自民党の裏金問題を受け政治刷新本部の設置が決定されました。
…が、早くも人選に対する批判の声が上がっています（スポニチ記事「自民の政治刷新本部メンバーにネット怒りの声「エッフェル姉さんがいる時点で…」「国民に喧嘩売ってる？」」ヤフーニュース）。
たしかに批判はもっともな話です。
最高顧問は麻生派会長の麻生副総裁でメンバーになった38人のうち安倍派が最多の10人となっています（朝日新聞記事「政治刷新本部メンバー、安倍派が最多10人 首相「党挙げ取り組む」」ヤフーニュース）。
派閥政治に起因する政治とカネの問題で現役の派閥会長、かつ、ライバルが軒並み失脚し事実上党内で最大の権力を握っている麻生氏が最高顧問というのもいかがなものか。
岸田首相との関係も考えるとこの会議も事実上麻生氏の鶴の一声で決まってしまうのではないかという気もします。
というか問題が大きかったのは安倍派と二階派ですけど麻生派だってカネの管理はいい加減で問題も起こしています（読売新聞記事「麻生派からの５００万円、岩屋元防衛相の資金管理団体が不記載…「キックバックではなく事務的なミス」」）。
事務的なミスと言い張っていますが500万円もの大金をミスしたというのも不自然な話です。
逮捕された池田衆議院議員の4000万円に比べればたいしたことないと言いたそうですが発覚しなければそのまましらばっくれていた、事務的なミスと言い訳できる規模の金額を敢えて放置していたんじゃないかと思えてきます。
政治資金の管理自体が緩すぎるからこういうことになるのかもしれないですね。
そしてその池田衆議院議員が所属していた安倍派から10人もメンバーを選任した挙句にあのエッフェル姉さんこと松川参議院議員が入っているのも驚愕です。
池田衆議院議員は既に自民党を除名されましたが（FNN記事「自民党が池田議員除名処分 岸田首相「大変遺憾」」ヤフーニュース）これではまるでトカゲのしっぽ切りです。
派閥の裏金なわけですし池田衆議院議員だけの問題ではありません。
にもかかわらず安倍派から10人もメンバーを選任するのはいかがなものか。
これでは派閥に甘い案が出され今回の問題も有耶無耶になり政治とカネの問題の解消に程遠い結論が出てくるのではないかと思います。
裏金問題を受けて内閣から安倍派の議員が一掃されましたがこれを安倍派が逆恨みしているといった話があります（ポストセブン記事「安倍派を潰して政権維持を図る岸田首相 「最大最強のスポンサー」日本医師会への露骨な擦り寄りで利権を手中に収める」ヤフーニュース）。
たしかに安倍派は内閣から追い出したのに同じく政治とカネの問題が大きかった二階派はそのままなのに納得できないというのはもっともです。
この点は二階派所属の議員に関しても同様の対応を取るべきでしたね。
ですがそもそも裏金問題を起こした安倍派が文句を言う資格はありません。
さらに言うなら池田衆議院議員は証拠隠滅まで行っています（東海テレビ記事「安倍派事務所の捜索後「証拠隠滅」指示か…裏金事件で逮捕された池田衆院議員 捜索前に記録媒体のデータ破壊」ヤフーニュース）。
一体所属議員にどういう教育をしていたんでしょうね清和会は。
清和会のHPを見ると「清和政策研究会は「昭和の黄門」と称される元首相福田赳夫先生が創設した。１９６２年、福田赳夫先生が「所得倍増計画」を唱える池田勇人首相の高度経済成長政策に異議を唱え旗揚げした「党風刷新連盟」が起源となっている。自民党を良くするため、派閥のための派閥ではなく、清く・正しく・たくましい活動をしてゆこうとする福田赳夫先生の精神が、発足当時から受け継がれており、歴代数多くの首相を輩出している。現在自民党最大の政策研究集団である。」と説明されています。
この説明を考慮すると他の派閥よりも政治とカネの問題は厳格に取り扱われていないとおかしいです。
もちろん個別議員に対しても資金管理は厳しく指導すべきなのですが問題を起こした挙句に証拠隠滅とか言語道断です。
清和会は自らが掲げたプリンシプルに反する行為を自ら行っていたわけで問題を起こした責任はより重大です。
少なくとも清和会が文句を言う資格は全くないんですけど何としても総理大臣の地位に留まりたい岸田首相は清和会の怒りに恐れをなして「お詫び」として政治刷新本部のメンバーに清和会から10人を選任し清和会の言い分を最大限認めてあげよう、その代わり岸田派に報復するのはやめてね、といった裏取引をやったんじゃないかという気がしないでもありません。
本当の本当に政治とカネの問題を刷新するんだったら清和会から10人もメンバーを選任すべきではありませんでした。
きれいごと抜きの派閥同士の権力闘争の観点から見ても清和会から10人選任するのは悪手です。
これまで最大権力を握ってきた清和会がこのまま黙っているかどうかは不明ですがここは返り血覚悟で最後の最後まで徹底的に勝負しないと後々の禍根になる可能性もあります。
というか本来忖度すべきなのは有権者である一般国民なのですが自民党内の論理で勝手に決めたとしか思えないのですよ。
一応外部の有識者を入れて透明性を高めると言い張っていますがその有識者が御用学者だとか御用文化人だったりするのもよくある話なのでやはり一般国民そっちのけなのは令和になっても昭和の頃と全く変わっていないですね。
どうせ能登大地震だとか日航機衝突事故だとか松本人志活動休止だとかで裏金問題は忘れてくれるとでも思っているんでしょうか。
松川参議院議員を選任したのもその表れでしょうね。
研修を名目にしたおフランスへの観光旅行ですけど年が明けても未だに「研修旅行」の成果の説明が行われていません。
自民党的には禊は済んだという認識で年が明けたから役職も復活させてあげようといったところなのでしょうが説明責任を果たさない限りこの種の役職に選任するのは問題です。
明らかに観光旅行なのに子連れで「研修」と称して党費その他を使ってしまう人に果たして政治とカネの問題の刷新ができるのか？
どう考えてもこのメンツでは改革案が出たとしても骨抜きになるような気がしてならないのですが平時と違って年初から大災害や大事故発生だとか景気も実質賃金20カ月連続下落だとか国民の不満は煮えたぎっており岸田内閣の支持率は年明けしてもまた過去最低更新です（TBS記事「【速報】岸田内閣の支持率27.1%で過去最低更新 不支持率も過去最高 JNN世論調査」ヤフーニュース）。
どうせライバルがいないからやりたい放題で居座っている状態なのでしょうがさすがに政治とカネの問題をやる気のない人選の政治刷新本部でお茶を濁すのは問題です。
今年衆院解散がなくても確実に来年には選挙がありますが果たして結果はどうなるでしょうね。
来年の事を言えば鬼が笑うと言いますし年初からあまり先のことばかり言っても仕方がないのですが1年はあっという間です。
実際2023年もあっという間に過ぎました。
政治刷新本部がどういう案を出すのか不明ですがいい加減な内容で今年来年と再び政治とカネの問題が出てきた場合は政治刷新本部による改革は失敗だったということで選挙にも影響してくると思いますがさてどうするんでしょうね？
色々と世の中の運気も変わってきましたが潮目を読み違えないようにした方がいいと思うのですけどね。
