トヨタ自動車が決算を発表しました。
20年3月期の売上高29兆9299億円、営業利益2兆4428億円と前期と比較してそれぞれ1%ほどの減少です。
当期についてはコロナウイルスの影響はそこまで大きくはなかったという印象ですがコロナ流行前の業績が堅調だったため3月の不振をある程度緩和できたというのが実態のようです。
より大変なのは21年3月期の予想です。
売上高は24兆円(前期比19・8%減)、営業利益は5千億円(79.5%減)と発表しており当期の業績はコロナウイルスの影響がかなり大きいことがうかがえます。
なおグループの世界販売台数は890万台を見込んでいるとのこと。
自動車産業は裾野が広い産業なのでトヨタ自動車が苦境に陥れば系列やその他取引先も連鎖的に経営環境が厳しくなることが想定され経済全体に対する影響は大きいものがあります。
失業率にもかなり影響が出てくるかもしれません。
コロナウイルスの流行で新車の販売台数が減少することが見込まれていますが実際に米国における4月の販売台数は大きく落ち込んでいます。
さすがにこの外出を控える時期にわざわざ自動車を購入する人は少ないでしょう。
とはいえ感染防止のため公共交通機関を利用したくないからマイカーを使って通勤するという層にはニーズがあります。
また感染が怖いのでタクシーはもちろんカーシェアやライドシェアなども利用したくないからマイカーがほしいといったニーズも出てくるかもしれません。
ただその一方で不景気に伴う失業や所得の減少でマイカーを買いたくても買えない、テレワークの普及とネット通販のさらなる拡大で通勤や買い物での外出が不要になりクルマの必要性が減ることも想定されます。
コロナウイルス流行中の短期的な見通しも難しいですが終息後の長期的な見通しも難しいものがあります。
当期については業績予想を未定とする企業も少なくないですが果たして日本経済はどうなるでしょうか…。