1003ページ目 突然の利上げ

日銀が突如金融緩和の修正を発表し長期金利の上限を0.25%から0.5%まで拡大されました。

黒田総裁は利上げではなく金融緩和は変わらないと言い張っていますが額面通り受け取れるかというとそんなことはなく円相場は急騰し1ドル132円まで上昇しました。

アベノミクスでずっと金融緩和をしてきた日銀ですが近年では悪い円安で物価が上昇し特に燃料代が高くついて経済を圧迫しています。

それでもメンツもあって来年の日銀総裁交代までは利上げは行われないと見られていたので意外でした。

とりあえずこのまま円高傾向が継続すれば物価上昇は一服するでしょうが恐いのは金利上昇です。

住宅ローンを借りている世帯は利払いが増えて生活が圧迫され場合によっては住宅を手放さざるを得なくなる、金利が上がればローンの新規借り入れが難しくなり住宅が売れなくなります。

住宅は多くの人にとって一生で一番高い買い物ですが産業のすそ野も広く住宅が売れることで経済が回っている面もあるのですがそれが売れなくなれば景気は悪化する可能性もあります。

さらに不味いのは防衛費の件もあって増税の話も行われていますがバブル崩壊の時も利上げ+増税+不況がトリプルパンチになっていたのを思い出します。

思えばあれが失われた30年の始まりになっており今回もまた同じことの繰り返しになったらそれも非常に怖いものがあります。

かといって悪い円安も困る、燃料代の調達や外国から買う兵器類の購入代金が高くなってしまうので金利を上げないのもまた難しいものがあります。

しかし経済全体で220兆円も住宅ローンがある状況なので金利がちょっとでも上がったら利息も増える、220兆円の1%だと実に2.2兆円です。

銀行は貸し倒れリスクを抱えつつも収益はその分増えるわけですがあまり上がり過ぎると貸し倒れリスクの方が重くなってしまいます。

スタグフレーションも困りますが平成不況の再来も恐いものでちょうどよいところで落ち着いてほしいものです。