1346ページ目 フェニックスの墜落~日大アメフト部廃部決定

大麻使用で3人目が逮捕された日大アメフト部の廃部が決定しました(日経記事「日大アメフト部廃部へ 薬物問題、学長・副学長辞任決定」)。

最初の1名が逮捕されてから日大の対応も問題があった、理事長と学長副学長との情報共有が不十分で大麻使用の証拠物を勝手に個人で保管したり最初の一人にだけ責任を負わせトカゲのしっぽ切りのような処分で活動を再開したりと支離滅裂でしたが2人目、3人目と逮捕者が出てさすがに経営責任を明確化するとともにガバナンス不全発覚の発端となったアメフト部の廃部を決定せざるを得なくなったようです。

理事長が減給50%で学長副学長は引責で辞任となりますが大麻使用の証拠物を勝手に保管していた沢田副学長は理事長からパワハラを受けたとして訴訟を検討しているとのこと(スポニチ記事「日大 沢田副学長のパワハラ提訴に識者「法的に勝ってもどれだけ得るものが…うまい手とは言えない」ヤフーニュース)。

別に沢田副学長が全部悪いなんて思っていないしむしろ林真理子氏がお飾り状態だった点も問題です。

ただ違法薬物を警察にすぐ通報すべきなのに1週間以上も勝手に保管した件は明らかに問題でありアメフト部の不祥事を隠蔽しようとしたと受け取られても仕方ありません。

アメフト部関係の会議については出席禁止も妥当だろうなとは思います。

 

最初の1人が逮捕された時点で無期限活動停止を継続し他の部員についてもきちんと調査を行い証拠物もすぐ通報し警察ともきちんと連携した上で経営陣の責任も示しておけば最悪廃部は免れたかもしれませんが個人の犯行で部が全体としてやったわけではない、追加で他の使用者が出てきた場合はともかく1人の犯行で活動制限はおかしい的なことを言って活動再開した以上は実際に2人目3人目も出てきてしまった件についても責任を示す必要があります。

 

 

さてフェニックスですけど不死の象徴として有名です。

エジプトの霊鳥で寿命がくると自ら火の中に飛び込んで燃え尽き灰の中で幼鳥として復活する伝説があります。

よみがえるためには1度死を迎えなければならないことになりますがフェニックス、日大に関してもガバナンスもスポーツもよみがえるためにはいったん解体しなければならないのではないかとも思います。

日大フェニックスは相撲部と並んで日大スポーツ部の看板部でもありましたが今回の廃部はある意味象徴的とも言えます。

そういえば不死の霊鳥とは別にソロモン72柱の悪魔の一角にもフェニックスはいますがwikiを見ると「詩作に優れており、話す言葉も自然に詩になるが、人間の姿を取った時は、耳を塞ぎたくなるほど聞き苦しい声で喋るという。」とあります。

まあたしかに危険タックル問題の時から日大アメフト部関係の弁明はよくもまあ保身の話が次から次へと自然に出てきたものだなと思いましたね。

実に聞き苦しい話でした。

たった一人の大麻使用で連帯責任を問うて廃部や活動停止にするのはおかしいといった一見もっともらしいことを言っていますが寮に大麻部屋がある時点でもうね。

変な臭いとかもしていてあからさまに怪しい戸締りがされていたしOBだとか部活内で色々と情報が出回っていたようですし内部通報すらしなかったということであればアメフト部全体で大麻使用を見て見ぬ振りをしたのではないかと思えてきます。

体育会系の理屈で内部通報は仲間を裏切るご法度だと言うならその体育会系ごとガバナンスというか組織風土自体が問題であり不祥事やその不祥事を隠蔽する組織自体に連帯責任を問わざるを得ません。

伝統ある部活で泣いて馬謖を斬る心境かもしれませんがここまで問題が出てくるフェニックスは伝統というか長い歴史の中で悪い文化が澱のように溜まり老廃してどうにもならなくなった状態に見えます。

フェニックスが火の中に飛び込んで若返るのはデトックスなのでしょうが日大がフェニックスの如く復活するには老廃物と化したフェニックスをデトックスしないとどうにもならないのかなと思います。