1050ページ目 円安だったら儲かるんじゃなかったの?

日銀総裁人事をどうするかが話題になっていますが誰がなるにせよアベノミクスによる量的緩和を見直し円安誘導はやめるのではないかといった見方があります。

物価上昇局面では円高の方がダメージが少なくて済むのですが一方で輸出型の企業は儲からない、円高だと困るといった話も出てきます。

しかし本当に円安だったら日本企業の業績は回復するんでしょうか。

経団連会長を出し輸出型の企業でもある住友化学は業績予想を大幅下方修正しました。日経記事では1050億円下方修正し23年3月期最終損益ゼロといった話になっています。

石化製品等市況に左右されにくいポートフォリオ構築のため今更構造改革のスピードを上げると言うのも遅い、10年間のアベノミクスで賃上げのみならず構造改革や研究開発に必要な投資の原資を法人税減税と量的緩和で企業が確保できるようにしたのに今まで何をやっていたのでしょうか。

事業の構造改革は本来1年や2年でやれるものでなくある程度の時間が必要ですが構造改革を達成できず今期の収支ゼロ見通しという有様で十倉会長は毎年1億円超、去年は1億4100万円も役員報酬を受け取っておりこの内容でその報酬というのも貰いすぎではないかと思います。

住友化学の2022年度第3四半期決算説明資料も確認しましたが円安メリットも何も1ドル120円台でも外需型企業にとっては十分な環境で本来1ドル150円の超円安を当てにする方が不味いです。

業績改善にコスト削減を上げており中でも投資の厳選が入っていますがそれはつまり今まで厳選した投資を行ってこなかったということでしょうか。

もしそうなら十倉会長が毎年1億円も役員報酬をもらう資格はないですがむしろ投資を厳選し過ぎた結果として旧来型の景気や為替の影響を受けやすい事業に偏ったポートフォリオになったとも考えられます。本来ならこういう時こそ投資を行う必要があります。

棚卸資産の圧縮に関しても平常時には在庫は悪という考え方もある一方、サプライチェーンで異常が発生した場合は在庫がないと自社のみならず取引先や社会全体がモノ不足で不利益を被るリスクもあります。中露北の動向も考えると戦争リスクがある今後10年ではむしろ多めに在庫を抱えていても利益を出せる収益力をつけるのが先です。

人件費では非正規含む賃上げ、経費では派遣会社への外注費支払いがありますがコスト削減にはこれらも含まれるんでしょうか。スタグフレーションで賃上げ抑制や外注費削減を行おうものならそれこそ失われた30年の延長になるのが目に見えています。

投資には失敗がつきもの、賃上げや派遣会社への支払い増加はすぐに収益につながらないですが中長期的な企業業績を向上させ日本を再び成長軌道に乗せるために安倍元首相は法人税減税と量的緩和で企業が投資や賃上げをしても現金が枯渇しないよう、投資で失敗しても再チャレンジできるよう異次元の優遇を行ったのにこの10年で経済界は投資も賃上げもせず役員報酬だけは増加させています。

構造改革の遅れを考慮すると本来なら十倉さんは1億円も報酬を受け取る資格がないどころか経営者として責任を示す、別の人に交代してもらいたいものですが円安、昨年後半は1ドル150円だったにもかかわらず第3四半期で大幅下方修正というのはつまり超円安でも売れないモノづくりしかやっていないということになります。

業績低迷は円相場でなく経営に問題があったのではないかと思うのですがそういうことなら物価上昇も厳しいので円安誘導はそろそろやめにした方がよいのではないかと思います。