1293ページ目 札幌五輪2030招致見送り

札幌市は2030年の冬季五輪招致を見送る方針を固めました(共同通信記事「札幌五輪断念、市民ら「残念」 「分かっていた話」との見方も」ヤフーニュース)。

電通や大広(博報堂グループ)、アオキやサンアロー、電通OBの高橋元理事、運営局の森事務次長等々様々な人たちの不正が発覚し再度の五輪招致に厳しい逆風が吹いていました。

今年4月時点での札幌市における2030年オリパラ招致支持率は38%で不支持率は47%でした(朝日新聞記事「札幌五輪招致に反対47%、賛成を上回る 札幌市民への朝日調査」)。

地元の支持率が反対多数ではさすがに厳しいものがありますね。

 

2030年オリパラ招致で北海道経済を浮揚させたい、前回の札幌五輪で整備したインフラが50年以上経過したので新たな五輪招致で国の費用を使って再整備したかったという狙いもありましたが経済効果も何も投資コストが見合わない可能性もあります。

東京五輪大阪万博も当初の予算から倍に膨れ上がりどんなに札幌市側がコンパクトに収めるといったところでかなり怪しいものがあります。

円安で建設コストも上がっていますが仮に招致したとして施設を建設する職人さんの確保はどうするんでしょうね。

大阪万博も職人さんが集まらず困っていますが全国的にも労働力不足があって北海道も同じです。

今の状態でもかなりタイトなことになっていて北海道新幹線幌延伸工事も滞り目標としていた2030年開業は非常に厳しく工期の延長論も出ています(共同通信記事「北海道新幹線、札幌延伸を延期へ 開業31年春から遅れ」ヤフーニュース)。

建設費高騰で札幌西武跡地でホテルを開業する予定だったのが断念して建設計画も縮小されることになりました(北海道新聞記事「札幌西武跡地再開発、高級ホテル誘致を断念 ヨドバシHDなど準備組合、建設費高騰で」)。

西武そごうを買収するのに3000億円も出した勝ち組企業のヨドバシカメラですら札幌五輪招致断念でもインバウンド需要が見込めるホテル建設を断念するあたりよほどコスパに見合わない状況になっているのでしょう。

世論の反対に関しては我関せずという偉い人であってもカネの話で儲からないどころかとんでもなく赤字になるということであればさすがに今回は見送りたくなったのかもしれません。

まあ世論の反対を尊重したというよりカネの問題はさすがにどうにもならなかったんでしょうね。

この状態で五輪を承知したら金欠と労働力不足でパンクします。

 

さて2034年以降の札幌五輪招致はどうなるんでしょうね。

2034年ソルトレークが本命視されていますが2038年の日本に大規模な国際イベントを開催できる余力があるかというとなかなか難しいのではないかと思います。

少子高齢化で大変なことになっていますが2040年頃の日本は団塊の世代が平均寿命を迎えて人口がどんどん減る世の中になっている上に氷河期世代が高齢化するもカネがないので社会保障費でいっぱいいっぱいになっている可能性があります。

国力の衰退で円安が進み生活コストも上がっていてとてもスポーツ観戦をするどころではなくなっているのではないか、バブル期に整備したインフラが50年を超え取り壊しなり大規模修繕なりしなければならず他の施設を建設するのも人手不足だけどあまりにも円安過ぎて日本の若者も海外に出稼ぎに行って日本にいるのは貧乏な高齢者と外国からリゾートに遊びに来る人たちぐらいしかいなくなるかもしれません。

実際のところどうなるか不明ですが限りある資源を活用する上で本当に五輪のような大規模イベントは必要なのか改めて考え直すのは大事かなと思いますね。