1402ページ目 災害時の電気はどうする

元旦に発生した能登地震ですがようやく電気の復旧にメドが立ちそうです。

月内にはほぼ復旧が完了するとのこと(共同通信記事「能登の停電、月内にほぼ復旧へ 立ち入り困難地域など除き」ヤフーニュース)。

復旧に向けて一歩前進とは言えるのですが昨日の時点で約5100戸が停電中となっておりつまり三週間以上も電気が復旧できなかったということになります。

そして「ほぼ復旧」という文言から1か月たっても未だに完全復旧できない世帯も存在するということになります。

厳冬の時期に電気が使えないのは文字通り致命的です。

本来ならもっと早くに復旧できなければなりません。

…が、土砂崩れで復旧作業に必要な人員が現地にたどり着けなかったり津波や火災で建物自体に甚大な被害が発生した場所もあります。

災害の大きさや立地的に復旧が難しい状況だったことは否めません。

 

激甚災害かつ交通の便が良くない場所の場合、能登地震のようにインフラの復旧が長期間にわたって進まない可能性があり他人事ではありません。

いざという時の備えは電気についても必要になってきます。

都市部であって南海トラフが起きた場合、津波地震による揺れで海沿いの大規模発電所は壊滅的被害を受けるリスクがあります。
仮に被害を免れたとしても港湾が損傷し発電用の燃料を発電所に輸送することも難しくなる可能性もあります。

被害状況にもよりますが発電所が大炎上してしまった場合は建て直しに年単位の時間を要する可能性もゼロとは言い切れません。
原発にしても最悪の場合、東日本大震災で起きた原発事故が発生するリスクもありますが今回の能登地震でも志賀原発が被害を受けました。
安全上影響はないと言い張っていますが(東京新聞記事「震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?」)完全復旧に半年かかるそうです。
南海トラフに連動して日本海側でも震度5強の地震が起きる可能性もないとは言い切れませんがそれ以前に情報開示でデータの改ざんや虚偽報告などもあり今回の地震でも不都合な情報は後だしになっています(ゲンダイ記事「信用できない北陸電力の「問題ない」…よぎる25年前、志賀原発の重大事故隠蔽工作」ヤフーニュース)。
はっきり言って電力会社はいざという時アテにならない可能性もあります。
各地の送電線が切れた場合に復旧で手が回らずこれも人口が少ない地域は後回しにされないとも言い切れません。
東京は壊滅的なことになる状況も想定されますが山梨も電力の自給率は3割ぐらいに留まっています(やまなしエネルギービジョンの概要参照)。
なお水力発電太陽光発電だけだと自給率は約25%ぐらいになります。
立地的に水力発電が17.8%で半分以上を占めるんですけど建設費もかかるし立地的に恵まれた場所はもうそんなに残っていそうもないのでこれ以上増やすのは難しそうです。
地震でダムが損傷するリスクも恐いものがあります。


太陽光発電で生き延びる
これも究極的には自家発電で対応する、オフグリッドハウスがいいと思うんですよね。
業者の宣伝記事も確認してみましたが自宅が倒壊しなければの話ですが40坪ぐらいの建物かつ3人から5人の家庭で電気の自給自足可能なオフグリッドハウスだと蓄電池もセットで6kwぐらいほしいところです(エコ発記事「家庭用の太陽光発電のオススメ容量はこれ!最適な蓄電池も紹介」)。
ただ設備導入コストはやはり高くって業者にもよりますがだいたい250万円ぐらいかかりそうです。

正直な所、発電システムの件はネットだけで調べるのも限界があるのでプロに聞いてみるのが安全でしょうね。

どうする賃貸物件の非常用電源
自宅が持ち家でなく賃貸だったらどうするか。

賃貸物件でも導入できそうなのはキャンプにも用いる発電システムですね。
非常用の発電システムは色々売ってますがまずガソリンなど化石燃料で動かすタイプのものは高出力で家電製品も対応できます。
価格は10万円ぐらいでワット数は3000ワット程度になりますね。
ただ残念なことに肝心のガソリンが入手できないと宝の持ち腐れです。
災害時にガソリンが入手できない可能性も考えると南海トラフ級の大災害だとか陸の孤島になりそうな地域では活用できない恐れがあります。

 

いくらペダルを漕いでも家電は動かせない?
ガソリン無しでも発電できる非常用電源だと「まわしてチャージ充電丸Evolution」などペダルを漕いで発電するタイプの製品もありますが100ワット以下しか対応していません。
このワット数だと使い道は限られてきます。
それでも10分漕げばiPhone13proなら10パーセント程度の充電が可能になり最低限の通信はできそうです。
100ワット以下だと他にもノートPCや電気毛布、ラジオ、扇風機、LEDスタンドが対応可能です。

地震だけでなく富士山が噴火し火山灰で太陽光発電が使えないとか梅雨や台風などのシーズンで天気が良くない場合には活躍するでしょうね。
とはいえペダルをいくら漕いでも炊飯器は動きそうにありません。
やはりガソリン発電機並に性能が良い太陽光発電と2~3日ぐらい雨が降り続いても必要分の電力を備蓄できる蓄電池が重要になってきます。

 

発電はやっぱり太陽光がいい?
これもネットで調べてみましたがけっこう高くって10万円以上するんですけどエコフローやジャクリの評判がよさそうです。
どっちも1000ワットの出力の蓄電池と100ワットのソーラーパネルセットで16万円ぐらいですかね。5万円以下のクラスになってくると炊飯器を動かせるレベルのものは見つかりませんでした。家電製品ってけっこうワット数大きいんですね。
家電のワット数一覧を販売店のサイトで確認してみましたが(オンリースタイル記事「電気製品の消費電力一覧」)電子レンジ1300ワット、炊飯器350ワットから1200ワット(マイコン式の方がIH式よりワット数は小さくなります。より安い発電機で炊飯器を動かすならマイコン式の方がよさそうです)、ホットプレート1300ワット、電気ポット700ワットから1000ワット、冷蔵庫150ワットから500ワット、洗濯機500ワットから900ワット、掃除機1000ワットから1100ワット、こたつ600ワットから800ワット、等々になります。
真冬の寒さだと炊き立てご飯が欲しいんですがガスコンロでおかずを調理してご飯は炊飯器で炊ければいいんですけどね。
さすがに生米のまま食べるわけにもいかないです。
米の備蓄に関しては白米より玄米の方が長持ちし常温でも2年持ちます。
食物繊維も豊富なので生野菜が手に入らない可能性も考慮すると玄米は備蓄しておいた方がいいと思いますが同時に水の確保と炊飯器を稼働できる電源の確保が大前提になります。
あと玄米食でお通じがすごく良くなり一日1回排便が生じるようになりますがこれもトイレの用意が必要不可欠です。
なお比較的長期保存可能な主食だと米の他にパスタや乾燥うどんがありますがパスタに関しては水だけで戻せるようです(警視庁「パスタを水で漬けてみた」)。
水で戻した後でカセットコンロで炒める必要があるのですがそのボンベもない場合はホットプレートを使うことになりますかね。

 

非常用電源、どの家電を優先して復旧すべきか?
まあ非常時の加熱調理ならキャンプ用のガスコンロが便利なのでガスボンベを備蓄して対応しつつ電気は他の家電に使いたいですね。
特に夏は冷蔵庫の電気が止まった場合はすぐに復旧させないと中身が傷みます。
ただでさえ備蓄が足りない可能性があるのに冷蔵庫の中身を腐らせてしまうのはもったいないです。
ゴミとして出さざるを得ない場合でも道路の損壊やガソリン不足でゴミ収集車が来るかどうか不明です。
ゴミ捨て場に大量のゴミが収拾されないまま積み上げられることになりますがここでハエだとかネズミやゴキブリ大量発生で衛生上の問題が発生するリスクもあります。
ゴミをなるべく出さずに済ませるにはやはり冷蔵庫の稼働は止められないですね。

 

あと電池の備蓄もあると心強いです。

いざ懐中電灯を使うとなっても電池式のものが多くこれも電池がなくなると使えなくなります。

スマホもけっこう電力を消費しますが太陽光発電ができなかったりコンセントが塞がって充電できなかったりする可能性もありますし一人一台乾電池式モバイルバッテリーを用意しておくのもよさそうです。

百均の乾電池でiPhoneをどれぐらい充電できるかについての記事もありましたが(インターネットwatch記事「「100円ショップの乾電池でiPhoneをどこまで充電できるかテストしてみた!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(157)」)この記事によると乾電池4本で41%まで充電できるそうです。

なお41%に達するまで4時間かかったとのこと。

これがエネループだったら4時間で52%です。

太陽光発電ができて電池の充電もそこからできるのであればいいんですが何かの事情で充電できない可能性も考えるとやはり乾電池の備蓄もしておいた方が安全ですね。

あんまりスマホをたくさん使わない人だったら満充電できなくても問題なさそうですが情報収集だったり不安を紛らわせるために長時間使うことも想定されますので乾電池も多めに用意しておくのがよいですね。

バッテリーの持ちもビデオ再生とかバッテリーの消耗が激しい機能を使うと通常のiPhone13だったらフル充電で19時間だそうです(スマホ修理王記事「iPhoneのバッテリー容量と稼働時間を比較」参照)。

使い方にもよるものの乾電池4本でせいぜい10時間ですか。

一カ月電気が止まった状態でスマホを一日2時間使うのであれば乾電池式の充電だと1日あたり乾電池4本÷(10時間÷2時間)=0.8本で一日31日ですから一人当たり24.8本必要となりますかね。

まあ単三乾電池40本セットとかネットでも1000円程度で売ってますが使用期限が4年とかなのでローリングストックで古いものを使いながら備蓄していくのがよさそうです。

 

1か月も電気が復旧しない状況では二次避難で電気が使える場所に移動した方がよいとは思うのですが諸事情で現地に留まらざるを得ない可能性があるということであればキャンプ用の太陽光発電や乾電池などを多めに用意しておくのもよいかもしれませんね。