902ページ目 老朽マンションの建て替え

近年問題になっている老朽マンションの建て替え。

築50年にもなってくると耐震性だけでなく雨漏りやひび割れ等々不具合も多数生じてきますが建て替えを行おうにもマンションの権利者全員の同意が必要ということも難航する事例が大量にあります。

とはいえこのまま放置しておくと老朽マンションが年を重ねいざ大地震が来た時に被害が大きくなる懸念があり何もしないわけにいかないということで政府内で老朽マンション建て替えの要件緩和案が上がっているようです。

全員の同意でなく多数決で建て替え可能にできれば建て替え計画を進められる老朽マンションもいくらか増えることでしょう。

ただ深刻な影響があるのはそのマンションを終の棲家としマンションの権利以外に財産を持っていない高齢世帯です。

建て替えの負担金拠出ができなければ権利を売って出ていかざるを得なくなりますがその権利がどれだけの金額で売れるか不明で別の不動産を購入できるだけの金額になるとは限らず賃貸も突然死や保証人不在、収入が少ない等を敬遠して高齢者の入居を嫌う物件も多いです。

住居を追い出される不利益が甚大だからマンションの建て替えで厳しい要件を設けているわけですから追い出される人のケアも同時に行わなければなりません。

震災対応もあるので老朽マンションの建て替え自体は社会的課題として進めなくてはなりませんが住居を失い行き場をなくす人の安住先についても対応を考えなくてはなりませんね。

 

マンションか戸建てかどちらが有利か色々と話はつきませんがマンションを終の棲家にできるかというとそれもなかなか難しくなりそうです。

立地が良く管理の都合もありマンションを選ぶ人も多いですがマンションを購入するならいざ建て替え計画が出てきた時に建て替え負担金や別の物件への引っ越しができる程度の資金も40年50年後に備えて積み立てておく必要があるかもしれません。

もっとも30代40代で新築マンションをローンで購入しローンを20年ぐらいで払い終わって80代90代になって建て替え計画が出てきた段階で高齢者だけの暮らしは体力的に厳しくなり介護施設入居といった可能性もあるので建て替え資金より介護資金の方が重要になるのかもしれませんが死ぬまで自宅で過ごしたいというのなら任意のタイミングでリフォームや建て替え支出を決められる戸建てより資金は多めに用意しておいた方がよさそうです