1244ページ目 中国恒大の破綻と世界経済

やはりきたかという感じですが中国恒大が米国で破産申請を行いました。

負債総額48兆円だそうです。

中国では不動産がとんでもない金額まで値上がりしていて値上がりするからさらに買おうと借金してまで不動産会社から一般個人まで僻地のどうしようもない土地まで買い漁って債務も過剰になった結果としてここまでの負債総額まで膨れ上がってしまったわけですがいつまでも値上がりが続くかというとそんなこともありません。

一般個人はさすがに住宅を買えないし商業ビルとか収益不動産だって高いカネを投資した割に見合わない水準の収益し得られない状態になって投資を手控える会社も増えてきます。

日本もそんな感じでバブル崩壊して90年代は大変な事になりましたが土地が下がり出した結果としてその土地を担保に貸し出しを行っていた金融機関は巨額の損失が発生しました。当時の日本の不良債権は2002年の時点で52兆円にも上っています。

今も地方は過疎化もあって30年経っても不動産が値下がりしたままです。

しかし中国は国土も人口も日本より大きい分、負債総額も桁が違う点で怖いものがあります。

中国恒大1社だけで負債総額48兆円ですがこの1社だけで日本のバブル崩壊不良債権額に匹敵するほどの負債を抱えている、というか破綻した際に会社の財務内容を本格的に洗い出した結果として簿外債務が発生する可能性もないとは言い切れません。

負債総額の全額が回収できないというわけではないでしょうがいったいいくら回収できるやら。

そして他にもヤバい不動産大手は他にもあって中国恒大が最大手というわけでもありません。

今回の破綻で堰を切ったように破産申請が増えるかもという気もしてきました。

不動産投資の失速と建設需要の低迷はそこから本格化する、日本のバブル崩壊でも不動産の下落から景気自体が失速して大不況になりましたがもう海外旅行どころではなくなったものです。

日本も80年代90年代初頭は景気が良くて世界中に海外旅行に行ってはブランド品から美術品まで何でもかんでも買い漁っていた、ジャパンマネーが世界を席巻していましたが30年経った現在のチャイナマネーも同様に一斉に引き上げることになるかもしれません。

不動産が値上がりを続けている内は気が大きくなって海外で大盤振る舞いする人も多かったものですが日本のインバウンド需要はそういう爆買い需要に支えられていた面もありました。

 

タワマンの最上階とかチャイナマネーが大量に入っていますがこの人たちが債務の早期返済を求められたらどうなるか、不動産の担保価値が減ったらその分担保を差し出したり返済を早めたりしないとならなくなりますがここで耐え切れなくなって日本のタワマンから手を引く可能性も考えられます。

そうなってくると日本も不動産がその分下落する、投機資金が出ていく分だけ日本の不動産も下落するといった話になるかもしれません。

まあ日本は日本でマンションが高くなりすぎて買えなくなっている面もあるので値下がりすれば買いやすくはなるのですが高値づかみしてけっこうな金額のローンを組んだ人は大変、担保価値の目減りに加えて日銀のゼロ金利政策終了なら金利上昇も発生しダブルパンチになる、パワーカップルと言えども頭金が少なく月々の返済額が重くなっている世帯はかなり厳しいことになる可能性もあり得ます。

中国バブル崩壊が世界中に連鎖すればそこからまた世界経済が大変なことになりそうですが今からタワマンを買おうと思っている人はしばらく様子見しておいた方がいいかもしれません。

 

さて中国本国は今後どうするのか。

日本は住専問題などで金融機関に公的資金を注入しましたが問題はその原資で消費税増税とかやってさらに景気が悪化しました。

中国政府も不動産大手への融資を行った大手金融機関に公的資金を注入するにあたって新税を導入する可能性も脳裏をよぎりましたがそれも景気をさらに悪化させるばかりか一般国民の不満をより一層高めることになるかもしれません。

そして金融機関も貸しはがしをやってでも不良債権を圧縮しようとするでしょうね。

貸しはがしで家を追い出されたり会社を失ったりしたところに消費税増税とかやったらものすごく怒るでしょうね。

一般国民の不満を言論統制や軍事力で無理やり抑え込む、あるいは戦争で愛国心を高揚させて不満をそらす手口に出る、これは戦前の日本がやった手口ですがそれを習近平独裁政権が台湾侵攻とかでやるとなったらもう悪夢です。

今回の中国恒大の破綻が世界恐慌のトリガーになったりそこから第3次世界大戦が発生しないことを祈るばかりです。