1609ページ目 能登地震で倒壊のビル、輪切り解体

能登地震からもう8か月も経ちましたが未だに倒壊したビルの解体が行われていなかったとは…(北國新聞記事「倒壊ビル、輪切りで解体 輪島市が国と調整、原因調査へ基礎部残す」ヤフーニュース)。

労働力も足りてませんし、やっぱり万博工事なんてやってる場合じゃなかったんじゃないか?

もっとも人手があったとしても早期の解体は難しかった面もあります。

輪島市で倒壊した7階建てのビルは横倒しになり隣の敷地の居酒屋を押しつぶしてしまいました。

未だにぽっきり折れて横倒れになった原因も究明されていませんし倒壊したビルのオーナーと7階建てビルの倒壊の巻き添えになった居酒屋と解体方法についての合意も未だ形成されていないようです。

とはいえ市道を倒壊したビルが塞いでおり通行の支障になっていますし復興が進みませんのでこのまま放置しておくわけにも行きません。

結局、公費で解体することになりました。

 

それにしても倒壊したビル、1970年代に建てられすでに50年近く経過しているとはいえ2007年に耐震工事を行っているそうです(デイリー新潮記事「「あの倒れ方はやはりおかしい」 能登半島地震「五島屋ビル」が今も撤去されない理由【スクープその後】」ヤフーニュース)。

それなのにあんなひどい倒れ方をしてしまっており2007年に行った耐震工事は一体何だったのかと思えてきます。

ビルの基礎部分が破損したため横倒れになっていますがその基礎だってきちんと耐震工事で補強しています。

2007年だったら東日本大震災は発生してませんけど阪神淡路大震災震度7でしたし高速道路の横倒れのような被害もありましたので震度7規模の地震が来ても建物が横倒れになって隣の敷地にまで被害を及ぼすことがないような耐震補強工事を施工業者に注文したはず。

そこまでの補強を注文していないんだったらともかく震度7でも耐えられる補強を注文したのに補強が役に立たなかったということであれば納得いかないし補強工事を行った施工業者にカネ返せ!と言いたくもなるでしょうね。

巻き添え被害を受けた居酒屋では死者が出ており耐震工事の効果と倒壊原因についてはきっちり調査してからでなければ解体で原因究明ができなくなって泣き寝入りということにもなりかねません。

本当に何であんな倒れ方をしたのか?

能登地震だけの話ではありません。

南海トラフ地震が来た場合に多数の家屋が倒壊する可能性もありますが震度7の大地震で築50年以上経過したマンションや商業ビルが倒壊し近隣の敷地に倒れ込み巻き添え被害が出る可能性だって否定できません。

ウチは築50年以上の老朽化したビルを本社にしてるが東日本大震災があったので耐震補強工事を実施して震度7が来ても大丈夫だ!と思っている社長さんも少なくないかもしれませんが決して他人事ではないのです。

2007年の耐震補強工事から2024年で17年経過してますけど補強を行った施工業者からすれば10年以内に震度7が来ても耐えられるけどそれ以降は知らないよという認識だったら東日本大震災発生後3年以内に行った耐震補強工事の効果は怪しくなってきます。

東日本大震災からも13年経過してますし改めてビルの耐震性能をチェックしてみるのもいいかもしれません。

補強を行っても天災ですので不測の事態が発生することもありますが公道を塞ぐ形で倒壊した場合の対応とか全国各地の地方自治体はどうするんでしょうね。

特に高層ビルやタワマンが林立する東京だとか全国各地の政令指定都市で五島屋ビルのような倒壊が起きるリスク対応は重要です。

湾岸地域のタワマンが液状化で横倒れになってしまった場合における住民(近隣建物の住民含む)の救出方法だとか建物の解体手続きや被災者及び建物のオーナーとの調整、解体方法だとか色々大変なことになりそうですけどタワマンの輪切りとか一体どれぐらいコストと時間がかかるんでしょうね。

タワマンとか都庁が8カ月以上も横倒れになっている状況を想像すると悪夢のような話ですけど交通量も多い場所だと復興が進みません。

地震が起きた場合の備えは重要ですがいざ大震災が来た場合の復興計画も考えておく必要もありそうですね。