1005ページ目 札幌五輪意向再調査

不祥事続々で五輪に対するイメージが悪化する中で札幌五輪開催の是非について世論調査を再び行うことになりました。

昨年行われた東京五輪で談合など次々に不祥事が発覚した上、組織委員会が発表した1兆4000億円よりも実際には費用が多くかかっており総額で1兆7000億円かかっていた等コンプライアンス経理もいい加減だったことが判明しています。

これが逆風となり札幌五輪開催について厳しい視線が向けられており札幌市やJOCとしても何もしないわけにいかなかったのでしょう。

ただ前回の調査も賛成の方が若干多かったとはいえソルトレーク市での地元支持率よりかなり低く不祥事発覚前ですら開催賛成の声が低調だったことを考えると次に行われる調査でも厳しい結果になることが想定されます。

支持率がより低下するなら2030年は開催見送りとすべきなんでしょうがふと思いました。

札幌市やJOC内部にも案外2030年は見送った方がいいと考える人が居て支持率の低迷を表向きの理由にしたいという意図があるのではないかなと。

北海道新幹線札幌五輪に合わせて2030年度に開業予定となっていますが当初の見積もりより6000億円も上積みされる上、工期も4年ぐらい遅れているところがあり札幌五輪開催に間に合わせるのは非常に厳しい状態となっています。

さすがにそれだけの金額をかけるとなるとコストの回収は相当大変ですが五輪開催に間に合わなければそれも厳しくなります。

カネは非常に痛いですが仮にそれをなんとか工面したとしても工期の遅れはどうにもなりません。

国家プロジェクトですからメンツがかかっている大手ゼネコンも納期は相当意識していると思いますがそれでも音を上げるのはよほどのことで2030年の開業は相当困難でしょう。

もちろん五輪にとっても北海道新幹線を輸送で使えないのは痛いわけで無理に2030年に照準を合わせるより北海道新幹線を作ってからの方が経済効果は期待できます。

さらに2030年というと台湾有事が発生する等中国北朝鮮ロシアの脅威が相当大変な事になっている可能性もあり隣国の日本で五輪開催どころでなくいざ戦争が起きた場合は戦争に巻き込まれることで五輪そのものが中止になるリスクがあります。

米国も立候補していますが米国であれば地理的にアジアから遠く開催できないこともなく安全策をとるなら少なくともアジアでの開催は難しいでしょう。

政治から中立と言いつつも五輪を政治利用する大国はいつの時代もあって旧ソ連や米国も冷戦期にアフガニスタン侵攻があり双方がボイコットの応酬をモスクワ五輪とロス五輪で行いましたが戦争が起きたとしても米国の事ですから民主主義陣営の盟主としての威信高揚に五輪を利用するため中止にはしないのではないかと思わなくもありません。

経済的にも国際情勢的にもどうなっているかわかりませんがいざ招致してしまった場合それらのリスクも抱え込みながら開催準備をしなければならなくなりますがもうコロナ下での開催で大変なことになったので五輪についてはもう当分お腹いっぱいです。

次の五輪の招致よりも東京五輪の運営についての反省をまずしっかりやってほしいと思います。