1238ページ目 1兆円の大赤字と失われた30年

中国の不動産会社が大赤字で大変なことになっています。

不動産最大手の碧桂園は上半期だけで1兆円の赤字となりました(朝日新聞記事「不況続く中国不動産、最大手も経営悪化 上半期1兆円規模の赤字も」ヤフーニュース)。

中国恒大集団も債務超過11兆円といった話もありますが(東洋経済「中国「恒大集団」、債務超過11兆6000億円の激震」ヤフーニュース)その中国恒大集団より大手で安定していると見られていた碧桂園も上半期だけで1兆円を超える大赤字ですから同業による救済合併は相当難しいんじゃないかと思います。

このまま大赤字が続けば不動産融資が不良債権化して今度は中国の大手銀行が不味いことになる可能性が脳裏をよぎりました。

 

日本も失われた30年の始まりはバブル崩壊でした。不動産の過剰な融資が不良債権化しノンバンクとか住専問題が大変なことになってそこから拓殖銀行や長銀が破綻し残った都市銀行メガバンク3行に集約されるも長年にわたって経済は低迷が続き現在に至っています。

住専問題は1995年でしたが当時は公的資金を注入する件について紛糾したものです。

そのタイミングで消費税増税もやったわけですからもう経済はさんざんですね。

中国は日本の30年前といった話があります。

日本型の発展モデルを応用しているので実際日本と似たような形になっても不思議ではないですが日本が繁栄の頂点だった1990年ごろの中国は改革開放路線で経済は豊かになりつつあったものの天安門事件による弾圧もあって日本の1960年代、安保闘争学生運動と高度経済成長が同居する時代と似ています。

2000年ごろの中国は冷戦終結で米ソ2大国家の時代から米国が唯一の覇権国家になるも今度は中国が世界第2位の経済発展を目指して猛烈に発展していく、外資を誘致してITなど高度な産業を強化していく時代で米国に次ぐ世界第2位の経済大国かつ半導体や自動車、環境技術等で世界を目指した日本の1970年代と似ています。

2010年代の中国は日本を追い抜き世界第2位の経済大国軍事大国になり海外進出も積極的に行うも世界各地で傍若無人な振る舞いが嫌われておりジャパンアズナンバーワンでバブル経済を背景に世界各地で土地からブランド品まで何でもかんでも買い漁って世界中の人々から辟易された日本の1980年代と似ています。

そして迎えた2020年代ですが冒頭からコロナ禍が中国で発生しました。

そして不動産業で大赤字が相次いでいます。

今2023年ですが中国が30年前の日本と似ていると言うのなら不動産業が本格的にどうにもならなくなるのは2025年、その負担を支えきれずに金融機関がヤバい事になるのは2028年あたりという話になるかもしれません。

既に現時点でも中国では大卒者の就職がとんでもない倍率になっていて若年失業者があふれており中国版の氷河期世代が大量発生中です。

日本と違って軍事力で虎視眈々と台湾を狙っているあたりも不確定要素で状況によっては日本の失われた30年どころの話では済まない可能性も考えられます。

まあ実際のところどうなるかは不明ですが中国で業績を伸ばしている会社は中国経済リスクについて本格的にリスク低減をどうするか検討しないと不味いかもしれません。

10年後は中国からのインバウンドどころではないかもしれないですが果たしてどうなっているでしょうか…