1535ページ目 実質賃金25カ月連続減と出生率1.20

実質賃金が25カ月連続で下落しました(TBS記事「【速報】「実質賃金」25か月連続の減少で過去最長 今年4月は前年同月比0.7%減」ヤフーニュース)。

物価上昇に追い付く賃上げができていないのです。

大企業は5%超の賃上げを行う企業が相次ぐ一方で中小企業は3.62%に留まります(時事通信記事「中小賃上げ率、3.62% 日商調査、「努力した結果」―24年度」)。

業種ごとにばらつきがありますが運輸や医療介護など元々低賃金の業種は芳しくありません。

中小企業と一口に言っても従業員5人未満の零細企業も含まれますが企業規模が小さくなるほど賃上げを行う余裕もないので平均数字を引き下げた面もあります。

労働分配率で大企業は過去最低ですが(日経記事「労働分配率、過去最低 大企業の賃上げ余力大きく」)今後も大企業は賃上げ余力を維持する一方で労働分配率がもともと高い中小企業がどれだけ今後も賃上げを継続できるかは不透明です。

日本では中小企業で働く人が労働者の7割程度を占めます。

これでは将来不安が拭えません。

日本の出生率も1.20で過去最低となりました(産経新聞記事「出生率過去最低の背景に経済不安 仕事と家庭の両立に課題 新たな少子化対策の効果に疑問」ヤフーニュース)。

中小企業で働き続ける限り物価上昇に負けない賃上げは期待できない、転職が難しいなら出産や結婚は諦めようと考える人も増えるでしょう。

しかも少子化対策の名目で社会保険料も値上がりします(日テレニュース記事「改正子ども・子育て支援法が成立 さらなる子育て政策の推進を求める声」ヤフーニュース)。

手取りが減り続けて婚活も大変だから余計に少子化が進んでいるという理由もあるのですが賃上げが不十分なのに事実上の増税である社会保険料を値上げすればどうなるか火を見るよりも明らかです。

国民負担率が上がれば経済も停滞しますが(第一生命経済研究所記事「潜在成長率を押し下げる国民負担率上昇~国民負担率+1%ポイント上昇で潜在成長率▲0.11%ポイント押し下げ~」)それは消費税増税社会保険料値上げを繰り返した日本の失われた30年で実証されています。

この失われた30年の間にも少子化対策は実施してきましたが全く効果がありませんでした。

その検証もしないで既存の少子化対策の予算規模だけ大きくしたって根本的な解決にはならないのです。

むしろ国民負担率の上昇による経済の停滞こそ少子化を加速させます。

経済が停滞すれば国内市場中心の中小企業ほど影響が大きくなるわけでこれも中小企業の賃上げ余力を削りますます少子化が進む結果となるのではないか。

少子化対策の効果はすぐ現れないとは言いますが20年後に現在の少子化対策を決定した人々はどう落とし前をつけてくれるのでしょうか?

私は絶対に忘れませんからね。