862ページ目 最低賃金31円up

物価高や人への投資重視を受け政府は最低賃金を31円上げる方針を示しました。

全国平均の最低賃金の時給は930円ですが引き上げ後は961円になります。

一日8時間働くと1日248円、週休二日で一週間当たり5日働くと1240円、4週間で4960円の収入増加が見込まれます。

電気ガス代が上がり食料品も小麦や調味料、肉類等々様々な物品が上がって月5000円よりもっと生活費は上がっているだけに賃金が上がったからといって節約生活をやめられるかというとそれも難しいです。

一方で経営者側も人件費が増える、最低賃金で働くフルタイム労働者一人当たり月5000円増える、年間で60000円増えますが10人雇っていたら60万円の費用増です。

その分は売上を増やして回収するなり他の費用をカットすることになりますが売上を増やすとなると値上げか販売増を狙わなければなりませんが利益率の程度にもよりますが60万円分のキャッシュを追加で獲得するとなると中々厳しいものがあります。

他の費用をカットするといっても電気代や各種原料費も円安や資源高の影響でカットするのも難しいです。

最低賃金が上がれば最低賃金以上の水準で働いている労働者の時給も全体の相場水準の上昇で上がっていくことが見込まれますが時給制度で働いている労働者を定額の月給で働く正社員に転換させる動きも出てくるかもしれません。

企業にとっては厳しい賃上げとなりそうですが失われた30年ではずっと賃金が上がらずそれが消費の抑制につながり巡り巡って企業自体の業績が低迷する悪循環になっており中長期的な視点で見れば今回の最低賃金引上げは実施しなければならない施策と言えます。

上がったとはいえそれでもまだ961円が最低時給です。

他の先進国の水準からすれば低い部類なわけでこの状態で移民受け入れを推進するとか高度な人材を呼び寄せるとかまず無理でしょう。

来年あたりには時給1000円を最低賃金にしていくことも考えていかなければなりませんね。