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プライム市場に残れそうにない企業10回目はリブセンスです。

リブセンスと言えば2012年10月に史上最年少の25歳で東証一部上場を果たし大きな話題となったことを覚えています。

藤井五冠が王将タイトルを羽生九段に勝って防衛しましたがビジネス界でも若手の超新星的な感じでした。
あれから10年以上経ったのですがまさかこういうことになっていようとは思いもしなかったです。
十年一昔とはよくいったものですがそういえばエスグラントコーポレーションも最年少で株式上場したことで話題になったのですが本業と関係のない上場時の年齢を話題にするのは色々やりにくかったろうなと思います。
逆に高齢だったら健康問題等で経営者在任中に何かあったら困るので年齢は経営に無関係とは言えないのですが将棋はともかく株式上場関係で今後最年少記録を更新する事例があってもあまり年齢ばかり取り上げてニュースにするのでなくじっくり仕事に取り組んでもらえるよう見守るのがよいだろうと思います。
2021年12月13日付の「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」及び2023年2月13日付の「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」は確認したのですが2021年6月末時点と2022年12月末時点の流通株式時価総額が約31億円のままほぼ変わっていないです。
株価を見ると2013年に800円台から7月には3255円の高値を付けるもその後は失速していき2018年を最後に500円台を回復していません。
流通株式数の減少で上場維持基準を満たす株価が740円から920円に上がっているのですが2023年3月10日時点の株価は254円、約3.6倍にならないと達成できないことになります。
目安となる株価を明示している点はわかりやすく好感が持てる、他社もプライム市場残留に向けた目標株価を明示してほしいと思うのですが本当に営業利益水準10億円を毎期継続して安定的に達成できるのか?
不採算事業の撤退と固定費の削減が予定通りの進捗なのは確認できましたが既存ビジネスでどうやって稼ぎだすのか及び新規事業の紹介型マッチングツールや面接最適化ツールにどれだけ投資していつの時点でいくら収益を稼ぎ出せるのかについても気になるところです。
2022年12月期決算説明会資料は確認しましたが人材不足や雇用の流動化が進んだこともあって主力事業が前年比で3割近く伸び通期黒字化を達成できた、とりあえず止血できた点は評価できます。
ボーナスで人件費が増えるとのことですが活況で人材ビジネスの競合他社に転職されることを考えると必要経費としてここでケチるのはあり得ないです。
全体的に見て成長分野で勝てそうな勝負を順当に行っている印象ですが過年度の有報を見る限り2013年以降は長期低迷が継続した、さすがに10年間ずっと鳴かず飛ばずでは一瞬だけ黒字化を達成しても戻ってくる投資家が増えないのも無理はないです。
業績と株価を見る限りアベノミクスの恩恵は関係なかったと言えあれだけ法人税減税と量的緩和をやったのに結果を出せなかった点は苦しいものがあります。
投資家もアベノミクスの恩恵が期待できる銘柄に乗り換えていったのでしょう。
ただ景気が悪化せずこのまま人材ビジネスを中心に市場拡大が継続し3年ぐらい継続して通期での黒字化を達成できれば、本業の利益、経常利益が本格的に回復し10億円台を狙える見通しが立てば株価急騰で小型株であることも考えると1か月も立たないうちに流通時価総額の壁はクリアできるかもしれないです。
とはいえ消費税増税社会保険料の異次元の増加及び戦争リスク等で不景気になればどうなるかは不明です
今回のプライム市場残留に成功したとしても景気悪化次第で再び残留をかけたぎりぎりの戦いになるかもしれません。
流通時価総額100億円はあくまでも最低限の基準、何かいいニュースで一時的に流通時価総額100億円を回復できても株式相場では天井三日底百日という格言があるように高値を維持できるとは限らないです。
底百日でも流通時価総額100億円を達成できる株価を安定的に維持する必要があるのですがそれをリーマン級の景気悪化でも継続できる自信がある、現状の株価からたった4倍でなくテンバガーを達成する自信があるならプライム市場残留をかけたチャレンジを続行するのもよいのですが最悪の状況で上場廃止を避ける安全策を取るならスタンダード市場で一旦力を蓄えるのが妥当と言えます。

10年ぐらい前に期待の大型新人として登場したリブセンスですが当時20代で現在は30代、まだまだ経営者としては試行錯誤している段階なのでしょうが先は長いのですから着実に一期一期を大切にしつつ着実に黒字を積み重ねていってほしいものです。