1324ページ目 天然記念物の猛獣の保護と生活の安全

全国各地でクマに人間が襲われ死傷者が続出しています。

昔からこの種の話はありましたが今年は特にどんぐりが不作だったためかクマによる被害が目立ちます。

世論を見てみると人間の生命を守るためクマは始末すべきだといった声と自然保護の観点から殺すべきでないといった声があり双方で対立していますが実際に被害に遭ってそれでもクマを守るべきかと言われると正直なところクマより人間の安全を優先したいと思います。

山奥までわざわざ行くこともないですがさすがに人里まで降りてきたクマに関しては捕獲して山奥に戻す難易度も考慮すると始末するのもやむを得ないですね。

 

この種の話は他の国でもあるようで中国ではユキヒョウの保護と人間の生活の対立があるそうですね(日経記事「東京国際映画祭リポート上」)。

ユキヒョウは希少生物で捕らえるのも殺すのも違法な反面で猛獣なので家畜はもちろん人間すら襲われるリスクがあります。

自衛のためユキヒョウを捕獲したり殺したりしたら法律違反になるそうですが自衛目的でやむを得ず捕獲したり殺したりしても違法になるんだったら政府は国民の生命と財産を守ることが出来ていないことになります。

一般人がユキヒョウを捕獲したり殺したりするのがアウトなら政府はそのようなことにならないようユキヒョウと人間を遠ざける対策を取り人間の財産と生命の安全を保障する必要がありました。

それを怠って人間に被害が生じたということであれば政府に問題があり政府は被害者に補償をすべき、かつ、現実的に無理な法律を改めるべきと言えます。

 

まあ現実問題として広大な自然環境で完全に人間とユキヒョウ接触を防ぐのは人手と予算が足りないので政府が事故防止策を取るのは難しいでしょうね。

法律を完全に撤廃した場合、毛皮目的で人間の財産と生命の保護のため最小限の駆除以上の乱獲が行われ一気に絶滅する懸念もあります。

どこの国も似たり寄ったりですが偉い人は絶対に過ちを認めたくないし責任も取りたくないので訴訟になってもあの手この手で絶対に勝とうとしてくるので法律的には被害者の方が分が悪いでしょうね。

 

とはいえあまりにもお上が決めた自然保護のルールが理不尽だと一般国民がついていけないのもまた歴史が示す通りです。

江戸時代には生類憐みの令がありとんでもないことになりましたがこの法律が定着せず現代でも悪法として有名なのは多くの人が知るところです。

仮に政府が保護対象の猛獣の被害に遭った一般国民に補償も何もしないばかりか有罪にしたとしても一般国民の財産と生命を守れない国家は君主制であろうと民主制であろうと総スカンです。

不支持率が上がって他のことにも支障が出るでしょうね。

生類憐みの令は江戸幕府が盤石な時代の悪法でしたが当時並ぶ者がいない絶大な権力を有していた江戸幕府征夷大将軍ですら定着させることができなかった法律ですし保護対象の猛獣による犠牲者が多数でるようなら他の国や他の政体でも似たような法律は維持していくのが難しいんじゃないかと思います。

 

自然保護は必要とはいえ政府が政府として存在するのは政府によって国民の財産と生命は保護されるという国民の信頼が大前提であり人間の財産と生命を脅かしてまでやる自然保護はさすがに受け入れられるものではありません。

密猟者対応は必要ですが猛獣が人里に降りてきて人間の財産と生命を侵害するリスクがある場合は正当防衛として捕獲や殺害もやむを得ないし正当防衛を禁じておきながら被害に対する補償をしないのも理不尽な話です。

今後クマなどの猛獣を天然記念物指定して捕獲や殺害を禁じるというのであれば被害防止策や被害が生じた場合の補償のあり方もきちんと決める必要があると思いますね。