1307ページ目 地元財界が出せないならもう無理じゃね?大阪万博

大阪万博の建設コストが最大で2350億円に上振れする見通しとなっています。

誘致当初は1200億円程度で出来るといっていたのが2020年に1850億円に増額されその3年後の2023年になってまた増額です(朝日新聞記事「万博協会、会場建設費の増額検討 既に当初比1.5倍の1850億円」)。

東京五輪もふたを開けてみれば当初の2倍になっていますが(日経記事「東京五輪の公費2倍に 総経費1.4兆円、問われる妥当性」)全く懲りていないようです。

 

地元の大阪府と関西経済界は国が増額分を出すべきだと主張していますが(産経新聞記事「大阪府市は判断留保、万博建設費負担増 国交付金活用にもハードル」ヤフーニュース、読売新聞記事「大阪万博建設費、2度目の負担増に「説明不足」…関西の財界幹部「びた一文出せない」」)もっとも利益を得る地元自治体と地元経済界ですらこんな有様ならそれ以外の地域に住む一般国民としてはびた一文たりとも大阪万博の予算増額は認めたくないですね。

こんな大阪政財界の当事者意識に欠ける姿勢ではいくら予算をつぎ込んだとしても他人事で自分たちは汗をかかず美味しい所だけ全部持っていくのが目に見えており大阪万博自体が失敗に終わるんじゃないかと思えてきますがコストだけ国が負担しろとか冗談じゃありません。

なお関西財界は消費税増税を主張していますが(FLASH記事「「地獄に堕ちろ」関経連が消費税15~18%を提言…経団連19%主張に次ぐ日本人いじめ「関西だけでやっとけよ」」ヤフーニュース)国に万博建設費を押し付けて消費税増税で負担しろというのはどう考えても理不尽です(国にカネを出してもらいたいから財務省の歓心を買おうと消費税増税賛成論を打ち出したというのもあるんでしょうね。なおさら駄目な話です)。

 

まあ地元でさえ大阪万博は盛り上がっておらず毎日新聞の調査では地元大阪ですら関心があると答えた人の割合が4割に留まっています(毎日新聞記事「大阪・関西万博「関心ない」63% 「ある」22% 毎日新聞世論調査」)。

地元開催でしかも開催まであと2年を切った状態ですら過半数が関心がないと言っています(関心はあるけど予算の増額とか利権の話とか無駄の話とかむしろ悪い意味で大阪万博に関心を持っている人も含まれてるんですかね?)。

関西以外の地域に至っては東京、九州、東海で2割を切っています。

地元以上に興味関心がない人に大阪万博の経費上振れの負担ヨロシク!なんて言ったところでお前ふざけんなよという流れになるのも無理からぬことです。

 

負担増をお願いする姿勢の軽さも万博協会の偉い人の言い訳から感じ取ってより一層態度を硬化させた一般国民も少なくないのではないかと思うのです(朝日新聞記事「「責任と言われても…」万博の建設費また増額、苦笑する協会事務総長」ヤフーニュース)。

資材価格や労務費の上昇が主な原因でそれらは想定外なので我々万博協会に責任はないと言い張っていますが会場となる夢州の地盤沈下問題に関しては為替とか関係ないです。

工事もアクセスルートが限られておりボトルネックの存在は事前に想定できたはずです。

為替に関してもアベノミクスをやっている以上、円安に振れる、輸入品などを中心に物価が高騰する政策をやっているわけですから円安が想定外だったというのはある意味アベノミクスを信用していなかったと関西財界は言っているわけです。

1ドル150円の円安で重厚長大型の輸出系企業を中心に業績が上がっていますが円安で建設費が高騰したなら円安の利益を享受する経済界が負担しなければなりません。

なお万博協会の会長の十倉君は住友化学の人で住友化学は業績が悪化していて我が社にはそんな余裕はないと言いそうですがここは為替以前に構造改革を怠って中長期の業績向上が難しくなったのが原因なので為替以前の自己責任です。

というか超円安がなかったらもっと業績が悪化していた可能性もあるわけで大阪万博の予算増額分は経団連会長輩出企業としてきっちり負担してほしいものですね。

実質賃金がずっと下落していますがトータルで見て円安の不利益の方が大きい状態に置かれている一般国民の負担を増やすのは富の逆再分配であり予算増額分を国が負担しろと言った話は認められません。

 

建設費も高騰していますが工事スケジュールも非常に厳しい見通しとなっています。

もう規模縮小や延期を本気で考えなければならないんじゃないかと思いますね。

こんなことを言うと国際的な信用を失うので絶対に予定通り開催すべきだと地元政財界は言うでしょうがじゃあお前らカネ出せや。

お前ら地元の人間がカネを出せんのに何で無関係の一般国民が追い銭をくれてやらねばならんのだおい!

 

万博会場の跡地をカジノにするけど万博開催で会場整備させてカジノ建設費用を浮かせようという魂胆でやってる万博に何で一般国民がカネを出さんとならんのだ!

そもそもカジノ反対の人も大勢いるわけで(PRタイムズ記事「日本にカジノを作るのに賛成?反対?200人にアンケート」)反対の人たちからすれば大阪万博の国による費用負担はカジノ反対の一般国民から国がカネを巻き上げて事実上大阪のカジノ建設を推進するのと同義であるのでますます大阪万博の費用追加負担は嫌だ!と思う人もいるかもしれません。

 

期日通り開催できないのは日本の国際的信用に関わると言っても国際的な信用も何も2025年に開催すると言っているのに未だ準備を進めていない諸外国はどうなんでしょうね。

予定通り開催できない日本の信用以前に約束通り準備を進めない諸外国こそ国際的信頼を棄損しているのではないかと思うのです。

信用を果たさない諸外国が多くある状態ではどれだけ日本が努力したところで日本の国際的信用もなにもないですね。

 

というか前回のドバイ万博はコロナ禍で1年延期され2022年の開催となりました。

つまり事前準備に5年かけており、かつ、コロナ禍からの復興をテーマとして諸外国はドバイ万博に相当力を入れたはずです。

一方日本は準備期間たった3年でコロナ禍からの復興の話も世界ではもう落ち着いています。

諸外国としても3年で対応するのは面倒でしばらく準備期間を置きたいという心情もあるんでしょうね。

大阪万博は言わば出涸らし万博といった状況ですが無理に2025年開催にこだわる必要はないんじゃないかと思います。

 

それでも無理に開催すると言われたって一般国民だって物価高騰でとても困っており万博見学どころではありません。

新大阪東京間の新幹線チケットが片道約9000円で万博チケットが7500円、昼食代その他諸々の経費を合わせてだいたい30000円ぐらいかかりそうですがちょっとこの金額では来場を躊躇する一般国民も少なくないかと思いますがカネもないし見学もできないようなイベントに公金を突っ込むのも納得はできないですね。

縮小も延期も嫌だったらもう無理して開催することもない、地元政財界ですらこれ以上カネを出したくないと言っているハコモノイベントについては中止も検討せざるを得ないかもしれませんね…