1303ページ目 社会保障財源は税収増を活用しよう

少子化対策財源につき経団連から消費税増税案(東京新聞記事「経団連、自民に消費税増税求める 少子化対策で「国民全体が負担する財源検討を」」)や社会保険料に上乗せ徴収する支援金制度案(朝日新聞記事「「支援金制度」議論スタートへ 使い道は限定 異次元の少子化対策」)が出ています。

法人税減税の予算を獲得しつつ労使折半の社会保険料も会社の利益が減って役員報酬も増えなくなるので輸出企業にとっては還付対象になる消費税を増税させて富を独占しようとする意図が見え見えですね。

もちろんそんな都合のいい話は断固反対、逆進性の強い負担による格差拡大や結婚前の世代の負担増による未婚化の加速、国民負担増による潜在成長率低下を考慮すると少子化対策財源含む社会保障財源は税収増の活用が適切と考えます。

 

そもそもカネに関しては足りない足りないというけれど昨年度税収は当初想定を約3兆円弱上回り(時事通信記事「昨年度税収、71兆円超え=3年連続で過去最高―法人、消費、所得税が軒並み増」)歳入から歳出を差し引いた純剰余金は2兆6294億円と過去2番目の高水準でした。

歳出面も予算の使い残しを示す「不用額」がコロナ対応予算などで11兆3084億円に上り過去最大です。

国債発行も12兆円分圧縮されました。

というか2022年度の実質GDPは546兆円で2021年度は540.2兆円でしたが一方で2022年度の税収は2021年度より約4兆円増えています。

つまり実質GDPは5兆8千億円しか増えていないのにその3分の2以上が税金で持ってかれたということになります。奪い過ぎですねこれは。

国の基金残高も16.6兆円まで積み上がり(朝日新聞記事「国の基金残高、22年度末は16.6兆円 支出見通しと実績にずれも」)コロナ禍前の7倍に膨らんでいます。

1ドル150円の円安で日本政府が保有する米国国債等外貨建て資産も膨らみ外為特会剰余金は3・4兆円になっています(ロイター記事「外為特会剰余金3・4兆円」)。

補正予算規模も20兆円規模と言われますが(東京新聞記事「補正予算案で「15兆~20兆円」本当に必要?「規模ありきではない」と言うけど…」)この状態で少子化対策財源が名目の消費税増税社会保険料値上げは奪い過ぎ、税の増収分の優先活用と予算の使い残し分の活用や無駄な基金の取り崩しが先です。

 

法人税所得税減税の話がありますが勝ち組の累進課税を減税して逆進性の凶悪な消費税(インボイス制度も導入された)や社会保険料(子供支援金制度含む)を上げればジニ係数がより悪化しかねません。

ジニ係数も元々0.5を超える状態なのを再分配で0.4を辛うじて下回る水準に抑えているのに再分配後の格差0.4超で一線を越えより社会不安が悪化するリスクを強く懸念しています。

実際、安倍元首相や岸田首相といった有力政治家への襲撃、闇バイトによる富裕層や宝石店襲撃、炊き出しに並ぶ人の増加、トー横キッズやグリ下キッズなど売春や薬物に手を染める未成年の増加等、現状でもかなり末期的です。

格差社会をより悪化させる負担分配と勝ち組への富の逆再分配には強く反対ですね。

 

物価上昇で消費税収が増えましたが元々社会保障や子育て支援を名目に導入したのが消費税であり増収分は子育て支援財源や社会保障費に充当するのが本来の使い道です。

未だ最低賃金時給1000円未満の地域も多い中で増税社会保険料の上乗せで可処分所得を減らすのは婚活対策になりません。不倫は文化との話は日本になく育児の前に婚活が先になります。

 

また国民負担率上昇は潜在成長率を下げ経済を停滞させる点で問題があります。

国民負担率が1%上昇すると潜在成長率が0.11%下がるとの話もありますが(第一生命経済研究所記事「潜在成長率を押し下げる国民負担率上昇」)消費税率と社会保険料を上げる一方で賃上げはなかった結果として可処分所得が減り消費が低迷したのも失われた30年の一因です。

労働分配率は過去最低ですが(ブルームバーグ記事「日本の労働分配率が2年連続低下、過去最高益でも従業員に恩恵薄く」)賃上げ不十分なのに法人税所得税減税で企業の内部留保役員報酬だけ上がる構造を改めぬ限り本格的な景気回復が難しくなりせっかく増えた税収も頭打ちになる可能性もあります。

 

2030年代に最低賃金1500円、消費税率19%で質の高い外国人労働者は来るのでしょうか?

外国人労働者も消費税を負担しますが1ドル150円で米国との3倍近い賃金格差に加えて日本での生活費が増えれば本国に送金できる可処分所得が減り日本での就労がさらに敬遠される懸念もあります。

他の先進国との賃金格差を解消せず消費税率を海外並に引き上げるのは良質な労働力確保の観点でも問題です。

受け入れ基準を下げれば人数だけは確保できるかもしれませんが反面で他の賃金が高い国で採用されなかった人を受け入れることでもあるわけですが大丈夫でしょうか?

高賃金だからといっていい人材とは限りませんが低賃金だとそれ相応の人材しか集まらないのは別に日本人に限らず外国人労働者だって同じことです。

受け入れ基準を下げれば地域社会との軋轢や犯罪も増加する懸念もあり質の高い外国人労働者が来日したくなる環境整備が重要になります。

令和の世の中は2000年前後の就職氷河期のように代わりはいくらでもいるんだよといって低賃金でも質の高い労働力を確保できた時代とは違うんです。

 

減税に関しては日経記事「歴代政権、減税失敗の歴史」で1990年代以降の自民政権の減税を取り上げていますがちょうど氷河期世代が若者世代だった時期に消費税増税を行い逆進性の強い負担を増やす一方で所得税住民税の定率減税を行っています。

就活で苦労し就職後もブラックな労働環境で給料も上がらぬ若者にとって所得税住民税の定率減税の効果は薄いです。

社会保険料も上がり続けましたが(毎日新聞記事「30年間上がり続けた社会保険料「給料手取り減」の正体」)これが少子化の根本原因となり今の苦境を招いたのを考えると当時の政策は取り返しがつかないレベルで国家の大計を致命的に誤ったと言わざるを得得ません。

経済界の法人税下げ消費税上げの主張は30年前と変わらず労働分配率も過去最低ということなら経済界の主張を聞く必要は皆無です。

十倉君は消費税の議論から逃げるべきではないと言っていますが防衛費増税先送りで法人税増税の議論から逃げるのを棚に上げる姿勢こそ問題です。

格差是正や真に経済成長に資する再配分が必要ですが改めて応能負担の原則に基づく税と社会保障制度の再構築が必要と考えます。