報道があります。

またイスラエルはただちに報復はしないと言いつつ米国に報復を事前通告したとの話もあります(朝日新聞記事「イスラエル、イランにミサイル攻撃 米側に事前通告と報道」)。

イスラエル以外にもシーア派イスラム教徒が中心のイランはスンニ派系過激派テロ組織のイスラム国と敵対しておりイスラム国の残党が暴れた可能性も考えられなくもないですがイランにミサイル攻撃をするような国、できる国、為政者が報復したいと思っていそうな国といえば状況的にイスラエルしかありません。

やはりイスラエルが報復の報復を行ったのでしょうか。

 

イスラエルによる報復が事実なら報復の報復の報復で戦争が発生する可能性も否定できません。

イスラエルによるシリアのイラン大使館空爆が4月1日、それに対するイランによる報復でイスラエル領内にドローン攻撃が行われたのが4月13日、このイランによる報復に対する報復として行われたのが4月19日のイスラエルによるイラン領内の空港や軍事施設及び核施設に対するミサイル攻撃ということになります。

そしてイランは4月13日に行った報復攻撃についてイスラエルが報復の報復を行った場合は大規模な報復を行うと言っています(毎日新聞記事「「問題はこれで終わった」 イラン代表部、攻撃は今回限りと示唆」)。

イスラエルが再び過ちを犯せば、イランの対応はかなり厳しいものになるだろう」とのことですが一週間も経たずに報復の報復が行われたわけですからメンツにかけてイランは報復の報復の報復を行うかもしれません。

 

報復の報復の報復の…と続いていくと幕引きが見えなくなりますがイスラエル国民もそれを分かっていたからイランに対する報復に反対する声が多かったのでしょうが(朝日新聞記事「「同盟損なうなら反対」74% イランへ報復、割れるイスラエル世論」為政者がゴリゴリの右派ではどうにもなりませんね。

「わからない」も除いたら報復すべきと考える人は26%未満になりますがこの4分の1未満の右派が岩盤支持層だったりカネをたくさん持っている人だったとしたら民意をねじまげ国際社会の報復自制の声をふりきって早期の報復を行うこともありうるでしょうね。

 

本当の本当に核施設を狙ったということであればとんでもない暴挙ですが第三次世界大戦勃発なんて冗談じゃありません。

両国には強く自制を促す必要があると言えます。

とはいえ宗教が関係してくると誰が何を言っても無理、イスラエルとイランは不倶戴天で双方が無視できないほど多大な被害を受けて当分他国に攻撃できないほど疲弊しない限り止まらない可能性もあり得ます。

こうなってくると巻き添えを食らうリスクを避けるぐらいしか自衛手段はありません。

 

そもそもの発端はイスラエルによるシリア国内のイラン大使館空爆が原因でした。

隣国への攻撃に加えて他国の大使館を攻撃すること自体あり得ないです。

イスラエルとイランは間にイラクとシリアを挟んでいてイスラエル陸軍とイラン陸軍が直接干戈を交える可能性は現状ではそこまで高くないかもしれません。

ただしクルド人武装勢力が猛威をふるい無政府状態になっているイラク北部でクルド人武装勢力と話をつける、かつ実際に空爆を受けたシリアと共同戦線をとるならばイランVSイスラエルの戦車部隊が衝突する可能性もゼロではないですが。

報復合戦は基本的に空軍、ミサイルやドローン攻撃の応酬だとか双方が敵国内に侵入させた工作員によるテロ攻撃がメインとなってきますが怖いのはイランとイスラエルだけでなく第三国で双方の大使館その他関係施設だとか要人に対するテロです。

シリアはイランと緊密だったから攻撃されましたが双方が双方の敵国に親密だと判断された第三国はテロ対象となり得るし軍ではなく右派の狂信者が勝手にテロに動くとも限りません。

大丈夫なんですかねパリ五輪とか大阪万博は。

五輪は平和の祭典だし戦争中の国家の参加はお断りすべき、万博にしたって「いのち輝く未来社会のデザイン」を理念に謳ってますし命の輝きを奪う戦争を行う人たちが参加するのは不適切です。

パリ五輪と大阪万博にはイスラエルとイランの双方が参加予定となっていますがロシアを出禁にした件と整合性もとれません。

政府はイスラエルをロシアと同列に扱うべきでないと言っていますが(毎日新聞記事「自見氏、イスラエルの万博参加に前向き 「ロシアと同列に扱えず」」さすがに先に手を出した挙句に国際社会の制止を無視して報復の報復を行うような極めて野蛮な国に何もペナルティを科さないというのもおかしな話です。

ロシア同様人類に対する暴挙は看過できません。

というか万が一にも爆破テロでイランやイスラエルの選手やパビリオンの近くにいた第三国の一般人が犠牲になったらどうするのか。

第三国の一般人が犠牲になったとしてもそれは聖戦なので仕方がない、尊い犠牲になった方々は天国に行けるだろうと本気で考えるような危ない人たちには何を言っても無駄です。

何せ教義のためなら戦争すら厭わない何でもする人たちですから用心に用心を重ねざるを得ないのです。

私はカネもないので五輪にも万博にも行きませんがイスラエルとイランの関係を考えると当面の間、両国の関係者だとか関係施設にはよほどの事情がない限り近づかないのがよさそうです。

とにかくイスラエルとイランの報復合戦が激化し第三次世界大戦に発展しないことを祈るばかりです…