1352ページ目 防衛費増税と投票率の低迷

防衛増税をめぐり自民党執行部で慎重論が上がっています(日経記事「防衛増税、開始時期巡り綱引き 自民党の税調と執行部」)。

2025年まで黄金の3年間と言われてきたものの、2023年も残すところ1か月を切り来年衆院解散がなかったとしても再来年には国政選挙で黄金の3年間も2年を切りました。

内閣支持率も低迷し青木率も調査によっては50%割れになっており選挙も近いので日和見したいという気持ちが強まっているのでしょう。

経済界も政治献金自民党に継続しており(中日スポーツ記事「自民党に毎年24億円献金経団連会長「何が問題なのか」と発言の報道にネットの怒り沸騰」ヤフーニュース)絶対に法人税増税は阻止したいという意気込みも伝わってきます。

現金は潤沢で法人税が増えても別に投資や賃上げに支障はないのですが経営者からすれば法人税増税で親会社株主に帰属する当期純利益が減れば業績連動報酬が下がるので私利私欲のため法人税増税阻止に動くでしょうね。

何が何でも防衛費増税を回避したい自民党執行部と経済界が結託してカネも地位も独占したいという意図が露骨です。

 

一方で子供支援金制度による社会保険料の上乗せや高齢者の医療費自己負担増だとか老健の室料負担増額(毎日新聞記事「老健での居住費、相部屋にも室料負担 厚労省提案に反対意見相次ぐ」ヤフーニュース)が上がっています。

さらに公明党所得税減税の所得制限に慎重な姿勢を示しており大企業及び上級国民が相対的に優遇される状況になっています。

 

まあ公明党にすれば創価学会の都合もあり防衛費増税を潰したいので所得税減税を継続させて増税と減税を同時にやるのは問題という話にもっていきたいのでしょうがその一方で社会保険料を上げたり社会保障費を無駄の削減の名のもとに削って給付を削減するのはスルーですので信用なりません。

防衛費増税から所得税増税を削りたいというのであれば富裕層の所得税以外なら中低所得層の負担軽減に有効なので賛成できますが法人税増税に関してはこれまで社会に富を還元しなかった人たちに国難における必要経費を負担してもらう意味で必要です。

格差是正も考慮するなら所得税減税と内部留保が潤沢な大企業に対する法人税増税は税目も対象も違うので矛盾はしません。

防衛費増税で予定通り法人税増税を行うのは可能です。

負担能力を考慮すればどう考えても大企業及び上級国民の負担で防衛費や少子化対策財源等を賄うしかないです。

大企業の内部留保や現金については昨日も書いたので割愛しますが富裕層に所得税減税をする必要は全くありません。

今さら定額減税されても富裕層からすれば微々たる金額で生活が助かるとか消費に回すとかの効果はたぶん期待できないですね。

しかも富裕層の申告漏れも過去最高の980億円となっています(朝日新聞記事「富裕層の申告漏れ、過去最高の980億円 国税庁まとめ」ヤフーニュース)。

この状況で富裕層に所得税減税するのは盗人に追い銭をくれてやるようなものです。

高齢者の医療費や介護費用に関しても一見すると高齢者だけ優遇されているとも言えますが人は誰もが老います。

いざ自分が50代60代になって慢性的な不調が体に現れた時に若い頃の主張がブーメランになって帰ってきます。

さらに医療費が増えれば受診控えでより体調が悪化し手術が必要になる、あるいは手遅れになるなどしてかえって本人のみならず社会全体の医療費が増加することもあり得ます。

介護にしてもヤングケアラーの問題もありますが負担が増えれば介護サービスを諦めざるを得ず身内が介護するしかない、現役世代を優遇するどころか介護離職を増やす可能性すらあります。

 

政治献金してくれる経済界には減税と法人税増税見送りで選挙に行かない一般国民からは容赦なくカネを奪い票とカネをくれる上級国民には優遇するというわかりやすい自民党執行部の腐敗ぶりが見て取れます。

防衛費はなし崩しに国債にして国債が増えたのを口実に消費税や社会保険料で一般国民から搾り取ろうという魂胆が透けて見えます。

選挙に来ない、文句がないなら賛成とみなすといった考えで負担を増やしてくるのかもしれませんね。

ある意味で低投票率がここまで格差を拡大させた、選挙に行かないと生活が苦しくなるという結果が失われた30年で示されたとも言えるのではないか?

「国政選挙 投票率推移」で検索すると総務省「国政選挙における投票率の推移」が出てきました。

衆議院議員総選挙大選挙区中選挙区小選挙区)における投票率の推移のグラフがあり昭和21年から令和3年までの投票率が掲載されています。

それを見ると70%台だったのは平成2年(1990年)が最後でそこからは急低下し平成8年(1996年)に60%割れし平成17年(2005年)に小泉ブーム郵政解散で注目度が上がり67.51%に回復、平成21年(2009年)に政権交代選挙でさらに注目度が上がり69.28%を記録するも70%台には届かずその後は民主党に対するがっかり感や安倍内閣一強で選挙に行っても無駄という認識が広まったのか平成26年には52.66%で過去最低となりました。

平成29年(2017年)に投票権が18歳まで引き下げられ興味を持った20歳未満の有権者が増えたためか投票率は上昇し令和3年(2021年)もコロナ禍の選挙ということもあってか投票率も上向きましたが55.93%と2009年から12年にわたって60%台を回復できていません。

数字を見る限り失われた30年は投票率低下で民意が政治経済に届かなくなったからではないかとも思えてきます。

失われた30年では衆院選において一度も投票率70%は達成できていません。

そう考えると投票率70%は民意を反映させる上で重要な水準ではないかという気もします。

特にこの10年では法人税減税と消費税増税かつ賃金も伸びませんでしたが有権者がもっと選挙に行っていれば、中低所得層に対する税や社会保険料の負担軽減と賃上げを訴えていればやりようはあったのではないか。

2005年の郵政解散で民意の大きさが力になることを認識したのもあって2009年の政権交代選挙ではその熱量とリーマンショック後に明らかになった新自由主義の問題点がさらに投票率を引き上げ政権交代も実現しています。

ただ問題はその後、原発事故対応や消費税増税決定の件もあって政治に対する期待が急速にしぼんでしまったのが不味かった、そしてそれをいいことに上級国民がやりたい放題食い散らかしたのが失われた20年を失われた30年にした原因の一つだったのではないか。

 

政財界の人材の劣化ぶりだけでなく選挙に行かない一般国民もまた自分で自分の首を絞めたようなものですが失われた30年からの脱却には投票率を上げて民意、中低所得層の意思も政治経済に反映させる必要があるのではないかと思います。

で、具体的にはどうするかと言うとこれがまた困難です。

与党でも野党でも疲れ果てて投票所に足を運ぶのも困難になった一般国民の心に灯をともすことができるリーダーなり理念なりが必要ですけどそれができる人材は果たして今の日本に残っているのか?

仮にいたとして2005年や2009年のような後々の悲劇だとかもっと最悪な場合はヒットラーのような独裁者が出てきてしまうリスクもあって選挙で山が動いた後の政治が問題です。

2009年に民主党政権交代したものの東日本大震災対応も失敗した上に秋葉加藤や京アニ青葉のような負け組の救済も結局できずこの時期に出産結婚ができたはずだった氷河期世代をスルーして国家存続にとって致命的に危険な状況を作り出してしまいました。

どうせまた同じことになると思っている人も大勢いてそれも低投票率の一因になっているんでしょうが一方で2009年の政権交代年越し派遣村だとか秋葉加藤の一件や派遣労働者の問題の一件が世論に火をつけた、自らも減給だとかリストラにあって他人事ではないと感じた人が投票所に足を運んでいます。

利益というか不利益が他人事でないと思えるようになったら投票という形で選挙に行くのではないか。

それを考えると昨日の話のように藁の一束、増税の書類1枚が着火点になるのではないかという気もしてきます。

不平不満のガスが充満している所でトリガーを引いて火が付けばそれが革命の狼煙になる可能性もあり得ますがその種の劇薬を用いて失敗した場合のリスクは上述の通りあまりにも大きいものがあります。

できることなら穏当な方法で不平不満のガスを減らしていく、政権交代で一気に変えるよりか地道な負担軽減で格差解消を実現していく方がリスクはより小さい、流れる血の量も少なく済むのではないかと思うのです。

再びの大混乱がベストな結果をもたらすとは限りませんがさすがに一般国民の生活も限界にきている以上、個人増税法人減税で格差拡大というのは避ける必要がある、確実にある国政選挙で大敗したくなければもう自公の議員を落選させるしかないという状況に一般国民を追い込まないことが重要です。

仁徳なき政治はお断りですね。

 

 

ところで経団連会長の会見でミャクミャク様がお倒れになりましたね。

ミャクミャク様恵比寿様説もありますがふと2019年の即位の礼で安倍元首相の旗が強風で落下したのを思い出しました。

何かの兆しか?と思った人がいるかどうかは知りませんがオカルト好きな人の中には不吉さを感じた人もいるかもしれませんね。

いやいや別に人形、「にんぎょう」が倒れただけなんですけどね。

たまたま固定が甘かっただけの話ですよ。

ん?なんでたまたま甘くなったかって?いやそれはたまたまだからたまたまだとしか言いようがありません。

人形とかいて「ヒトカタ」だからこれも何かの象徴だって?

それは考えすぎ、オカスピ話の読み過ぎです。

まあ万博はいらないリングは無理やり進めてるけどパビリオンはまだできてないし中身の展示物も何が来るかまだ不明です。

住友化学の業績がどうなるかも不明です。

先のことはどうなるかわからないものですよ…と、言いたいところですけど万博も住友化学の経営もダメな人ですからかなり不吉です。

オカスピ話はともかくとして万博も住友化学もうまくいっていない件については事実です。

防衛費増税見送りに関してもこの人の言う事は聞かない方がいいんじゃないかと思いますね。