897ページ目 使用済み核燃料中間貯蔵

青森県むつ市にあるリサイクル燃料貯蔵施設の稼働について使用済み核燃料受け入れ分にむつ市の新税が課されることになりました。

自治体の財政運営が厳しい一方で使用済み核燃料受け入れに地元でもコストがかかるためです。

原発の採算性は使用済み処分コストの上昇でより厳しくなりますが地元からすれば最終処分の見通しもたっておらず使用済み核燃料のリサイクルもずっと実現できず頓挫したままでなし崩しに事実上の最終処分地になってしまうリスクを懸念するわけで当然その対応も考えなくてはなりません。

新税は増えましたがともかく仮置き場所は確保できました。

今のところ中間貯蔵施設で受け入れ可能なのは3000トン、毎年200~300トンの受け入れを想定し計画通りなら10年から15年で一杯になります。

六ヶ所再処理工場など他にも実質的な中間貯蔵施設はあるものの2019年の時点でも18000トンが既に使用済みで当時の全体の容量は24000トンでした。

毎年だいたい1000トンぐらい使用済み核燃料は発生するわけで新施設が稼働してもあまり余裕はありません。

また追加で中間貯蔵施設を作ろうにもその中間貯蔵施設を作るための合意形成で何十年とかかるわけで当面の電力不足で原発を再稼働せざるを得ないにしても今後さらに何十年と使い続けていくことができるかというとかなり心配です。

今後10年程度でより廃棄物が少ない新型原発を作る方針はあるようですが長年科学技術予算をケチり続けてきた日本の技術力で実現できるのか?

安全管理が問題になる核施設やロシアによる原発攻撃などいざ戦争になったら真っ先に狙われるリスクがあることを考えるとそれも心配ですが使用済み核燃料を受け入れてくれる地元自治体に感謝しつつとにかく事故を起こさないよう管理をしっかりやってくれることを祈るばかりです。