1297ページ目 選挙対策の減税

政府与党で減税論が上がっています(東京新聞増税メガネ」気にしてるから?「減税論」を急に言い出した自民党…どれだけ本気なのか)。

「物価高に苦しむ国民に対し、成長の成果を適切に還元する」「税制や社会保障負担の軽減など、あらゆる手法を動員する」とのことです。

そういうことだったらまず少子化対策財源として検討中の社会保険料月500円値上げの撤回及び社会保障費の削減の見直し及びガソリン税減税を優先的に検討したらいいんじゃないかと思いますね。

 

物価上昇が厳しいですがまず必要なのは格差是正、老後の生活や結婚子育ての経済不安払拭、国内消費の活性化です。

ジニ係数が上昇し再分配後も0.4目前まで上昇しましたが実質賃金が8カ月連続で減少する一方、企業の役員報酬は過去最高です(TSR記事2023年3月期決算 上場企業 「役員報酬 1億円以上開示企業」調査)。

一般国民は円安に賃上げが追い付かない一方で上級国民だけ成長の果実を貪っている様子がうかがえます。

物価高に苦しんでいるのは主に一般国民なので勝ち組大企業や上級国民に対する法人税所得税減税は成長の成果の適切な還元とは言い難いものがあります。

 

消費税と社会保険料の逆進性と法人税所得税の累進性を考慮すると法人税所得税減税及び少子化対策財源としての社会保険料の上乗せ徴収で富の逆再分配が生じジニ係数0.4を超える可能性も否定できません。

近年社会不安が増加し一般国民の憤怒も相当溜まっています(デイリー新潮記事「「増税クソメガネ」「増税クソレーシック」…憲政史上、最もみっともないあだ名を付けられた岸田首相 増税だけではない国民の怒りの中身とは」ヤフーニュース)。

再び襲撃事件を起こす輩が出てより一層社会不安が増すのも問題です。

政治家の街頭演説は駅前だとか人が集まる場所が多いですがそんなところで襲撃を起こされて流れ弾とか爆発に巻き込まれたらたまったものではありません。

 

児童手当の所得制限撤廃で児童手当が加藤鮎子の選挙活動資金になるのも納得いかないものがあります。

児童手当の所得制限を撤廃しても結局カネを管理するのは親ですけど子供の為にと支給されたお金を自分の為に使ってしまう毒親だっているわけです。

加藤少子化担当大臣の息子は世話をして貰えずカップラーメンで食事を済ませたりといった話もあったりしましたがカネあるんだったらベビーシッターなり雇ってちゃんとした食事ぐらいさせたらいいのになと思ったものですがそういうのはスルーで政治とカネの問題とか出てきたりしてどうにも信用できそうにないんですよね。

 

大阪万博の費用上振れ問題もありますが住友化学の十倉さんや住友電工の正義さん等万博協会役員に支払う報酬(日刊ゲンダイ記事「大阪万博協会こそ「身を切る改革」を…学徒動員は半年間タダ働きなのに、役員報酬は最高月額200万円!」)まで所得税減税対象になるのはいかがなものかとの声も想定されます。

元々関係各所の甘い見通しもあってこんなことになった、円安誘導にしたって経済界の要望を聞いてやってきたわけで何の責任も取らずに報酬だけはぼったくる挙句その報酬も減税とあっては盗人に追い銭をくれてやるようなものです。

 

そしてそういう一部の勝ち組老人はともかく一般国民の高齢者の生活も苦しく年金だけで生活費を賄えず働かざるを得ない人もいますが(ゴールドオンライン記事「おせーよ、ジジイ」大企業部長だった71歳アルバイト、時給950円で怒声を浴びながらも…元勝ち組が“定年後も働く”切ないワケ【FPが解説】、毎日新聞「記事生きていけない現実が目の前に「食べるだけ」の年金生活」ヤフーニュース)実質賃金下落で生活防衛意識が高くなり男女とも低年収だと婚活し辛い状況も発生しています(プレジデント記事女性も「低年収だから結婚できない」時代…日本の若者がますます結婚できなくなっている根本原因)。

こんな状況で勝ち組に逆再分配を行う一方で社会保障費を削って社会保険料を値上げするのでは老後の生活不安も少子化もより悪化するでしょう。

社会保障費の負担軽減というなら賃上げと物価上昇による所得税消費税の増収分を社会保障費や結婚子育て支援に充当し社会保険料の値上げと社会保障費の削減は行うべきでないです。

 

さらに山形や岩手のような最低賃金が1000円に届かない地域では生活必需品である車のガソリン代値上げが辛いものがあります。

鉄道やバスの廃線も相次いでいますがガソリン代まで高くなったらどう生活すればよいのか。

トリガー条項発動で地方税収が減るといった話もありますが(日経記事地方税収「年5000億円減」総務相、トリガー条項発動で)物流の24年問題と過疎化の進行はどうするのか。

運輸業も大口荷主との交渉が厳しいですがモーダルシフトが進んでいない地方ほど車に依存せざるを得ずガソリン軽油代負担を軽減しないと産業誘致も難しいです。

上がらぬ賃金と上がるガソリン代が敬遠され若者の流出が止まらなくなりますが地方自治体はそれらの損失も考慮した上でトリガー条項発動見送りを支持したのでしょうか?

都市部在住でも通販は利用するので他人事でないです。

消費者としては生活防衛で1円でも安い商品を検索せざるを得ない反面でドライバーの処遇改善も必要です。

補助金は即効性があるという理屈で政府はトリガー条項発動を見送りしましたが即効性の観点が大事、あらゆる政策を総動員するというなら交渉の難しい送料値上げよりトリガー条項発動によるガソリン軽油代値下げの方がドライバーの賃上げ余力に資するのではないか。

かけこみ需要で混乱するとの意見もあるが2008年のGW中に暫定税率が復活した時の話を言っているのか?

あの時はGW直前にガソリンを入れたおかげで行楽中のガス欠が減ったとの効果もあったが事前の周知不足があった点は否めない。

円高資源安で上乗せ税再開の際には十分な周知を行いつつ土日祝日のタイミングを利用するのがよいでしょう。

 

選挙対策の見せかけの減税で恩恵を受けるのは献金した経団連や上級国民で一般国民は減税の恩恵がないどころか社会保険料含む増税では怒って当然です。

真に物価高に苦しむ国民に対し、成長の成果を適切に還元する、税制や社会保障負担の軽減など、あらゆる手法を動員するならまず逆進性の強い負担の軽減から行うべきと考えます。