国際刑事裁判所はロシアのプーチン大統領を戦争犯罪の容疑で逮捕状を出しました。
なおロシアは激しく反発し国連安保理でも抗議しています。
2003年に国際刑事裁判所が発足して以降、アフリカで少年兵に戦争をさせる反政府組織の指導者が戦争犯罪人として逮捕状が出された事例はありますがロシアのような大国の指導者に逮捕状が出されるのは異例です。
実際に逮捕できるかどうかは不明、現実的にはロシアが完敗してプーチン大統領が失脚しロシア国内でプーチン氏を国際刑事裁判所に送る協力がない限り難しそうです。
ただ国際刑事裁判所に加盟している国にプーチン氏が訪問した場合、失脚した場合であっても逮捕され国際刑事裁判所に送られる可能性があり外交上の制限は生じるでしょう。
ロシア側は逮捕状について無意味だと言っていて実際、国際刑事裁判所の条約に加盟していない大国はロシアだけでなく米中二大大国やインドもあって直ちに大きなダメージがあるわけではないのですが非加盟国でも国際刑事裁判所に容疑者を送れないといった話もありません。
実際に逮捕できるかどうかよりむしろロシアという国の威信の問題で戦争犯罪者として国家元首を名指しで国際的に糾弾することが主な目的での逮捕状なのでしょう。
生存中に逮捕されずとも戦争犯罪者認定されれば歴史上に名が残ります。
死後の名誉など知ったことではないというのかもしれませんが100年経っても200年経ってもプーチン氏はロシア以外の歴史の教科書で戦争犯罪をやった人として掲載されていくのかもしれませんね。
それにしても国際刑事裁判所という割に米中にロシアやインドが加盟していないのもどうなのかと思います。
欧州及び南米はほぼ加盟していますが北アフリカやインドネシア、中東も加盟していない、加盟しているが実際には未批准になっている国があって国際と言う割には欧州中心の組織になっているように見えます。
侵略を受けているウクライナも未批准になっています。
今後はウクライナも条約を批准するのかもしれませんが戦争犯罪について逮捕状の実効性を上げたいのであれば批准国を増やす取り組みも今後は必要になりそうです。