958ページ目 利上げと増税、一度にやって大丈夫か?

政府で社会保障費に対応するため消費税増税、防衛費に対応するため所得税増税の検討がなされていますが住宅ローン問題をどうするのか不安になってきました。

長年のゼロ金利政策で住宅ローン金利は下がりマンションや新築戸建てが売れていますがインフレ抑制のため金利を引き上げた場合、ローンの金利も上がります。

よほど築年数が新しくない、あるいは立地がいい場合でない限り担保価値は低くなりますがここで個人所得に増税する、あるいは消費税でローンの支払いに回せるカネを減らすとなると住宅ローンを払えなくなる人が続出する懸念があります。

しかも労働分配率は過去最低水準なのに物価上昇率は過去最高水準のスタグフレーションですから頑張って給料を上げて返済するというのも昭和の賃金が右肩上がりだった時代と比べて難易度は高い、副業で稼ごうにも時間は24時間しかなく当然本業に支障がない範囲でということになります。

なお投資で儲けるのもそもそも投資に回すカネがあればローンを返済しているわけで収入を増やすのはかなり大変です。

退職金課税も優遇を縮小するといった話もありましたがこれも退職金で住宅ローンや教育ローンの残債を返済する予定だったのに税金で手取りが減って返済計画を見直さなければならなくなるといった話も出てくる、利上げされることを見越して繰り上げ返済に動く世帯も増えそうですが色々と混乱が生じるかもしれません。

住宅ローンを抱える世帯にとって所得税消費税増税は苦しいですがそれだけでなく銀行の貸し倒れはどうするんでしょうね。

住宅を売ってもまだ残債が残る場合もあり利上げ不況で失業したら貸し倒れになるリスクも増えますが政府は所得税消費税増税で財源を確保し国債を返済できても社会保障費防衛費の国民負担で個人が借金を返せず返せない分は銀行負担になりかねない、そして銀行がバブル崩壊による貸し倒れ増加で経営が悪化して金融危機が発生したのが失われた30年の導火線の一本になっており利上げのタイミングで果たして増税をやって大丈夫なのかとても不安です。

増税でかえって財政が悪化したらどうなるか、金融危機が起きた時は金融機関への公的資金注入や景気対策で余計に政府支出を増やさざるを得なくなりましたがトータルで見て増税が本当に財源確保になるのかも国にはよく考えてほしいものですね。