内閣府は2025年度のプライマリーバランスが1.1兆円の赤字になるとの試算を出しました。
税収は増えるも支出が増えるためとしています(日経記事 膨らむ歳出、税収増相殺)。
少子化対策だとか防衛費GDP比2倍、GXに加えて能登地震復旧など予算は必要になってきます。
その上、万博だとか水ぶくれする無駄遣いもあるのでは赤字にもなるでしょうね。
しかしちょっと待てよと思います。
万博のような無駄遣いより能登地震復興を優先するのは当然だし少子化対策等も必要ではあるのですがこれらの分野で既存の基金と重複する基金があったりしないか。
予算計上はしたが結局使われないまま死蔵されている埋蔵金かつ官僚の天下りポストに成り下がっている基金もあるわけです。
なのに懲りずに2023年度補正予算案でも4兆3千億円も計上しています(京都新聞記事「社説:膨らむ政府基金 財政民主主義を損なう)。
本当に数兆円規模の基金を積む必要があったんでしょうかね。
そして利払い費の計上にも疑念があります。
日経記事「国債利払い費15.3兆円、27年度試算 24年度比1.6倍」を読むと10年国債の金利を24年度に1.9%、25年度に2.1%、26年度に2.3%、27年度に2.4%としていますが明らかに現実と乖離しています。
すでに政府が想定する金利が高すぎる件についてはゲンダイ記事「「増税メガネ」、本領発揮か…?「国債想定金利」急上昇に透ける岸田文雄と財務省の深謀のヤバすぎる中身」でも解説されている通りですが利払い費を多めに積んで決算剰余金にしたり補正予算の財源にしたり(日経記事「国債利払い費1割転用 10年で11.9兆円、補正の隠し財源」)予算の立案が非常にいい加減としか言いようがありません。
こんな実態と乖離した予算を民間企業で立てたら大目玉です。
どうせ利払い費を多めに積んで選挙対策の大型補正予算を2024年2025年で組めるように与党と財務省で裏取引をしたんでしょうね。
んで国政選挙が終わったら消費税増税の議論を始めますよと。
冗談じゃありません。
利払い費を実態に合わせた水準にするだけで15.3兆円から数兆円規模の財源を捻出できこれだけでもう1.1兆円の赤字はクリアです。
少子化対策財源が足りないからと子育て支援金制度で医療保険の仕組みを悪用した事実上の人頭税なんて創設する必要なんてなかったんです。
昨年は日銀が2024年にもゼロ金利政策をやめるとの見方が広がりましたが能登地震を受けて風向きが変わってきました。
復興を行うにあたって借金せざるを得ない人が増えそうですがたしかにこの局面で利上げするというのも酷なものがあります。
利上げで円高になり外国人労働者の流入や輸入資材の購買力向上で建設コストを抑制できればトータルで見て利上げする方が復興に資する、借金については被災地で個別に優遇税制を設ければよいとは思うのですが復興でどれだけ予算が必要になるか不明というかそもそも被害の全貌自体がまだ把握できていないのでしばらくは様子見をせざるを得ないものがあります。
利上げするにしても政府が想定するような2%とか明らかに高すぎです。
どう考えても日銀が政府が想定するような水準の利率を設定するとは思えないのですがそれを踏まえた上で理不尽に高すぎる想定利率を設定して予算案を作成したりプライマリーバランスの見通しを発表したり財政赤字が大変だと煽って消費税増税に持っていこうとする意図でもあるのではないかという疑念が湧いてきます。
国の予算からして怪しいんですが財政赤字説については無駄な支出な使われない基金の実態、金利の実態と利払い費の流用も含めて予算案をよくよく検討した上で吟味するのがよいと思いますね。