1082ページ目 カラスの生食

何やらネットでカラスの生食が話題になっています。

きっかけは東京新聞の記事「<突撃イバラキ>カラス肉の生食文化 究極のジビエに挑戦」ですがカラスというとゴミ捨て場の生ごみを漁って周囲にゴミを散らかしたり鳩を襲撃したり電線にとまって糞を落としてきたりとかなり嫌なイメージがあります。

食材としてはかなり不衛生な感じがするんですが案の定厚労省からもカラスの生食について「シカ、イノシシ等の野獣やカモ、カラス等の野鳥は病原体を保有している可能性があり、その肉や内臓を生食することは非常に危険です」といった注意喚起をしています。

少なくとも積極的に食べようとは思わない、ブラックバスブルーギル等の外来魚を駆除したけどもったいないから食べてみようといった話もありカラスも駆除しつつ食用にできれば一石二鳥だといった声もあったのでしょうが生ごみを漁っているカラスなのでさすがに食中毒とか何かのウイルスに感染したらという懸念がぬぐえません。

よほど食糧不足になって鳥豚牛全部の肉が手に入らなくなったといった事情でもあればどうしても肉を食べたい人がカラスを捕まえて食べるかもしれませんが今のところそういった状況は発生しておらず無理に危険を冒して食べることもありません。

周囲にカラスの生食を進める人は特にいないですがもしカラスの生食に出くわしてもご相伴するのは遠慮しようかと思います。

 

それにしてもカラスの生食が茨城県の伝統文化といった話はこれまで聞いたことがありませんでしたが実際のところ本当にそういう伝統文化はあるんでしょうか?

2014年にも茨城県におけるカラスの生食文化の話がニュースに取り上げられたことがあったらしいですが地元の猟友会はそんな話聞いたことがないと言っているそうな。

伝統文化の定義というのがそもそもどうなのか不明なのですがwikiを見ると伝統について「伝統とは、古くからの仕来り・様式・傾向、血筋などの有形あるいは無形の系統を受け伝えること、民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い伝えて来た、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術、あるいはそれらの中心をなす精神的あり方などのことをいう。」となっています。

これを基に考えると伝統文化というからには相当古くからでないと伝統とは言えない、具体的にいつごろからカラスの生食が行われてきたのか示す必要があります。

民族や社会、団体が長い間伝えてきたという件についても地域文化ということならその地域社会で認知されているはずですが地元の猟友会が認知していないということであれば本当に地域社会で認知されているのか疑問になってきます。

wikiの同じページに創られた伝統という項目があってそこには自らに正当性を与えるために伝統を捏造するといった話について解説されていますがカラスの生食の話も本来は伝統ではないけど流行させたい、禁止されたくない、捏造した伝統でも受け入れられて長く続けばきっかけは捏造だったとしても長い年月を経て本物の伝統になることも考えられるので伝統だと言い張っているのかもという気もしてきました。

とはいえカラスの生食が古くからの伝統かどうかはともかく伝統だったとしてもやっぱりカラスの生食というとおっかないのでなんか嫌だなと思う人は相当大勢いるのではないかと思います。

どうしてもカラスを生で食べたいという人がいれば細々と今後も続いていくかもしれませんが10年後20年後30年後も継続しているでしょうか?

30年経ってもカラスの生食が継続しているのであれば伝統と認知される余地も出てくるかもしれませんが正直な所、危険な伝統なのであまり残してほしくないと思いました。