1436ページ目 シェルターか地方移住か

昨日の国会で石破元幹事長からシェルターの整備に関する質問があったようです(ニッポン放送記事「国民保護のシェルター整備、避難訓練の実情 「日本では政治的な環境が整わないと、進まない」専門家が指摘」ヤフーニュース)。

2003年以降、北朝鮮等からのミサイル攻撃に備えた国民保護法が制定され2007年にはJアラートの構築が始まり2017年にはミサイル着弾を想定した避難訓練もありました。

ただシェルターに関しては整備が進んでいません。

現在戦争中のウクライナイスラエルではミサイルやドローン爆弾、ロケット弾による被害が連日のように発生しており地下鉄駅もシェルターとして活用されています。

核シェルターの普及率はスイスとイスラエルが100%、ノルウェー98%、米国82%、ロシア78%、英国67%、シンガポール54%で日本は0.02%といった話があります。

これは2002年の日本核シェルター協会の調査ですが20年以上経ってどれぐらい日本で核シェルターが増えたかは不明です。

まあたいして話題にもなってませんし今も大きく変わらないでしょうね。

 

とはいえいざ核戦争があるとしたら核を持っている中露北の隣にある日本は立地的に米国本土や英国及びシンガポールより狙われやすいです。

核爆弾も世界で唯一落とされているのが日本なのに何で核爆弾が落ちていない世界各国よりシェルター整備率が低い、というかシェルターの整備がなされていないのもおかしな話です。

そういえば戦時中は防空壕を掘ってましたね。

いざ本土決戦となったらその防空壕に籠城して占領軍に抵抗しようと考えていた旧日本軍関係者もいたかもしれませんが米国からすればそういうのはものすごく厄介、冷戦時の東側諸国より日本の再軍国化を警戒して防空壕からグレードアップした核シェルターを作らせなかったんじゃないかと思えてきます。

 

もっとも核戦争は幸いにも起こる事なく冷戦は終了しました。

地下鉄に核シェルターは作られることもありませんでしたがこれが地下鉄の利便性につながった面もあるかもしれません。

キーウのアルセナーリナ駅の深さは105.5mあるそうですが20メガトン級の核爆弾が爆発すると深さ90mの大穴が開くそうです(М&Aオンライン記事「東京の地下鉄駅はウクライナのようにシェルターとして使えるか?」)。

そんな深さまで掘削するのはコスト的に大変です。

日本で一番深い場所にある六本木駅だって深度42.3mですがあそこはホームまでかなり歩きますよ。

深くなればなるほど歩行距離が延びますし平時の使い勝手はとても悪いです。

平和な世の中だったら平時の利便性を優先したいところですね。

 

しかし残念なことに今では中露北は冷戦期より好戦的です。

核戦争の脅威はむしろ冷戦期より高まっているかもしれません。

それを考えるとシェルターの用意もあったほうがよいと思いますが各家庭でシェルターを整備するのはカネがかかり過ぎます。

駅などの公共空間に整備するのがよい、地下鉄を活用するのが現実的ですが南北線延伸と大江戸線延伸計画があります。

あとリニア新幹線の新駅ですかね。

このあたりで新設する駅にシェルターを整備するかもですがそれでもキーウみたいに100m超も掘削するとなるとかなり大変でしょうね。

何しろ建設費が高騰してますからね。

そしてそこまでしてシェルターを整備しても避難に間に合うかどうか。

特に大江戸線延伸で計画されている路線のすぐ近くには朝霞練馬の自衛隊基地があってターゲットになったらシェルターがあっても生き残れるかどうか不透明です。

あれこれ考えてもどうにもなりませんがそんなに心配ならいっそのことミサイルが降ってきそうもない地方に移住するのも一つの選択肢ではないかと思えてきます。

個人でシェルターを都内に設置するのは大変です。

戦時中も地方に疎開する家庭がたくさんありましたが戦争になった場合は地方に避難するのも一案です。

予算面もあってシェルターの整備は難しいところもありますがそういうことなら二地域居住が有効かと思います。

ミサイルが発射される日に東京などターゲットになりそうな場所にいたら厳しいですが開戦直後にいきなりミサイルを発射するのでなく通常兵器による侵攻があった時点で疎開すれば助かる可能性は幾ばくか上がりそうです。

まあ核戦争に限った話でなく南海トラフとかもありますし(シェルターが崩れて生き埋めになったらどうしようと思いましたがそのあたりもシェルターが普及しなかった理由の一つかもしれません)地方に拠点を作っておくのも検討に値するんじゃないかと思いますね。