1458ページ目 若者言葉からの卒業?いいえ放校です

そろそろ卒業の時期ですが4月からは新社会人としてスタートを切る若い世代が大勢います。

職場にちょっと前まで学生だった人が入社してくるわけですがふとした時に新入社員の若者言葉が耳に入ってきて眉を顰めるおっさんおばさん社員はいつの時代もいるものです。

その人たちだって昔は若者言葉で「ちょべりば!」とか「お先にドロン」とか言っていた00年代入社組だとか80年代入社組だったりするのです。

社会人なんだから若者言葉からそろそろ卒業しろよとお説教する人もいるかもですがまあ若者言葉だからというかぶっちゃけおっさん世代になって物覚えが悪くなってきたので何を言ってるかわからないというのもありますかね。

しばらくまえに「「おこ」からの「ムカ着火ファイヤー」系の怒りを表すギャル語が流行してましたがちょっと覚えられなかったですね。

流行語だって言葉ですのでやっぱり若いほど新しい物事を覚えやすい、そして覚えた言葉は使ってみたくなるものです。

意識高い系のカタカナ用語とかハッタリやかっこつけて使ってみたい人も割といますけどただ単に覚えたから使ってみたかったという子供っぽいノリもあったかもしれないですね。

けどまあ年を取って遊ばなくなるニャンコと一緒でそういう流行語にも興味を示さなくなる、あーめんどくせー寝ててーと思うようになっておっさんになっていくわけです。

日経記事「受験考 若者言葉」に「先生この問題、ワンチャン微分で解けますか?授業の方法、思いつかないです。運ゲーじゃないですか。僕には無理ゲーです」というおっさんにはなかなか難しい例文がありましたがたしかにゲームをしない人には難しいでしょうね。

興味がないとなかなか覚えられないわけで社会人になったんだから真面目になろう、社会人として適切な言葉を使おう、若者言葉からそろそろ卒業します、なんて思っていても実際のところは若者言葉についていけない、覚えられないだけだったりしてそういう場合は卒業というより放校ですね。

 

とはいえ若者言葉がいつまでも若者言葉であり続けるかというとそうでもありません。ガチャがシステムに組み込まれたゲームを遊んで育った世代が大人になり社会の一線で活躍してくるようになると当時は若者言葉でもいつの間にか社会に定着していくこともあります。

上述の記事では若手講師が作問した試験問題で「こんな問題、秒で解けるよ」という表現に関して記事の執筆者は日本語として意味不明と言っていますが若手からすれば別に普通の表現なわけですし試験を解く受験生も理解できるのでOKといった理屈で押し切られています。

実際作問をする若手からすればクレームが来そうにないところで一々作り直すのも面倒と言えば面倒な話です。

あまりにもカジュアル過ぎる表現、若者の中でも一部しか使っていない若者言葉はさすがに出さないにせよ既にリア充から陰キャまでほとんど全員が知っているような言葉まで使用禁止にするのもどうなのかといった話もあるでしょうね。

もちろん試験問題、特に大学入試だとか共通テストには高校生や高校卒業後1~2年の浪人生だけでなく学び直しを志した中高年世代もたまにいます。

確実に若い世代しか受けないテスト問題ならともかく多様性の時代ですし若い世代以外も受験する可能性のある試験問題についてはなるべく若者言葉を使うのは避けてほしいとは思いますが圧倒的大多数は若い世代ですからね。

流行語を使ってしまうこともあるかもしれませんね。

 

まあ内輪だけでなくそこそこオフィシャルな試験問題のような場面でも使われるようになってくるとその言葉は社会的にはかなり浸透してきたとも考えられます。

言葉も生き物のように変化していくものですがもし言葉にも死語になりたくない!何十年何百年と生き延びてやる!という執念があったらなるべくたくさんの人に末永く使ってもらいたいと思う、ネット上の記事だけでなく小説やエッセーで使わせる、ニュースの記事で使わせる、といった感じで記録に残るような場所にその言葉が存在した証を刻み付けようとしてくるのではないかなと。

この話では試験問題で使われていますがそういえば昔、センター試験の赤本は10年分、受験する大学の赤本は他学部も含めて5年分ぐらい解いた覚えがありますね。

5年経って、10年経って試験問題として出題した時に流行語だった言葉がどれだけ生き残っているかは不明ですが10年前の流行語とか急に出てきて過去問を解く現役受験生がその流行語を理解できるかな?

理解できなかったら調べるんでしょうがそこでそういう流行語があったことを覚えて貰える、言葉としては生存できたわけです。

源氏物語は当時の言葉で書かれていて現役中高生を古文で苦しめている、私も英語ほどではないですが相当苦戦しましたが当時の流行語というか標準語は1000年経っても古文の授業を通じて生存に成功したことになりますかね。

毎年毎年いくつもの言葉が生まれては死んでいきますが令和の若者言葉のうちどれが生き残るでしょうか?

多くが「アウトオブ眼中」になるんでしょうが昭和の若者言葉で定着したものは何だったかな?

ん?なんだったっけ?いや今使っている言葉は一体いつから使われるようになったんでしたっけ?

いつ発生したかは特に意識しないまま使ってますけどそんな感じで言葉っていつの間にか定着してくんでしょうね。