1407ページ目 天罰の存在不存在と天罰を信じる人の存在

つい一週間ぐらい前のニュースですが出光社長夫妻がゴルフ場で猪に襲われて重傷を負ったけど猪を止めに入ったゴルフ場従業員は口止めを要求されてケアも不十分だったとの話がありました(フライデー記事「名門ゴルフ場でイノシシが大暴れ ラウンド中に襲撃された「出光一族」社長夫妻が緊急搬送されていた!」ヤフーニュース)。

全く従業員の労災隠しとかけしからん話ですがこういうのは社会全体でしっかり問題だという認識を持って問題ある対応をした業者にきっちり改善を求めていかなければなりませんね。
クマだとか猪だとかサルだとか野生動物が人里に降りてきて狼藉をしているけどゴルフだって里山と似たような環境にあるわけでもちろん野生動物に対する警戒が必要なのは言うまでもありません。
猟師もどんどん減ってきていますがゴルフ場だって危ないってことはしっかり認識してどうしてもゴルフに行きたいというんだったら野生動物対策も怠りなく用意しておきたいですね。

 

まあ山の近くで上級国民が大怪我したけど一般国民はケアされなかったという格差社会の現実を表すような事件だったんですけどこの事件に関してはスルーするのもどうなのか、放置しておくと後々の禍根になるんじゃないかという要素があったので備忘録として残しておこうかと思います。
この事件で大怪我をしたのは石油大手の出光の社長夫妻なんですけど石油大手と言えばENEOSが酒の不祥事で会長と社長が相次いで失脚しています。

ポイントは石油大手の経営者という点です。

ENEOSの社長がアルハラで退場したけど今度は出光の社長もかと思った人も少なくないでしょうね。

 

まあゴルフ場なんて元々山を切り拓いて造成した場所で猪が出たって不思議ではないしそんな所にわざわざ出かけるのはクマや猪にわざわざ会いに行くようなものです。
無名の一般人がこの種の事故に遭遇することだって今までもあったんでしょうけど上級国民ほどゴルフをしたがるんだったらその分だけ上級国民のケモノによる被害発生率だって上昇するのもある意味当然です。
…が、やっぱりこれも天意だと思う人もいるんだろうなと。
ENEOSも出光も独占市場で燃料補助金の中抜きやってますけど出光社長夫妻を襲撃した猪を乙事主に例えて天罰扱いしてる世論もネット上にちらほら出ていました。

鎮西の猪神といえば乙骨主で祟り神として上級国民に天罰を与えにきたとか思った人もいたようです。

案の定、掲示板のまとめサイトも確認すると(Talk【福岡・若宮市】名門ゴルフ場でイノシシが大暴れ ラウンド中に襲撃された「出光一族」社長夫妻が緊急搬送されていた!)その種のコメントも投稿されています。

 

ケガをした人に祟りだとか天罰だとかいうのもどうなんだろうなとは思いますけどENEOSと出光で石油業界は売り上げのツートップだし合計シェアも2社で3分の2(ENEOS45%、出光12%+昭和シェル10%GOGOガス記事「出光と昭和シェルが新ブランド統一と報道!ガソリンスタンドのブランド割合どうなる?」参照)なわけでしてね。
この2社が政府に圧力をかけてトリガー税制凍結解除見送りさせつつ燃料補助金でがっぽり中抜きしてるんだったらそれは不公正としかいいようがありません。
しかも賃上げは不十分だし取引先にも報酬値上げ不十分(ゲンダイ記事「中小企業の「賃上げ原資」は空っぽ…大企業の価格転嫁が進むどころか逆に後退していた!」ヤフーニュース)でコストカットした分は役員の成果ということで経営者の面々がお手盛りで報酬を上げて上級国民の一人勝ちという現状もあります。
これはもうENEOSと出光にたくさんの老若男女LGBTその他から怨嗟の呪い、天罰の祈りが送られたって不思議じゃありませんね。


会長の深酒の失敗を見たにもかかわらずENEOSの社長は何で同じことをしてしまったのか?

どうして出光の社長夫妻は広―いゴルフ場でピンポイントで猪に遭遇してしまったのか?
そしてこれら二つの事象がそんなに離れていない時期に重なってしまうのは一体どれほどの確率だったのか?
偶然にしたってその偶然は一体なんで発生してしまったのか?
全く説明は付かないですが偶然は偶然だとしか言いようがない、たとえゼロに近い確率だったとしても理屈上はゼロでないので絶対にこれら二つの事象が近いタイミングで発生はしないとは断言できないのです。
宝くじで1億円当たる確率よりずっと低かったとしてもゼロじゃなかったってことですかね。
もっともそこまで低確率だと「絶対」って断言しても違和感はないのですが。


もちろん怨嗟の呪いや天罰の祈りなんて代物も科学的に証明できるものではないことを改めて強調して置きましょうか。
しかしその上で敢えて言おう。
出光社長夫妻が猪に襲撃されて大怪我をした件について天罰だとか祟りだとか言い出す世情こそ真剣に受け止めなければならないなと。
燃料補助金の中抜きとアルハラ発覚による失脚や猪による襲撃に因果関係が存在する証拠はありません。

罪に対しての罰という関係も不成立です。

にもかかわらずそれらを結び付けて考え天罰が落ちたと言う人たちはENEOSや出光の中抜きに怒り心頭だということです。
天罰というのは悪い事をした人に対する神様からの罰ですが天罰が存在するか、神が存在するか云々以前につまりENEOSや出光は人知を超えた何かの存在に罰せられて当然のことをしていると考えている人は確実に存在しているということになりますからね。

天罰の存在不存在は証明できないけど天罰を信じる人が存在しているのは事実なのです。
アルハラ対策だとかゴルフに行くのをやめたりだとか色々対策をとったところで何か別の不祥事や事故が発生したらまた天罰論が出てくることになるかもしれません。応援だとかお見舞いよりも金持ち上級国民に対する天罰だと考える人が発生するような環境でビジネスを継続するのはいかに独占企業であったとしても相当苦しくなるんじゃないですかね。
もし仮に何かの不祥事が発覚した場合は徹底的な天誅を加えるべきとする「正義」の人が大勢湧いて出てきそうですがそれも日頃の行いが悪かったからと言わざるを得ないですね。
実際周囲の困窮と対照的に一人勝ちしているのは事実ですし。


裏金問題を受けて政治資金パーティーも透明化すべきだとの声も上がっていますが(東京新聞記事「岸田派のパーティー券収入、訂正の内訳99.8%が謎のまま 「20万円以下は匿名」ルールが壁に」)ENEOSや出光関係者は一体誰がどの政治家の政治資金パーティー券をいくら買ったんでしょうね。
20万円以下だと匿名ですし会社関係者で分散させて購入すれば匿名で問題なしですがトリガー税制凍結解除反対の議員にENEOSや出光関係者からいくらカネが流れたのかな?
これは石油業界からカネを受け取った議員と石油業界関係者の双方に説明責任があります。
独占企業2社が政治献金でルールを捻じ曲げ顧客利益に反する行為をするのであればカネを受け取った政治家も企業も当然に国賊と認定せざるを得ないのですよ。
説明責任を果たさない裏金議員も問題ですが裏金議員にカネを与える経済界にも当然にメスは入れませんとね。

もちろん消費税増税を主張する一方で法人税減税を主張する財界人やその財界人が所属する企業や団体の関係者からの献金だとか政治資金パーティー券の購入実態がどうなっているかも明らかにしなければなりません。

一般国民の世論とは全く逆に消費税増税を主張する国会議員もいますが与野党にもこの人たちからカネをもらって「ザイセイサイケンガー」と言ったところで私利私欲の為に主張しているとしか思えないのですよ。

やましいところがないのであれば活動資金の出所も明らかにしてもらわないと越後屋とお代官様の賄賂のやりとりを疑う、勧善懲悪の時代劇の話で悪代官や悪徳商人を成敗する「英雄」が出てきてテロを起こしても拍手喝采で誰も止めなくなる可能性もないとは言い切れません。

そして悪代官や悪徳商人を斬った「英雄」が「正義」の人でどんどん過激な粛清をやるようになって一般国民にも被害が及んだり「英雄」と認識されていたが実は下克上狙いの「 奸雄」で悪代官や悪徳商人以上の苛政が行われるようになったとかだったら目も当てられません。

天罰論が流行り出す前に自浄作用が発揮され穏やかな社会が実現することを祈るばかりです…