1347ページ目 ロシア大阪万博不参加

ロシアが大阪万博に不参加を表明しました(朝日新聞記事「大阪万博、ロシアが不参加「一部参加国の偏った態度にさらされた」ヤフーニュース)。

ロシア側の代表曰く「主催者とのコミュニケーションがとれておらず、残念だが大阪・関西万博への参加を取りやめる」とのこと。

元々、日本側もウクライナ侵攻の件もあってロシアの大阪万博参加は「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪万博の理念に反するので想定していないとの立場でしたが(日経記事「ロシアの大阪万博参加「想定せず」 自見英子万博相」)ロシア側も日本から正式にお断りされるのがムカつくので大阪万博なんぞやめてやらぁ!みたいな感じで不参加表明した格好に見えます。

ウクライナ侵攻で軍事費がかさんで大阪万博の出展予算どころではなかったというのもあるかもしれませんがカネがないから参加できませんとは言いたくない、旧ソ連の後継である東の大国としてのメンツもあったんでしょうね。

 

愛知万博でロシアは冷凍マンモスを持ってきて多くの人々の度肝を抜きソ連崩壊後もロシアが東の大国として存在感を示したものです。

建造物が簡素であっても展示物の内容がよければ集客できる好例です。

本来であれば大阪万博でも冷凍マンモスみたいな展示で万博のクオリティの高さ及びロシアの存在感を世界に発信できたのではないかと思うのですがさすがに今もなお侵略戦争をやっている国の参加を認めるわけにもいきません。

仮にどうしても参加したいと言ってきてもお引き取り頂くのが妥当ですしそもそもロシアは岸田首相ら日本の要人63名を入国禁止にしています(読売新聞記事「ロシアが入国禁止にした日本人、全63人リスト…批判強める日本政府」)。

今もまだ入国禁止が継続しているのかどうか不明ですが外交関係者も多数含まれており万博関係の協議にも支障があったりするのではないかと思わなくもありません。

入国禁止措置をそのままにしておいて万博は参加しますとかそれはないですね。

 

とはいえ主催者とのコミュニケーションがとれないことを理由にしている点はまったく正論だったりします。

どうも海外からの大阪万博の評判はかなり悪いようです(東洋経済記事「主催者は金をむしり取ろうとしているのか」参加希望国から漏れる不満、大阪万博は何のための博覧会なのか」ヤフーニュース)。

許認可の壁が多く日本語対応が難しい上、超円安で観光地としてはともかく商売するには魅力的でなく自国をアピールする価値もない、でも建設費は円安を考慮しても高い等々、散々です。

建設費に関しては労働力不足であることやスケジュールの都合もあるのにずるずると契約を先延ばしした先方にも責任があり許認可に関しても災害大国であるがゆえに安全管理はきちんとしなければならないので簡略化は困難ですが外国語対応だとか役所や建設会社等関係各所との打ち合わせのサポートについては日本側に落ち度があったと言わざるを得ませんね。

これでは仮にロシアが戦争をやっていなかったとしても大阪万博は放り出して次のリヤド万博で頑張ろう、超円安の日本と違ってサウジのオイルマネーが期待できそうだとなるんじゃないかという気もします(ただし原油自体では商売敵でもあるのですが)。

まあ斜陽の日本、そして前回の大阪万博から50年間ずっと右肩下がりの大阪なので参加辞退が増えても仕方ありませんね。

1960年代からバブル崩壊までの日本だったら今後の成長が期待できるのでぜひ出展したい、平成の失われた30年でも一応世界第2位の経済大国なのでそこそこ儲けにつながりそうだからまあ出展したい、でもコロナ禍を経て人口が日本より少ないドイツにすらGDPで負けるような衰退国家日本だったらわざわざ予算を組んで難しい日本語と格闘し短い工期でなんとかする価値もなくコスパが合わないなら無理して出展しなくてよいといった考えになるのも無理からぬ話です。

まあロシアの参加辞退はともかく不参加の理由に関しては真摯に対応する必要があると思いますね。