裏金問題を起こしておきながら不起訴で居直っている清和会の五人衆ですが離党勧告等の処分案が自民党内で上がっています。
これについて清和会は猛反発しています（読売新聞記事「安倍派幹部「岸田派・二階派にも同じ対応をするんですね」…離党や議員辞職求める声に反発」ヤフーニュース）。
だからお前が言うな！政清人和という自ら掲げた理念を自ら反故にして他の派閥よりぶっちぎって多い裏金問題を起こした清和会が裏金問題の処分で不服を唱える資格はないですね。
盗人猛々しいぞ！
ただし「いい事」も言っています。
「監督責任で離党を求めるなら、岸田派や二階派の幹部にも同じ対応をするんですね」という主張です。
この点だけは大いに賛同します。
どの派閥の議員であっても政治とカネの問題を起こした以上、当然に厳しく処分を行う必要があります。
岸田派や二階派の幹部であっても決して忖度してはいけません。
この点だけは政清人和の理念に合致していますね、この点だけはね。
さらに言うなら同じ処分と言うなら今回の清和会幹部に離党勧告が出る件に関しても妥当なんじゃないかと思うんですよね。
清和会の内閣と言えば安倍内閣ですが2000年代には同じく清和会の小泉内閣が国民人気を誇りこの時代に「痛みを伴う構造改革」が掲げられ郵政民営化が進められました。
自己責任論だとか自助だとかがやたらと強調される弱肉強食の新自由主義もこの時代に膨れ上がっています。
さてその郵政民営化に際して郵政民営化に反対する議員は造反議員と呼ばれ離党勧告が出されました。
その上、造反議員の地元には別の候補を擁立し刺客として送り込んでいます。
この郵政民営化に反対した勢力は主に橋本派（経世会）、亀井派（志帥会）、堀内派（宏池会）等、清和会以外が多数を占めますがここで造反組を離党させ刺客まで送り込んで徹底的に叩き潰したからこそ清和会が2000年代以降ほぼ20年間にわたって政界の最大勢力として君臨できたのです。
郵政利権の問題でこれも金権政治に関わってくる話なのですが裏金問題に関しては違法行為でありより明確な金権政治そのものです。
郵政問題で離党勧告や刺客の送り込みだとかやったのは清和会ですし内容的にも郵政造反よりずっと悪質な裏金問題で清和会が以前に自分たちがやった処分を棚に上げて厳しすぎるだとか言い出すのはさすがにどうかと思いますね。
というか同じ処分を要求するのであれば他の派閥、経世会や志帥会、宏池会等の所属議員に対する処分と同じ処分を科すということで清和会の五人衆にも「同じ処分」が必要になってきます。
コロナ禍の飲み会で離党勧告が出た議員に対する処分もありましたし政治とカネの問題を起こして何ら説明責任も果たさず居座り続けるのはあまりにも有権者を馬鹿にしています。
本日2024年1月26日に通常国会が開幕し天皇陛下がお言葉を述べられました（時事通信記事「天皇陛下がお言葉 第213通常国会開会式」ヤフーニュース）。
「国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」とのことです。
裏金問題を起こした議員は果たして国民の信託に応えていると言えるのか？
大辞泉だと信託とは「信用して任せること」だと説明されていますが裏金問題で何ら説明責任を果たさず国権の最高機関に居座り続ける国会議員の何を信用しろと？
こんな人たちに当面する内外の諸問題に対処を信用して任せることはできません。
また憲法41条で「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と定められていますが税や社会保険料に関する法律を定めるのも国会です。
ルールを決める唯一の立法機関の構成員が自らルール違反をしており、かつ、その種の国会議員が唯一の立法機関に居座り続けるのでは不適切な立法が行われ国会が唯一の立法機関としての使命を果たせなくなるのではないかと心配になってきます。
秘書のせいにして事務所の主宰者たる裏金議員はトカゲのしっぽ切りで逃げ切るのも有事の際に一般国民は見捨てるのではないかという疑念がぬぐえず国会議員としてというかそれ以前に社会人として、大人として、人として信用できるような人材ではありません。
陛下が国会議員の裏金問題についてどのように考えになられているかは存じませんが「国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」というご発言と裏金議員が国会に居座る件について裏金議員はどういう認識でいるのか。
裏金議員は国民の信託に応えていないと考える一般国民は大勢いると思いますが（時事通信記事「自民支持率最低、党内に衝撃 「裏金」影響、下野直前下回る」）まずは説明責任を果たしたうえでけじめをつけてもらう必要があるかと思います。
