1313ページ目 定額減税の所得制限の異存の異存

検討中の所得税減税で高所得層の減税に所得制限をかける案に対し(日経記事「自民税調、4万円減税へ所得制限検討 年収2000万円案」増税クソメガネこと岸田総理は異存があると言っています(毎日新聞記事「首相「子育て世帯の分断招いてはならぬ」 定額減税の所得制限に異存」ヤフーニュース)。

 

本人は子育て世帯の分断を招くので全世帯公平に支援したい、子育て世帯への支援もあるといった趣旨の話を言っています。

所得制限を設けるか否かに関してはコロナ禍発生直後の10万円給付金の話もありました。

当時は本当に必要な人に絞った給付にすべきという方向で当時政調会長だった岸田首相がまとめていたものの公明党や世論の反発で安倍元首相は全員一律10万円給付を決断したという経緯があります。

実際ここで本当に困っている人だけに限定した場合、給付を貰えない中間層は怒りだします。

生活保護バッシングもキツイですがコロナ禍で大変なことになっている状況で給付を受け取ることができる人に対するバッシングが激しくなった可能性もあります。

コロナ禍で緊急事態宣言が発令され経済が止まりましたがこの時期は上から下まで全員苦しんでいた、勝ち組もインバウンド系は壊滅的な状況になっており全員に給付金を出す合理性は確かにありました。

 

そういえば私も「「コロナウイルスによる収入減世帯に一律30万円を給付する案について」
すでに各所からこの政策の効果を疑問視する声が出ているがこの案だと子供や老親など扶養家族が多いほど厳しい、自己申告制かつ30万円という大金なので必要な書類と不正防止策が煩雑になりある程度の知識レベルがないと生活保護制度や消費税増税対策低所得者向けプレミアム商品券のように手続きを理解できず本当に困っている人が制度を利用できず結果として救済されない、金額の大きさに目を付けた反社会的勢力等が困窮者を詐欺のターゲットにするあるいは申請手続を実質的に代行し大部分を搾取する、不正防止のため対面手続に限定すると感染が拡大するおそれがある、全国民一律の現金給付と異なりこの案の実施に時間がかかりそれまでに元々貯蓄が少ない困窮者が持ちこたえられない、日本では「働かざるもの食うべからず」という生存権を無視する認識が社会に広く浸透しておりこの給付金の対象者が少ないことが受給対象外世帯からの羨みを増幅し生活保護バッシングと同様にこの給付金受給対象世帯に対するバッシングが発生し貧困家庭の子弟がいじめを受けるなど不当な偏見を受けるリスクが考えられる。
そしてワクチン開発は概ね1年程度かかると見込まれているが30万円で12か月間生活を支えるのは一人暮らしでも無理である。
東日本大震災をきっかけに失業した人の中には数か月間を無職で過ごすうちに心身に不調が生じた、履歴書の空白期間が長期化し面接でうまく説明できず景気回復後も仕事に就けず現在も困窮している人もいるがコロナウイルスの流行をきっかけに収入に加え社会的つながりを長期にわたって失う人が出てくる可能性も否定できない。
このような状況のため生活保護制度が存在するがコロナウイルスの発生により収入が激減した、失業したという人に対して生活保護の適用手続きの周知をより徹底する、予算の増額、手続きの簡素化など迅速に生活保護を適用すべく対策を行うべきではないか。
またコロナウイルスの流行をきっかけに失業する等して履歴書の空白期間が長期化した人に対する支援策の強化をコロナウイルス終息後スムーズに実施できるよう今のうちから考えておくべきである。
現金給付の実施案自体は否定しないが家族が多い世帯に対する配慮、手続きが理解できない人に対する配慮、反社会的勢力等に制度を悪用されないための対策、給付の迅速性、受給資格世帯や申請世帯に対するバッシングの防止等についての対応が必要であると考える。」

という意見を出しました。

 

あれから3年経ちましたが現在はコロナ禍でなく円安による物価上昇とそれに追い付かない賃上げで実質賃金が下落し生活が圧迫されていることが問題となっています。

特に岸田内閣時代は過去最悪の下落ぶりです(デイリー新潮記事「「実質賃金」はバブル崩壊直後と同水準 この30年で“最悪”の数値を記録した「岸田不況」という地獄図」ヤフーニュース)。

困っている人がとても多い点はコロナ禍も岸田不況も共通ですがコロナ禍発生直後と違う点もあります。

それは勝ち組上級国民は困窮どころか儲かりまくっている点です。

ジニ係数も過去最高水準で再分配を考慮しても社会不安が一線を越えるすれすれの状態まで高まっていますが円安で業績が上がった会社で業績連動報酬の対象になっている役員その他社員に関しては円安のデメリットを相殺して余りある報酬を受け取っています。

しかも役員に関しては事実上本人たちが報酬算定の仕組みを決められます(あまりにもお手盛りが酷過ぎる場合は投資家からクレームがつくが仮にクレームがついたとしても一部の投資家だけだったら押し切る事も可能だったりする。実際ゴーン氏の報酬はとんでもない額でした)。

なお報酬を自分たちで決められるという点では国会議員も同じです(東京新聞記事「本気なのか?岸田政権が狙う「政治家の賃上げ」 首相で月6000円アップ法案提出 世間知らずな金銭感覚」)。

嫌なら落選させれば?と開き直ることもでき強固な世襲の地盤がある以上、一般国民としてはお手盛りの報酬決定が行われたとしてもどうにもなりません。

一方で労働者側はどうかというと賃上げ交渉はとても厳しいです(東京新聞記事「賃上げ5%「中小では難しい」 日商会頭、価格転嫁進まず」)。

なお役員以外でも一部の高給取りもいますがこの人たちは特殊なスキルの持ち主で会社に雇われているというより会社を使ってやっているといった方が正確で給料含む処遇で不満があるならいつでも他の場所に転職できるという点で報酬について自己決定権を有しており労働組合を通してやっと3%ちょっとの賃上げを実現できる一般国民とは立場が全く異なります。

介護職に関しても賃上げ交渉が難しく(毎日新聞記事「介護事業者「月6000円賃上げでは足りない」 厚労相は「妥当」」ヤフーニュース)介護職の流出が止まりません(日経記事「介護就労者が初の減少、低賃金で流出 厚生労働省分析」)。

大企業役員とか国会議員はお手盛りで報酬アップができるのに中小企業とか介護職とかは賃上げ交渉が難しいわけです。

立場の強弱で賃上げ交渉力も違ってくる、ルールを作る側にいる、資源を分配する立場にいる人は優越的地位を濫用して自分たちだけ報酬upを計っていますがこれこそまさに分断と言わずして何でしょうか。

報酬に関して事実上の自己決定権を持っている人と持っていない人の立場は天地の差があり富の再分配を行う上で等しく扱ってはならぬのです。

会社役員や国会議員にまで減税するのは果たして妥当なのか?すでに役得で私利私欲を貪っている人に減税するのは盗人に追い銭をくれてやるようなものでますます分断が進みます。

ここで受け取ったら上級国民のくせに受け取りやがって、上級国民に減税して、かつ、社会保険料少子化対策財源含む)を上げるとか結局減税分も全部奪われるので納得いかないといった話にもなってきます。

 

まあ岸田首相としては政調会長時代の屈辱をここで返したいだとか減税すると言ってしまったのでここでやらなかったら嘘つき呼ばわりされるのでそれは回避したい、安倍元首相のやり方を真似してとにかく配ってしまえば不満は解消されるのでやりたい、所得税減税は来年になるけどむしろ来年自民党総裁選があるので解散総選挙所得税減税が実行された時点でやりたいから一般国民が年を越すのに困っていても来年に飴をバラまく方が都合がいい、とにかく俺は総理大臣だから偉いので聞く力より俺の言う事を聞かせる力を発揮したい、等々どうせろくでもない私利私欲ばかり考えてるんじゃないかと思えてきます。

 

もちろん人間その種の負の感情はよくある話で特に政治家のような業の深い職業の人はまあそんなものじゃないかという気もする、てか獅子座ステリウムの悪い所とか思いっきりでてきてますけど一番権限が大きいから総理大臣になったとかいうのでは減税に限らず他の政策にしても政策本位というより自分本位になっていくのではないかなとも思います。

それでもまともな政策が行われている限りは放置しておいても問題はないですがさすがに苛政がここまでくるとは思ってもいませんでした。

選挙目当ての偽減税より負担減こそ必要なのですがもう本当にいい加減にしろよ、選挙目当ての偽減税より消費税や社会保険料など逆進性が凶悪な負担の軽減こそ必要だと心から私は言いたいですね。