1062ページ目 東証プライム経過措置上場はどうなる?

東証の市場区分が東証1部、東証2部、マザーズといった区分から現在では東証プライム、東証スタンダード、東証グロースという名称に変わってそろそろ一年が経過しようとしています。

この市場区分の見直しは東証1部で身の丈に合わない時価総額や株主数、一日の売買代金の状態で上場している企業をスタンダード市場に移行を促し最上位である東証プライムの質を確保するといった趣旨で行われましたが旧来の東証1部上場企業は改善計画書を提出することで経過措置として東証プライムが求める上場基準に達していなくても東証プライムに上場できる規定になっています。

そしてこの規定を利用して東証プライムに移行した企業は数百社にも上りこれでは市場再編が骨抜きになったといった声も上がっています。

そこでこの経過措置に関しても見直しをする方向で議論され経過措置の期限が設けられることとなりました。

2025年3月1日の時点から経過措置を廃止する、2023年9月29日の時点までにプライム市場上場を維持するかスタンダード市場に移行するか再選択の判断をしてもらうという流れとなっています。

東証一部の時代は降格制度がありましたがプライム市場では上場維持基準に抵触した場合、一定期間内に解消できなければ降格でなく上場廃止となります。

流通時価総額100億円をクリアできないために経過措置上場でプライム市場に上場する企業も100社超あるんですがこの流通時価総額というのは創業家や親会社、金融機関等基本的に市場に株を売るつもりがなく長期保有を目的とする人たちが保有する株式を除いて市場内で流通する株式の時価総額となります。

なのでヤフーファイナンスとかで出てくる時価総額が100億円未満の企業は基本的に流通時価総額100億円をクリアできておらずプライム市場から退出を迫られるリスクが高くなってきます。

この中からいったいどれだけ2025年3月までに流通時価総額100億円を達成し奇跡のプライム上場維持を成し遂げる企業が出てくるか、流通株式比率にも縛りがあってプライム市場だと35%以上になっていますから時価総額100億円以上になっている企業でもけっこうな数が決断を迫られることになります。

2022年4月は何事もなく新市場が発足しましたがむしろ正念場はこれからかもしれませんね。