1兆円の大台越えは今期が初めてです。
総合商社といっても三井物産の場合、海外で保有する原油やLNGなどの資源権益が収益の柱になっている事業構造なのですが昨今の資源高と円安は同社にとってものすごい追い風になります。
次期は資源相場の下落で再び純利益1兆円を下回るとの予想を出していますが円相場に関しては世界各国の金融政策の影響も関わってくるので実際にどうなるかは不明です。
儲かってよかったね…と言いたいところですが物価高で厳しい状況なのでその儲けを社会に還元してほしいと思わなくもありません。
資源価格高騰で原材料費が上がっている国内製造業にとっては痛手ですが賃上げ原資にするはずの分が総合商社に吸い取られる、しかも法人税率は消費税増税と引き換えに大幅に減税されておりいくら大企業が儲かっても一般国民の生活は物価上昇とそこからベースに10%分の追加負担になる消費税で非常に苦しいです。
バフェット氏は総合商社株を買い増ししており物価上昇のマイナスを補うために総合商社株を買えばいいじゃないといってもそこまでの貯蓄がない世帯だってたくさんあります。
格差拡大が進んでいますがこのまま放置しておくと一般国民の生活もですが総合商社自身も資源事業以外の国内事業が伸び悩みます。
そうなるとますます資源事業一本足打法になって総合商社とは名ばかりの事業体になっていくでしょう。
しかしリスク分散を考えた結果として総合商社をやっている、資源事業だけだと相場の急変や海外政府の資源権益接収、戦争などが発生した場合に巨額の損失を被る可能性もありそれが会社存続の致命傷になるリスクだってある以上、資源事業だけに偏った事業構造は問題と言えます。
資源事業以外の強化も会社存続に必要不可欠ですがそのためにもまず国内で経済を循環させる必要があります。
内需系の企業や中小企業、一般国民の生活が円安と資源高で厳しい状態ですがそこをてこ入れして国内景気を回復させることで総合商社自身も資源事業以外を強化してリスクに強い会社の収益構造にするということで1兆円もの当期純利益から社会にもっと還元してほしいものです。