様々な所で利用される電子決済サービス。
手軽で便利なのはよいのですがセキュリティを心配する声も根強いです。
そんな中、携帯電話大手のドコモが運営する電子決済サービスドコモ口座を利用して複数の銀行から勝手に預金を引き出すという詐欺が発覚し利用者に対し大きな不安を与えています。
なお不正の手口は銀行口座番号や暗証番号を入手しその情報を使って本人に成りすまして勝手に銀行口座から犯人のドコモ口座へ送金させるという手口です。
事前にドコモ口座と銀行口座の登録が必要ですがドコモは本人確認が不徹底だったようです。
なお地銀やゆうちょ銀でこの種の不正が発覚していますが昨年にもりそな銀で問題が起きておりドコモが再発防止策をとらなかったことがこの問題を大きくしたと言えそうです。
さらにドコモだけでなく地銀も地銀で送金の際のセキュリティが甘く旧来の4ケタの暗証番号で手続きができてしまい被害が広がった可能性があります。
メガバンク並みに厳しくセキュリティを強化しておけば防げたかもしれません。
そして問題を大きくしたのは当初の対応のまずさ、ドコモも地銀も被害者救済に向けて初動対応で失敗したという点です。
どちらも当初は問題の責任を認めず利用者側に対応を押し付け今の今まで不正防止策に取り組む姿勢を見せていませんでした。
どちらも独占的企業の体質で殿様商売との批判がありましたが不正による被害を受けた人に対する姿勢は利用者軽視であるばかりか不正により反社会的勢力に資金が流出するといった社会問題にも対応できているとは言えず企業の社会的責任を問われる問題です。
今のところ被害額は全国で2000万円弱となっていますが社会に与える不安は大きいものがあります。
近年ではコロナ対応などもあってキャッシュレス推進の流れですがこれに水を差すことがあっては社会のデジタル化推進が減速しかねないという問題もあります。
ドコモ及び地銀等金融機関は早急にドコモ口座問題の対応を行うとともに他社も今回の問題を他山の石としてほしいと思います。