1239ページ目 ブライダル補助金

ブライダル補助金について批判の声が上がっています(FLASH記事「自民・森まさこ議員「ブライダル補助金」報告に批判殺到「少子化対策になってない」「単なるブライダル利権」」ヤフーニュース)。

少子化対策の一環で行っているという事業ですが結婚式は数百万円もする出費なので結婚式を挙げる当事者にとってはメリットがある、ブライダル産業はコロナ禍でダメージを受けた反面でコロナ禍から回復したとしてもインバウンドは基本的に関係なく交際が進むのを待たないとコロナ禍以前の水準まで回復するのは厳しいといった見方もできその間は補助金を原資に結婚式の単価を上げて業績を回復させたいといった思惑もあるのでしょう。

 

たしかに結婚式を挙げるカップルもブライダル産業も厳しいのは分かるのですがそもそも結婚式の前に交際が成立しないことには話になりません。

教育費の支援をしても少子化対策に貢献しないといった声がありますがそれと同様の理屈で既に交際が成立しているカップルに結婚式の補助金を出せば出生率が上がるか?というとそれも疑問です(ただし日本では「不倫は文化」といった話もないので結婚しないと出生数が増えないのもまた事実ではありますが)。

ブライダル補助金よりむしろ賃上げ、手取りを増やさない事には交際から結婚、出産、全部難しいかと。

ブライダル補助金を上げますからさらに消費税増税で20%目指しますとか社会保険料を上げますとか言われたらブライダル補助金の分も結局相殺されます。

29歳以下は60万円、30歳以上39歳以下は30万円を支給するとのことですが300万円の結婚式を挙げたら消費税率10%だと30万円、20%なら60万円です。

出費が必要になるのは結婚式だけでなく当然その後の生活費もかかってきますが補助金を貰ってもすぐに消えてしまうでしょうね。

そしてブライダル補助金の分を他の世代の負担で賄うとその分、祝儀(「しゅくぎ」じゃなくて「しゅうぎ」です)や親からの支援も苦しくなってくるかもしれません。

結婚式の祝儀で3万円とかかなり痛いんですが生活が苦しくなったら招待されても欠席せざるを得なくなります。

親からの支援も平均で179万円と言われていますが(ゼクシイ記事【親が知っておきたい】結婚のお金|ご祝儀は?お金はいくら必要?)親だって生活が苦しくなったり医療費の負担が増えれば子供の結婚式で支援できる金額が減る、ここで無理して支援しても今度は子供が親を支えなければならなくなり(結婚式を挙げなかった、結婚しなかった子供が結婚式を挙げた子供夫婦に親の面倒はお前らが見ろと言い出す家族も出てくるかもしれません)長い目で見ると税や社会保障費の負担をしてまでブライダル補助金を出すのは合理的とは言えません。

 

ブライダル産業もかなり厳しい、結婚式関係だけでも1兆円規模の市場があるものの元々キツイ割に収入はそんなに増えず下請けもブラックな労働環境だったりして待遇改善が必要な業界ではあるのですが税や社会保障費を原資にブライダル補助金を出しても根本的な改善につながるかは疑問、むしろ後々の利益を先食いする結果になるのではないかと心配になってきます。

税や社会保障費を徴収して特定の所だけばら撒くぐらいだったら最初から徴収しない方がはるかに事務手続きも含めて負担が減るのですがね。

祝儀や親の支援を減らしておきながら国が補助金を出してやるんだから国に感謝しろというのは勘弁してほしいものです。