1462ページ目 110年ぶりの超大金星

大相撲千秋楽が行われ新入幕の尊富士が優勝しました(スポニチ記事「尊富士「駄目だと思った」前夜 強行出場の裏側 横綱・照から「お前ならできる」で決断「一生悔いが残る」」ヤフーニュース)。

新入幕ですのでもちろん初優勝です。

横綱大関を抑えて平幕でも優勝した事例は戦後もあって近年でも照ノ富士や朝乃山も平幕優勝経験者です。

しかし新入幕でいきなり優勝というのは110年前の両國勇治郎以来とのこと。

金星をあげるという相撲用語があって平幕が横綱を倒した時の勝ち星を言います。

新入幕での優勝ですし超大金星ですね。

前日に怪我をしており今日は休場するのではないかと思われていましたがここ一番ということもあって出場しています。

とにかく出場して勝てば優勝ですが怪我を悪化させずに勝利できる、勝つには勝ったが怪我が悪化する、負けてしまった、負けてしまった上に怪我も悪化したといった4パターンを想定して相当悩んだかもしれません。

それぞれの確率なんて計算できるわけでもないですし痛みだけでなく1日でこの重圧がかかる意思決定がのしかかってくるわけですから精神力もすごいものがあります。

それでも新入幕は一回しかない機会で歴史に残る大一番ですしどうしても出たかったんでしょうね。

やらなかった後悔もまた重たいですがあと一歩まで来てとにかく勝っても負けても最後までやり切りたいという心境もあったのでしょう。

しかしやはり怪我が心配です。

来場所以降もありますしもっと活躍してほしいと思いますが貴乃花も怪我をおしての出場で優勝したものの療養が長期化しています。

それと痛みに耐えてよく頑張った、感動した、という小泉首相の声かけも当時は話題になったものですが実際そういう場面で感動する人はけっこうたくさんいます。

怪我を負ってでも懸命に勝負する姿に感動するなというのもどう感じるのは各人次第です。

そして怪我を悪化させるリスクを負ってまで勝負するのは危ないしそれを前例にするのもどうなのかとは思うものの現行上出場するかしないかの最終判断も本人が行うものです。

ただ前例ができて怪我をおして勝負する人が増えて怪我を悪化させる力士が増えたりここ一番で勝負しないのは漢じゃないといったことを言い出す人が出てくるかもというのもいささか心配なものがあります。

とはいえ怪我という残念な話はありましたがとにかく優勝です。

怪我以前から地道な鍛錬の積み重ねがあってこその優勝ですし立派だと思います。

朝青龍が引退したら白鳳の天下になるも白鳳が引退したら群雄割拠というか横綱大関も休場が相次ぎ寂しい状態になっていますが来場所以降も尊富士や入幕2場所目で優勝争いに終盤まで残った大の里にも盛り上げてほしいものです。

まずは怪我をちゃんと治して万全の体調で来場所以降も頑張ってほしいものですね。