1286ページ目 英検プレミアム準2級?

英検の級が新設されるようです。

現在は上から1級準1級2級準2級3級4級5級という級があるのですが2級と準2級の間に新たな級を新設するとのことです(毎日新聞記事「英検、31年ぶりに級を新設 準2級と2級の間 25年度から導入」ヤフーニュース)。

2級と準2級の間にレベル差があって難しいのでその中間に新たな級がほしいというニーズが主に高校生や高校教師から上がっているようです。

英検の各級の目安を見ると5級が中学校初級、4級が中学校中級、3級が中学校卒業程度で準2級が高校中級、2級が高校卒業、準1級が大学中級、1級が大学上級という内容になっているものの合格者データで5級から準2級までは普通に勉強すればそれぞれ1年でクリアできるものの準2級から2級へのステップアップには平均で2年かかっているといった傾向があるそうな。

なので準2級と2級の間に準2級取得後1年で取得できる級を新設すれば途中で壁に当たらずモチベーションを維持できるといった狙いとのことです。

 

まあたしかにモチベーションの維持は重要ですけどかなり分かりにくいですね。

上に行けば行くほど難しくなってすんなり1年で合格できるわけではないのは当然の話でそういうのはもうシンプルにとにかく勉強しろとしか言いようがないんですけどそこはまだ高校生なので大目に見る、やる気upを重視してとにかく2級、TOEIC換算で600点ぐらい、何とか海外留学できるぐらいのレベルまで挫折させずに全体的に引き上げたいという意図もあるのでしょう。

ただ2級と3級の間に既に準2級があり1級と2級の間も準1級がありますけど準準1級というのは存在しませんし他の検定の類でも準はあっても準準といった感じで中間級が2つもあるような話は寡聞にして知らないです。

準2級より上だけど2級には届かない、プレミアムエコノミーみたくプレミアム準2級的な名称にするんですかね。

シンプルにするなら準を全部とって1級はそのまま準1級を2級、2級を3級、新設する級を4級、準2級を5級、3級を6級、4級を7級、5級を8級といった感じで置き換えていくのがよいと思いますがこれだと既存の英検取得者の格下げ感が残念なことになるし就活や留学の類で活用するなら旧制度と新制度の対応で分かりにくいことになります。

最初の制度設計の時点で難易度を分析しておけばよかったのですが31年前と比較して国際化がより重要視されるようになりとにかく英検2級レベルは国民標準にしたいといった感じで国策も変化しており非常に分かりにくいものの中間級を2つという話になってしまったのでしょうか。

まあ他にも英語の外部検定はある、TOEICとかTOEFLもあるのでそっちを使えばいいじゃんと思わなくもない、むしろ級とか合否という概念じゃなくてスコアにより細かく実力がわかる試験のTOEICTOEFLの方が使い勝手はよさそうです。

英検受験者のデータを見ると中高生が圧倒的に多く年間310万人が受けており全受験者は420万人なので70%以上を占めます。

なお大学生や社会人は合計で60万人弱ですが大学生以上はすでに英検以外の英語検定を使っているということになるのでしょう。

他の試験の方が国際的にも通用しそうなのですが英検としては今更スコア式に変更するわけにもいかないし他の英語検定に逃げられるわけにもいかないので苦肉の策という状況なのかもしれませんね。

とはいえプレミアム準2級(仮)がどの程度評価されるか?認知されるか?というのは不明です。

わかりにくい級を創設しても説明に苦労するようならやはり別の英語検定に逃げられるでしょうね。

どうしても級を新設するというのなら認知度向上と社会的評価に関して何かしらのインセンティブが必要になるでしょうね。