189ページ目 東京女子医大学費1200万円値上げ

年々高騰する大学の学費。

特に昨今では実家も苦しく学生本人がバイトしないと学費の納入が難しいというケースが増えています。

そんな中でのコロナ禍で学生は質が高いとは言えない遠隔教育を余儀なくされキャンパス入構にも制限がかかる一方、学費は通常通り満額支払いを求められるという大変厳しい状況となっています。

学生にとってただでさえ厳しい状況ですが東京女子医大が学費の値上げする方針であることが判明しました。

その額ですがなんと年間で200万円、6年合計で1200万円というものすごい値上げです。

なお値上げは施設設備費として徴収されるようです。

 

私大医学部は昔から学費が高いことで有名でした。

併設の病院の維持にはどうしても予算がかかるものの私立なのでなおさらです。

東京女子医大と言えばコロナ禍で苦しい状況が続く看護師の給与等の待遇で十分に報いようとしなかったがために大量退職希望者が出たというニュースが7月にありました。

人件費を上げると設備費が足りなくなりそのための値上げというのであれば理解できる点はあります。

 

ただ問題はその値上げされた学費が実際はどう使われるかです。

看護師大量退職希望の背景には理事長室の改修に6億円もかかったという話がありました。

常識的に考えれば理事長室の改修は不要不急の出費であり金額的にも大きくそこに予算をかけるぐらいならコロナ禍で苦労している医療関係者の待遇改善に予算を使うべきと言えます。

そしてこの6億円という金額を支払えるのなら学費に関しても年間200万円も値上げする必要があるのか疑問です。

1学年100人として600人から年間12億円ですが果たしてこのお金はどう使われるでしょうか。

私大医学部は学費が上がるほど入試難易度は下がる傾向にありますがそれでもどうしても子供に後を継がせたい開業医のニーズもあって1200万円値上げされても定員割れというのは考えにくいです。

ただその反面でレベルの高い受験生ほど学費の安い医学部を選ぶことになります。

医学部偏差値=医療の品質という話はないですが値上げした学費で医療教育の水準を向上させ医療の品質を向上させなければならないことは言うまでもありません。

過去に東京女子医大は医療事故で私学振興共済事業団から補助金を減額されたり特定機能病院の認定を取り消されたりしていますがそのようなことにならないためにも値上げした学費を有効利用してもらいたいものです。