1438ページ目 地方移住と電気の調達

一昨日に核ミサイルが降ってきたり災害があったりした場合の避難先として地方にセカンドハウスを持つのもよい、戦争リスクが心配なら地方移住も一案という感じのことを考えました。

 

…が、やっぱり問題になるのは電気と水ですよね。

水も電気も能登地震ではだいぶ復旧に時間がかかっていますけど地方は能登に限らず過疎化が進んでますからね。

時間がかかっても復旧できるんだったらまだマシですが自然災害で被害を受けたのをきっかけに廃線になった鉄道路線もあります。

たとえば2005年の台風で廃線になった九州の高千穂鉄道、高波による路盤土砂流出で2021年に廃線になったJR北海道日高本線鵡川から様似の区間です。

バスで代替するから廃線にすると言ってもそのバスだって運転手不足や過疎化による客数減少で採算が取れず撤退する可能性があります。

実際、鉄道が廃線になった夕張市ではバスも撤退し移住を検討する住民もいるそうです(北海道新聞記事「路線バス、止まらぬ廃止・減便 札幌線廃止の夕張では転居する住民も」)。

地方移住は自家用車がないと死活問題です。

鉄道が通っていない、鉄道はあるが過疎化が進んで廃線案が上がっている地域に移住するなら運転免許とマイカーを維持できる収入が必要になってきます。

それでも交通に関しては自家用車を運転出来る限りは何とかなるのですが水や電気の復旧でコスパが悪すぎてもう復旧できないという話もいずれ出てくるんじゃないかと思うんですよね。

ライフラインですから絶対に復旧して貰わないと困るんですけどカネがないばかりか人手も足りないということだったらほどほどの都市部に移住を促さざるを得なくなるのではないかと。

地方移住したけど結局他所に引っ越してねと言われるのもどうなんでしょうね。

 

それでも絶対にここに住むぞ!という強い意思があるのであれば水も電気も自給自足して貰うことになります。

水は井戸を掘って電気は太陽光発電と蓄電池ですね。

汚水は浄化槽で処理することになりますか。

ぼっとん便所だとか昭和末期ではかなり馬鹿にされたものですが令和ではさすがに明治以前の文明開化前とまではいかないにせよ昭和初期だとか明治大正レベルのインフラレベルまで退化するかもしれませんね。

上下水道網だとか送電網を維持するのはそれなりの人口があってこそですけどそういえばローマ帝国時代に作られた上水道ローマ帝国の衰退でその多くが一旦使われなくなりました(一旦と言うのはルネサンス以降に再びローマの繁栄が戻ってきて人口増とそれに伴う水需要の増大で大昔に使っていた水道を復旧させたためです)。

古代ローマの時代には100万都市だったローマも相次ぐ戦乱や流行り病で中世には10万人を切る水準まで人口が減少しています。

たとえ建築技術自体は書物に残っておりやろうと思えば稼働させることができたとしても100万人都市が前提のインフラですから維持コストは重いし、いくら水が貴重といっても10万人で100万人分の水を供給されたって持て余すだけです。

人口密集地は幾ばくかの上水道を稼働させ残りは井戸水なり川の水を使うなりしたんでしょうね。

 

電気に関してはローマ帝国時代にはありませんでしたけど現代だったらスマートグリッドシステムの一環で地方の太陽光発電で発電した電気を都市部に送るのに送電網が必要になりますがそれもある程度まとまった発電設備がない地域に関しては送電網の維持コストの方が高くつきそうです。

システムに組み込むのがコスト的に厳しく送電網の維持が難しいとなると災害時に備えた電線地中化の議論以前の問題になってきます。

どうしても電線地中化を進めるというならある程度まとまった人口がある地区だとか民間の大規模太陽光発電所があるような地域限定でそれ以外は自家発電及び蓄電設備の導入を促すといった形になりますかね。

 

いずれ水道も送電網も鉄道網のように過疎化で維持できなくなっていきそうですが帝国の衰退後のローマと似たような感じになるんでしょうか。

まあインフラ維持を通じた中央集権的なシステムが崩壊していく世界になる、風の時代は分散がテーマでもあるのですが過疎化で自給自足が増えたら中央の権力の威光も弱まっていくかもしれません。

ライフラインを握っているからこその威光ですからね。

地方切り捨て、弱者切り捨てだなんて話もありますが中央集権的なシステムに依存せずに済む経済システムを構築できた地方が中央の政策に反発し自主独立っぽい世の中になってくるかどうかは不明ですけど東京の偉い人が偉い立場でいられるのはライフラインの維持を通じて地方の生殺与奪を握っているからでもあります。

歴史は繰り返すなんて言いますがローマ帝国崩壊後の社会がどうなったのかも今後の100年を考える上で参考になる、いや100年なんて長~い時間もかからない、30年とかでも十分参考になるのかなと思わなくもありません。

地方で自給自足体制を整えて自力で経済圏を築くか辛うじて生き残った都市部で過去の遺産をどうにか修繕しながら生き延びるか色々判断も分かれそうです。

そうなってくると中間的な立ち位置にあって現在は東京のベッドタウンとなっているトカイナカがどうなるか不明、いいとこどりができればいいんですけど悪い所総取りになってしまう可能性もあるわけでそこは地元政財官の立ち回り次第でしょうね。

今のところは何だかんだでトカイナカも住みやすそうではあるんですけどそういうところに移住するなら地元政財官の人材についてよくよく見極めておくのも大事かなと思います。

 

 

…さていつ引っ越しできるかなぁ。