1544ページ目 いい国は都合がいい国?

1ドル160円の円安で生活が厳しい家計が増えましたがバラマキ外交にも厳しい視線が向けられています。

その一方で円の価値が目減りすれば今までと同じ援助額では支援を受ける国からは日本は支援額を減らしているように見える、というか援助額の実質価値が目減りします。

外務省や外交族としては何としても支援額を増やしたいと思っていることでしょう。

日経記事「「信頼できる日本」世界に定着」及び「派遣先に根ざす大切さ 小渕JICA議連会長に聞く」は読みました。

一言で言うなら外務省とドリル優子の提灯記事ですね。

 

要約すると以下の通りです。

「「信頼できる日本」世界に定着」

日本がODAを始めて70年になるが世界各国から信頼を集めている。

シンガポールシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所がA.S.E.A.N.の有識者に対し行った意識調査で「日本は信頼できる」と回答した割合が58.9%だった。

米中インド欧州の信頼度はもっと低い。

日本を信頼する理由は「国際法を順守していること」及び「経済の強さ」が挙げられた。

一方で中国は経済力はあるが約束を守らない国として認識されている。

日本のODAは事業計画から建設後の維持管理まで関わり支援の打ち切りもない。

だから支援を受ける国にとっては安心できる。

鉄道など長期のプロジェクトは特にだ。

人的交流も重要だ。

日本は青年海外協力隊を送り出す一方で海外から研修生を受け入れている。

日本の支援は一方的な援助でなく相手国が自立するための援助だ。

中国と異なり借金を支払えなければ担保に設定した港湾施設や道路等の使用権を奪うような支援は行っていない。

日本も太平洋戦争敗戦からの復興に海外から援助を受け経済発展につなげた実績がありこの点も海外から尊敬されている。

しかし失われた30年で日本は国際社会での影響力を落とした。

海外の有識者は日本という国はいいイメージを国際競争力に活かせていないという印象を持っている。

今後日本は脱炭素やデジタル化などで途上国と国際協力を行っていく方針を検討している。

 

「派遣先に根ざす大切さ 小渕JICA議連会長に聞く」

初当選してドリル優子が就いた役職は「青年海外協力隊に関する小委員会」の事務局長だ。

民主党事業仕分け蓮舫に批判されて悔しいと思ったので与野党でJICA議連を立ち上げた。

パパは首相として海外訪問する度に現地の青年海外協力隊と会っていたのをずっと見てきた。

アタシちゃんが協力隊を視察する名目で外遊するのは当然だ。

協力隊は現地目線で活動する。

井戸を掘っても井戸が何なのか分からないためゴミを捨てる穴にしてしまう奴には「清潔」の概念から教えてやった。

井戸は綺麗な水を汲むためのものなのでゴミを捨てるな。

協力隊の活動やODA実績が日本の信頼の基礎だ。

中長期的に現地の生活の場に根付いて支援してきたことが信頼獲得につながった。

アタシちゃんはガザ地区に行ったが日本は信頼されていると実感した。

日本は魚そのものでなく魚の釣り方を教える。

宗教、歴史、文化の違いは中立の立場で考えている。

人道支援や人材育成に重きを置いた取り組みが信頼を通じて日本の平和にもつながる。

 

以上ですがこの記事を執筆した日経の馬場加奈は主に以下の主張でバラマキ外交を擁護しています。

バラマキ外交より日本で困窮した人の救済は大事だし長期間にわたるODAで無駄が生じることがある。

国際協力をやめても日本人の生活が豊かになるとは限らない。

チリではJICAが技術提供を行いサケの養殖産業を立ち上げチリで雇用を増やしつつ日本がサケを輸入できるようにすることで食を確保している。

天然資源がなく米中より経済力軍事力で劣る日本はこれまでの「信頼」が武器になる。

政府は国際社会からの信頼を国民生活の実感につなげ国際協力への共感を広げる努力を求めたい。

とのことです。

 

また色々とツッコミどころ満載なのですがこの記事ではA.S.E.A.N.だけでなく中東、中央アジア、アフリカ、インド、中南米の各地域でほぼ4分の3以上から日本は信頼されていると言っています。

経済力があり約束を守る国というのが表向きの話ですが結論からいうとうるさいことを言わない「都合のいい金づる」と見られているのが実態なんじゃないかと。

途上国は人権問題だとか政治腐敗、軍事独裁など残念な国が多いです。

欧米は支援もするけど人権侵害には厳しく対応し著しく問題がある場合は途中で支援を引き上げることもあります。

しかし日本はそこまで厳しくはない、実際、軍部独裁で人権侵害を行うミャンマーでもODA案件を続行しました(日経記事「ミャンマーで日本のODA活用の橋開通 軍政首脳ら式典」)。

そりゃ橋ができれば軍の偉い人だけでなく現地の民間人も含めて全体が利益を得られますけど人権侵害を行う軍部独裁政権に協力したとの批判は免れません。

日本に限らず他の途上国も似たような傾向がある国も少なくないですが「約束を守る」というのはたとえ人権侵害などの問題が発生しても途中で引き上げない国だと侮られているのではないか。

また日本は男女平等指数や報道の自由度でも欧米より低い評価ですがこれも途上国から悪い意味で共感を得た可能性も否定できません。

イスラム諸国とかアフリカとか女性の人権だとか報道の自由も抑圧傾向にありますが脛に傷のある日本は欧米と違って男女平等やLGBTqの権利を守れだとか報道の自由を弾圧するなとか「余計」なことは言わないだろうと思われているのかもしれません。

実際のところの本音は不明ですが今の日本の状況で途上国に女性やLGBTqの権利を守れだとか報道の自由を尊重しろと言ったところで鼻で笑われるだけですね。

米中や欧州にある植民地時代の旧宗主国と異なり他国に侵略するような軍事力もなく都合の悪い現地の独裁者を挿げ替えるような特殊工作を行うような情報機関も存在せず途上国からすればたとえ脅されたとしても全く怖くないでしょうね。

まあ実際そういう横暴で卑怯なやり方は他の国もやめるべきですがね。

途上国からすれば日本は「いい国」というより甘ちゃんの「都合がいい国」に過ぎません。

実際日本が途上国の力が必要だった時に援助を受け入れた途上国が日本を支援してくれたかというとそんなこともないのです。

70年間支援を続けてきたけど国連安保理常任理事国にはとうとうなれませんでしたね。

もし常任理事国になってしまった場合はよりいっそうカネを出さなければならなくなるので日本が常任理事国入りを狙うのはもうやめてほしいのですけど莫大な支援を行った韓国と中国は日本の常任理事国入りに強硬に反対しました。

途上国の間でも日本の常任理事国入りの支持は特に広がりませんでした。

安倍元首相の国葬でも多額の援助を受け入れておきながらパラグアイのように本国から閣僚級の要人を出さない不義理な国が続出しました。

こういう場面で実際に日本がどう思われているかが露骨に表れるのです。

日本はカネだけ出させて不義理をしても文句を言わない「都合がいい」国だよと。

さすがに馬鹿にされ過ぎです。

人間関係も国同士の関係もギブアンドテイクは大事です。

もちろん途上国相手に多くの見返りを要求することはできませんが節目節目で不義理をするような無礼な輩だとか人権侵害を行ったり現地の政治家や富裕層が援助金を独り占めするような国に対し支援を継続するのはいかがなものかと思います。

円安で食料など日本が買い負けるケースも増えていますが途上国だって商売ですのでたとえ日本のカネで立ち上げた農水産業であっても農水産品はより高く売れる国に販売するでしょうね。

日本に安いカネで農水産品を売って貧しくなったら本末転倒というものです。

そういえばオレンジジュースが品薄で高騰しています(BAZAAR記事「オレンジジュース「高すぎて買えない...」。値上げ&販売休止が相次ぐ理由とは」ヤフーニュース)。

ブラジル産オレンジが不作であるためです。

日本ではオレンジ果汁の大半をブラジルから輸入しています(農林水産省「オレンジ果汁について」)。

ブラジル産オレンジ果汁が輸入量に占める割合は約7割です。

なお意外にも日本はイスラエルからもオレンジ果汁を輸入しており輸入量に占める割合は約1割でした。

富裕なイスラエル人に雇用されたパレスチナ人がオレンジの収穫などの農作業に従事しているケースも考えられますがイスラエルの政情不安が長引きオレンジの生産に影響が出るようになれば日本でもオレンジジュースがさらに高騰するかもしれませんね。

ただイスラエルガザ地区でジェノサイドを継続するならイスラエルからのオレンジ果汁の輸入は見合わせることも視野に入れざるを得ませんね。

オレンジジュースがさらに品薄になるおそれがありますがやむを得ません。

んでブラジルの話ですが日本はこれまでずいぶんと農業分野だとか技術と資金の両方で支援を行ってきました。

だったらその分、優遇してよと思っている日本の仕入れ業者もさぞ多いことでしょう。

ですが同じ立場だったらドル高で日本より距離的にも近い米国にオレンジの輸出を優先的に割り当てるのは当然の話です。

不作に重ねて円安では日本に売ってあげるオレンジはもうありませんよと。

買いたいんだったら正当な対価を支払ってくださいねというお話です。

オレンジ果汁の輸入先がブラジルに偏っている点は問題です。

どこかブラジル以外の国でオレンジの生産に適した国を探す、地球も温暖化してますし新規にオレンジの生産が可能になりそうな地域もあると思います。

そういうところでオレンジ栽培を勧めるのもいいかもしれません。

とはいえそういう産業を立ち上げて日本との貿易を太くする話は政府がやるべきことじゃなくて総合商社など民間企業がやるべきことではないか?

農業分野も手広くやってますよね総合商社は。

円安で海外の資源権益が爆上がりですし企業の社会的貢献が大事というのなら貧しくなった一般国民でなくぼろ儲けした総合商社にカネを出させるべきというものです。

それとドリル優子な。

こいつがやってることは海外でバラマキ外交をやるためのカネを消費税増税で徴収します、法人税増税?家業の光山社が損するので絶対お断りです!もちろん国際貢献のため外遊もたくさんやって外交の小渕を目指します!というお話です。

冗談じゃありません。

落選しろ!

まあこの人、冷めたピザにものすごく大切に育てられて何だかんだで育ちのいいお嬢ちゃんなんだろうなという気もします。

ただしとんでもない世間知らずです。

海外の人は助けても消費税増税で没落する中低所得層だとか桐生市とかで生活保護を不当に拒絶される人だとかグンマーのブラジル人とか日本に来た外国人労働者の人権保護には一切興味がないんでしょうね。

周りにいる家族だとか支援者にはものすごく優しい人です。

冷めたピザから家族や支援者を大切にしろという教えでもあったんでしょうね。

しかしあまりにも身内びいきが露骨です(夕刊フジ記事「小渕経産相、姉夫妻が経営する南青山のブティックとは 政治資金問題」、文春記事「“ドリル事件”小渕優子(49) 父・恵三元首相の政治団体から1億5千万円を“特権相続”していた《同名の団体を立ち上げ、複数の政治団体に迂回させ…》」、日経記事「小渕氏関連団体の「観劇会」収支、13年分もずれ」)。

姉に対する経済支援だとか支援者の観劇会、世襲政治家の特権を行使して政治資金を非課税で相続するなどろくでもないことばかりやっています。

さらにそういう世間知らずなところが青木とか蜃気楼にものすごく愛された、孫娘みたいな感じで面倒を見てやろうと思わせたのかもしれません。

このあたりは有能だが寝首をかきそうな茂木よりドリル優子の方が院政をやりたい長老政治家にとって「都合がいい」人材だと思われたのでしょう。

ぶっちゃけどっちもどっちですが財務省の主張する消費税増税経産省の主張する法人税減税、外務省の主張するODA予算増額に合致するのがドリル優子です。

ドリル優子を政界から永久追放しない限り一般国民の生活はどんどん貧しくなりますが財務省経産省外務省という有力なお役所がドリル優子を省益追求の手先として使っているのでなかなか失脚させるのは難しいかもしれませんね。

とはいえもはや一般国民の生活苦は限界です。

家族や支援者ばかり優遇し、遠い海外でバラマキ外交をやって感謝されたい人に国会議員をやらせるのは問題です。

しかもそのバラマキの原資をどんどん貧しくなる日本の中低所得層からオレンジ果汁でも搾り取るかのように増税でなけなしのカネを絞り取っていくんですから一般国民の財布も家計も瑞々しさを失って搾りカスのようになってしまいます。

失われた30年は分厚い中間層を絞りカスになるまで世襲政治家や大企業経営者やエリート官僚エリート記者ら卑しい上級国民が搾り取って浪費した時代なのでした。

舐められっぱなしはとても不味いです。

日本は「いい国」という評判を気にする「都合がいい国」であることはやめなければなりません。

そして日本人も「いい人」という評判を気にする「都合がいい人」はやめる、NOと言うべきときは既得権益者に対してもしっかりNOと言う、落選させるべき議員は選挙できっちり落選させるべきだと私は思います。