1251ページ目 日本政府の想定外と中国の言い分

福島原発処理で発生し続ける汚染水の海洋放出をめぐり中国政府は福島だけでなく日本全ての海産物の禁輸を打ち出しました。

この件について日本政府は想定外だと言っていますがこれには日本国内からも批判の声が上がっていますFLASH記事「「無能で無神経で無責任」中国の水産物禁輸「まったく想定していなかった」野村農相の発言に集まる驚き ヤフーニュース」。

 

これまでも中国は輸出入を通じて様々な圧力をかけてきた歴史があり日本製品不買運動の対象になったこともあったのですが汚染水の海洋放出をめぐっては中国でも塩の買い占めが起きるほどの大パニックになっています(日テレニュース記事「「処理水」で緊張高まる中国…大使館は邦人に「日本語控えて」 塩の買い占め・“汚染水”拡散マップも 影響は日本全国に」ヤフーニュース)。

こういった国内事情があることを考えるとどんなに日本政府が汚染水は安全に処理したので海洋放出しても安全だと「安全」を強調していたとしても中国国内での混乱防止のため中国政府が日本産の海産物の全面禁輸に踏み切ったとしてもそれは無理からぬ面は否定できません。

たぶん逆の立場だったら日本だって同じことをするでしょうね。

 

もちろん中国政府がいきなり正論を言い出すのもどうなのか、これも「おまいう」でそもそも中国政府自体が自国の原発から出る汚染水の処理や残留農薬の問題など環境問題の話で考えたら中国にだけは言われたくないものがあります。

とはいえ日本側にも非常に残念な問題があって東電の杜撰な安全管理体制も中国側から懸念として指摘されています(日テレニュース記事「【解説】処理水放出に中国反発…水産物の根拠なき“全面禁輸” 安全性は…世界各国より“厳しい基準”」ヤフーニュース)。

中国政府曰く改ざんや隠蔽の常習犯である東電の出したデータは信用できないとのことですがこれも改ざんや隠蔽の常習犯である中国政府が言うのもどうなのかと思うものの改ざんや隠蔽の常習犯だからこそ同類である東電が信用ならないというのもあるのかもしれません。

中国に大義名分を与えてしまった形ですが実際に改ざんや隠蔽に関しては中国政府のみならず日本国民にとっても重大な不利益になります。

東電のガバナンスも改善したのかどうか甚だ怪しいですがまず東電が自身のガバナンスや安全管理体制を抜本的に改め信用して貰わないとデータを出しても安心はできないものがあります。

東電が中国政府の対応をどこまで想定していたかは知りませんが想定外の改ざんや隠蔽をやらかす体質をしっかり改善してほしいものです。