実質賃金の減少が続いています。
厚労省が7日に発表した毎月勤労統計調査によると2023年1月の実質賃金は昨年1月より4.1%下落し失われた30年の中でも過去最大級の下落率となっています。
なお実質賃金の下落は10カ月連続です。
同時に内閣府が9日に発表した2022年10月から12月期のGDP改定値は消費の低迷により年率0.1%に下方修正されました。
今年2月の速報値では年率0.6%だったので元々芳しくない状態だったのですがさらに悪化しかろうじてプラスという状況です。
もうどう見ても物価上昇に追い付かない賃上げが原因で景気も悪化しているとしか思えません。
これまではコロナ禍だったからやむを得なかった面もあるのですが今後のコロナ規制緩和で経済活動が正常化してくれば賃上げせずひたすら企業内に使わない現金を貯め込んだ大企業の経営姿勢を問い直さざるを得ません。
ひたすら人件費カットで下請けにも値下げばっかり要求していたら経済だって縮小して当然です。
それでも今まではバブル期以前の過去の蓄積があって技術力で優位に立つ日本企業がアジアの取引先から安くモノを買い労働力も外国人労働者に頼りコストカットを続けてこられましたがアジアも今では中国や韓国の技術力が日本と同等、分野によっては日本を上回る状態となりもはや不景気でも円高メリットを活かして仕入れ原価や生活費を安く抑えることができる経済環境ではなくなりました。
外需に関しては人材投資や研究開発投資で海外にも高く売れる製品を輸出する、内需に関しては賃上げで可処分所得を増加させ消費を活発化させるといった対応が必要になってきます。
とはいえ一部の大企業では賃上げの動きはあるものの中小企業にまでどれだけ波及するかは未知数、またそういう状況のなかで増税や社会保障費の負担増の議論が行われ実際に負担が増えれば結局可処分所得は増えず消費も減ってGDPマイナス成長もあり得るのではないかと思います。
コロナ禍からは回復しつつありますが経済自体の回復はいつになるのでしょうか。
気温は暖かくなってきましたが経済の雪解けはまだ遠そうです…