1400ページ目 水道の復旧に2~3か月

被災地では水道が未だに使えない地域がありますが復旧は2月末から3月になるそうです(日テレニュース記事「能登半島地震から3週間 石川県、水道の仮復旧早くても2月末以降の見通し」ヤフーニュース)。

1月1日元旦に震災発生で水道が破損していますので2~3か月復旧に要することになります。

この間に上下水道は使えませんが水やトイレの確保はどうしたらいいでしょうか?

 

災害時の水の確保、どうする一か月分一人90リットル?
被災地では震災から2週間たっても水の確保が難しい状況ですが備蓄は足りていますか(日経記事「死者221人 復旧なお遠く 発生2週間」)?
水は1日当たり一人3リットル必要と言われています。
能登半島は交通事情が良くないので陸の孤島となってしまいましたが実家のある山梨も山梨で主に東京方面、静岡方面、長野方面の3か所が塞がれると陸の孤島になる、実際10年前の2014年豪雪で山梨も交通網が寸断されました。
南海トラフ地震が起きた場合は被害状況次第では東京方面と静岡方面からの交通がストップする可能性もないとは言い切れません。
長野方面だけしか通行できなくなるとすると相当混むんじゃないかと思います。
物流網のストップで救援物資がいつ届くかわかりませんので一応一か月分の水と食料は確保しておきたいものです。
一日3リットルで3人だったら3リットル×3人×30日で270リットルになります。
2リットルのペットボトルだと135本ですか。
さすがにそんな本数を備蓄できるかというとスペースの問題で難しいですね。
せいぜい2リットルペットボトル六本入りの箱を2箱ぐらい置いておくぐらいですかね。
これだと24リットルです。3日も経たずに不足しますね。
自宅が倒壊しないという前提になりますがお風呂の浴槽のお湯は冷めても張ったままにしておくことをお勧めします。
ドクターコパ的にはNGで風水的に運気が落ちるし衛生上もあまり良くはないんですけど(サンキュ記事「離婚危機、不倫疑惑…不運を呼ぶ「4大NGお風呂風水」はコレ!【Dr.コパの風水解説】」)背に腹は代えられません。
雑菌が繁殖するので古くなったお湯の飲用はやめるべきではあるんですけどそのままの状態でも飲料水以外の用途で活用することは可能です。
それにお風呂のお湯であれば濾過することで飲料水としての活用も可能になります。
一般的な浴槽が200リットルから280リットルのお湯を溜めることができますから250リットルぐらいのお湯(水)を常時溜めておけば上述のペットボトル水と合わせてどうにか1か月は乗り切ることができるはずです。
東京や山梨あたりだと春夏秋は雨が降るので雨水を溜められる容器を用意しておくとして冬は雨も雪もずっと降らない日が続くこともありますから降雨も期待できない場合に備えた対応も重要になります。

 

泥水をすすってでも生き延びろとはいうけれど…
苦しい局面でもとにかく生き延びろということで「泥水をすすってでも生き延びろ」とは言いますが現実に浄化前の泥水を飲んだら体調を崩すので絶対にやめましょう。
さて問題はその泥水を濾過する浄化装置なのですがこれがまた結構高いんですよ。
ミヤサカ工業が性能のよさそうなろ過装置を製造販売していて特にRO膜型非常用浄水器「飲めるゾウ RO」はPFAS(有機フッ素化合物)という多摩地区の米軍基地周辺で問題になった発がん性のある有害物質(朝日新聞記事「多摩地域で複数のPFAS汚染源か 市民団体が井戸水を調査」)ですら除去できるそうです。
RO逆浸透膜では人間含む生物の尿もろ過することが可能でNASAでは宇宙船内の水の確保でこのRO逆浸透膜を用いた装置を活用しているのだとか。
これ1台あれば非常に心強いですが同社の飲めるゾウRO(手動)MJRO-02の価格は141,900円になります。尿を濾過できるのは非常に大きな利点ですけど我が家では予算的に厳しいですし10キロぐらいあります。
場所も26×36×60cmで場所を取りますしこれ1台で1時間あたり52リットルの浄化が可能で200人分ぐらいの水を確保できる代物です。一世帯で使うにはオーバースペックですが町内会で相談して避難所になりそうな地域の公民館だとか小中学校に1台置いてもらうぐらいがよさそうですね。
RO逆浸透膜を用いた2リットルペットボトルサイズぐらいの濾過装置でもあればと思って探しましたがさすがにそういう製品はありませんでした。
RO逆浸透膜よりロースペックにはなりますがMF中空糸膜フィルターを用いている飲めるゾウ スリムMJSL-01だったらおしっこはろ過できないものの雨水とかお風呂のお湯はろ過可能です。サイズも15×30.6×43cmでまずまずの大きさです。
…が38,280円になります。
これも我が家にはちょっと厳しいですけど同社の販売サイトを見ると能登地震で受注過多になっているとありました。
けっこう多くの人が注目しているみたいですが地域の会合でも話をしてみてください。
きっと非常時の飲料水確保に役立つことでしょう。

 

井戸水がどこにあるか調べてみましょう
地域に井戸がどこにあるかも把握していますか?
阿佐谷北6丁目近辺だと馬橋小学校に防災井戸があり消防団センターの隣にも井戸があります。善福寺川緑地周辺にも井戸があるのを確認していますがいざという時は防災井戸の活用も検討したいと思います。土地を購入できたらいいんですけどね。
色々と手続きが必要になりますが20mから40mの浅井戸で20万円から50万円、50m以上の深さになりますが飲用水に利用できる可能性もある深井戸だったら60万円から100万円で掘削できるそうです(比較ビズ記事「井戸掘りの費用相場は?さく井・井戸工事にかかる料金まとめ【2023年保存版】」)。
震災で電気がストップするリスクも考慮するとポンプは手動式にした方がよさそうですが手動式なら電動式より費用も安く6万円程度になります。
まあろ過装置だけでもけっこう厳しい出費になることを考えると井戸掘りも厳しいですね。
井戸掘りができれば水代の節約にもなるし防災井戸登録で杉並区だったらメンテナンスにあたって補助金も出ます。
阿佐谷の隣町は中野区大和町なんですがここには日蓮宗の泉光山蓮華寺という江戸時代からの寺があって湧き水が出てくるんですね。
けっこう良質な湧き水だそうですが隣町ですし阿佐谷でも井戸を掘ればけっこういい水が出てくるかもしれませんね。

 

1万円以下から買えるろ過装置
まあそんなカネはないんですがもっと安い浄水器だとキャンプ用のろ過器だったら1万円以下でも購入可能です。
そりゃ山登りとか遠い場所に長丁場のキャンプをするにあたってたくさんペットボトルを持ち歩くのも重いしゴミも出るし大変ですからね。
アウトドア用の携帯浄水器があれば荷物も減らせそうです。
長丁場の登山でなくても遭難した場合に備えて一個持っていくのがいいかもしれません。
雨水だとか沢の水を飲んでどうにか生き延びて救助を待つことができれば生存確率は幾ばくか上がるかもしれません。
ヤフーショッピングの携帯浄水器も確認してみましたがSAKUTTO 携帯浄水器というのが売れているそうです。
1分程度で500mlの水のろ過でき河川の水を沸騰させて蒸留水を作るより時短可能、フィルター浄水量5000リットル、中空糸膜フィルターで尿はろ過できないものの河川やため池の水及び浅井戸の水が濾過可能で入浴剤の入った水でなければ風呂水でも濾過OK、浄水器サイズ 3.5cm × 14cm × 3.5cm 浄水器重量 50gですから簡単に持ち出せます。
非常用持ち出し袋にでも入れておくとよいと思います。
価格は3980円になりますがこれぐらいであればまあなんとか。
未使用だったら10年間性能が劣化しないそうですが一旦使ってしまうと空気に触れるなどするせいか5年ぐらいで劣化していくようです。
使用してしまうと劣化が早くなるのでそのまま保存しておくことをお勧めします。

 

非常時のトイレはどうする?
飲料水だけでなくトイレの確保も大変なことになっていますが(MBS記事「「トイレが本当にもう…」声落とす女性「トイレの臭いが嫌で、飲まず食わずの被災者が現れる」震災関連死リスク心配、あふれるトイレ問題【石川県能登半島地震:取材リポート】」ヤフーニュース)トイレ対策は大丈夫ですか?
排便は1日一回、小便は1日5~7回と言われていますが2週間経っても能登ではトイレの状況が改善していないことを考えると1か月分ぐらいは簡易トイレがあった方がいいかもしれませんね。
大便1日一回として3人なら90回分ですか。
ヤフーショッピングで100回分で6000円の商品がありましたね。
小便については…使用済みペットボトルに溜めるなり畑にするなりしたらいいんじゃないかと思いましたがやっぱりそういうのはよくないです。
まあ畑に撒く分には肥料になるとはいっても昔のように立ちションしていい時代じゃありませんからね。
クレヨンしんちゃんが立ちションしても怒られるだけですけど大人がやったら通報されるかもしれません。皆スマホ持ってますし撮影も通報も一瞬で出来ます。
あとグーグルストリートビューで全世界が監視されてますけど映り込みも発生します。
立ちションシーンも激写されてしまったケースもあったようです。
道端に茶色っぽい液体が入ったペットボトルが落ちていることもしばしばありますが飲み残しじゃなくて高確率でドライバーが運転中にした尿だったりします(河北新報記事「「尿入りボトル」の投げ捨てやめて 国交省が標識設置へ 宮城・越河の国道4号など」ヤフーニュース)。尿をペットボトルに溜めてその辺に捨てるのもやめましょう。
まったく自宅で尿もろ過して再利用できればいいんですけどね。
まあ猫砂も人間が使ってもいいアイテムなので人間用の簡易トイレが足りなくなったら猫砂を使うのも一案ですがこれもいつまで持つかわかりませんので多めにストックしておくのもいいかもしれませんね。

 

マンホールトイレ
ところで災害時にはマンホールトイレというのがあります。国土交通省のHPでは「下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時において迅速にトイレ機能を確保するものです。
東日本大震災時には宮城県東松島市で使用(左写真、中央写真)され、熊本地震の際には熊本県熊本市で使用(右写真)されました。」と説明されています。
これがあれば汚水管(どのマンホールでもいいわけではありません。
汚水管、汚、「お」と蓋に書いてあるマンホールでお願いします)の上にマンホールトイレを設置することができます。
ただ気になるのがお値段でこれもヤフーショッピングで確認しましたがワンセット10万円もします。外から見られても平気だと言うならテントなしバージョンもありますがそれでも8万円します。
マンホールトイレなんて要するにマンホールの蓋さえ開けられればいいじゃないと思いましたか?
それができれば苦労はしませんがマンホールの蓋って開けるのに専用の道具もいるし開けるにあたってコツもいるんですよ。
不器用な私は開けるのに結構苦労しましたよ。
マンホールって重たいです。そしてずっと開けていないマンホールは土埃が固まっていたせいかとにかく固くてなかなか開かなかったです。
んで開けるのに必要なマンホール開閉用バールって短めのサイズのものでも2万円するんですよね。
高いので私は購入を諦めました。普通に消防団で使ってますけどあれ結構高かったんですね。
使うとすれば水道工事関係者だとか消防関係者ぐらいですから需要もそんなにないし製造コストも高くなるんでしょうね。
消防団のポンプ車にマンホール開閉用バールは常備されているので大震災等により長期間トイレが使用できなくなった際には消防関係者に相談してみるのもいいかもしれません。
なお飲料用水は消火栓用のマンホール開ければいいじゃないといった話も出てきそうですがこれもろ過装置が欲しいところですね。
ホースにつないで消防操法訓練用の水槽に溜めればお風呂ができる程度の水は確保できます。
ただこれも開けるのに失敗した場合、2mぐらい水が噴き上がって大変なことになります。
消防栓を締め直すのがまた大変で全身びしょぬれになります。
消防団の活動服みたいに乾きやすい素材だったらまだしもそうでない場合は風邪を引くかもしれません。
もし消火栓開閉とマンホール開閉兼用のFHバール(54000円)を持っていたとしても勝手に開けるのは危険ですのでやめてください。
どうしても水が不足して本当の本当に必要なら消防署員に相談してみてください。

 

2週間以上トイレの復旧なしに耐えられますか?
あと国交省HPにある漫画「災害時のトイレ、どうする?」は分かりやすかったので閲覧しておくことをお勧めします。
上水道が復旧したとしても排水管が破損した場合、トイレの水が流れずトイレが使えなくなる可能性もあります。
アパートやマンションだったら上の階の住民の排泄物が下の階の住民のトイレで逆流して2019年の台風で発生した武蔵小杉「うんちブリリア」事件のような醜悪奸邪なセレブうんちの街、武蔵小杉みたいに残念な状況になることも想定されます。
仮設トイレの8割ぐらいは2週間以内に届くといっても人口が少なかったり交通が不便な場所だったりして後回しにされる可能性もないとは言い切れません。
20%というと5人に一人の割合ですからけっこう油断できない確率です。
南海トラフ地震が発生した場合における上下水道の復旧は1か月ぐらいかかる可能性もあり長期戦も覚悟しなくてはなりませんが高額になるマンホールトイレについても町内会や職場関係者とも相談してみてください。

 

掃除洗濯はどうする?
マンホールトイレの清掃にも水が必要になりますが上述の尿も処理できる「飲めるゾウ RO」で浄化した水を使うのもいいかもしれません。
清掃といえば洗濯も大事ですが災害後の救助活動やゴミの処理もあるのでむしろ日常より洗濯のニーズが高くなりそうです。
夏場とか昨年のような地獄の暑さで同じ服を一週間着用するのは非常に辛いです。
ただ水道が止まっている場合は仮に電気が通っていたとしても洗濯機への給水の構造的に洗濯機は動かせません(水道が復旧して電気が復旧していない場合は大容量の家庭用蓄電池があれば洗濯機も動かせるんじゃないかと思います)。
手揉みで洗濯せざるを得ないですがレスキューランドリーバッグ(6500円ぐらい)があると洗濯板を使うより楽に手揉み洗いができそうです。
なるべく丈夫で洗いやすく乾きやすい素材で作った作業服やジャージなどの服を用意しておくのもよいでしょう。
浄化したとはいえさすがに他人の尿を飲むのは抵抗があるにしても貴重な飲み水を使うわけにもいかないし清掃など飲食以外に使うのであればまあ仕方ないかなと思わなくもありません。

 

どうする冬の暖房とお湯の確保
冬も低体温症が心配になってきますが上述の理由で灯油を入手できるとは限りません。
電気ストーブを使うことになりそうですがこれも動かすのに300ワットから1200ワットが必要です。

あとお風呂もずっと入れないのは辛いですね。
被災地では一週間風呂に入れなかったといった話もありましたが(北陸放送記事「「気持ちよかった」1週間ぶりの風呂に笑顔 能登半島地震の被災地で“入浴支援”進む」ヤフーニュース)都市ガスの場合はガス管の損壊、プロパンガスの場合は道路事情により輸送できないリスクがあります。
日頃の電気代は高いのでオール電化はお勧めできないんですけど災害時に関しては電気でお湯を沸かさざるを得なくなります。

なので大容量の太陽光発電と蓄電池を用意しておく必要があるのですが電気の確保はさておきネットでも追い炊き用の投げ込み式電気ヒーターが販売されています。
価格は5000円以下から30000円台まで色々ですが安いのだとやはり燃費がよくないです。
1000ワット未満で稼働できるといいんですけどね。
1万円以上するものだと浴槽にある大容量の水を1000ワットで100度まで加熱できますけどプラスチック製の浴槽だと熱で浴槽が破損するリスクもあるので金属製のバケツも用意してバケツごと浴槽にいれるのがいいかもしれないですね。

 

被災した場所によっては交通が不便だったりして復旧に時間を要する可能性がありますが大都市でも南海トラフが来て復旧に手が回らず水や電気などのライフラインの復旧に1か月以上かかる可能性もあります。

ライフラインが長期間復旧が見込めない時のことを考えて有事の備えをしておきたいものですね。