1591ページ目 ハマス指導者、イスラエル軍の空爆で死亡

ハマス指導者のハニヤ師がイスラエル軍空爆で死亡しました。

場所はガザ地区でなくテヘランです。

ハニヤ師はイラン新大統領のペゼシュキアン大統領の就任式に出席した後、テヘランにあるハニヤ師の邸宅にいたところを狙われたとのことです(FNN記事「【速報】イスラム組織ハマスのトップ・ハニヤ氏がイスラエル空爆で殺害される…イラン新大統領就任式参加後テヘランの邸宅で」ヤフーニュース)。

 

ネタニヤフさん、殺る気満々ですね。

もう交渉なんてやる気なしです。

さっさと人質を解放しないから、というか人質なんてとったハマスの自業自得ではありますがハニヤ師も戦争犯罪人として逮捕状が請求されてるんですよね(時事通信記事「イスラエル首相の逮捕状請求 ハマス指導者も、戦争犯罪の疑い―ICC検察官」)。

おいこらネタニヤフ、勝手にハニヤを殺すんじゃねえ!

戦争犯罪人同士で不毛な戦いを勝手にやってろなんて思う奴もいるかもしれんがハニヤも生かしてとらえて国際法廷できっちり裁判をやって悪行の数々についての事実解明と被害に遭った人々への謝罪をさせる必要があったのだ。

殺してしまったら永久に説明責任も果たせず謝罪もできなくなってしまったじゃないか!

そして最高指導者が死んだらいったい誰が次の最高指導者になるのか?

新たなリーダーが決まらなければ和平交渉を進めるのも困難ですし新リーダーが決まったとしても先代を殺害した相手と和平交渉ができるか?

徹底抗戦派のメンバーはより態度を硬化させるでしょうし新たなリーダーがハマス分裂のリスクを負ってまで和平交渉を進めるかどうかは不明です。

ネタニヤフ首相は米国大統領選はトランプ氏が勝つことに賭け、和平交渉をわざと決裂させ戦争を長引かせる戦略をとったのでしょうね。

 

さらにゴラン高原の一件の報復でレバノンベイルートを爆撃しヒズボラの最高幹部を殺害しています(BBC記事「イスラエルベイルート空爆 ヒズボラ幹部を殺害と発表」)。

イラン大統領就任式ではイラン側はイスラエルに自制を促していましたし(時事通信記事「対ヒズボラ報復をけん制 イスラエルに自制要求―イラン」)米国もイスラエルによるヒズボラへの報復について自制を促しています(朝日新聞記事「ネタニヤフ氏、攻撃現場でヒズボラへ報復明言 米国は自制求める姿勢」)。

一応イスラエルも全面戦争は望んでいないとの意向は示していましたが(時事通信記事「イスラエル、全面戦争は望まず 対ヒズボラ報復計画を協議」)本当にそうなのか?

他国の領土を攻撃し要人を殺害したらどうなるか想像できないはずないでしょうにね。

そんなに第5次中東戦争を起こしたいのかイスラエルは。

もう世界の総てが敵に見えている、自国以外は全部敵という錯乱状態にしか見えないんですけど。

ハマスヒズボラもイランもまだ何も言ってませんが最高指導者だとか軍事部門の幹部だとか殺されても何もしなかったらしなかったでハマスヒズボラ内部の最強硬派が勝手に動き出しそうな気もしますし大統領就任式直後に自国の首都を攻撃され面子を潰されたイランがこのまま黙っているかというとそれも分かりません。

せっかくハネメイ師が西側との関係改善の姿勢を見せたのに(ブルームバーグ記事「イラン最高指導者ハメネイ師、西側と外交関係改善の用意と示唆」ヤフーニュース)それも潰す気満々ですねネタニヤフ首相は。

まあイランと西側の緊張緩和が実現すれば西側の拠点となっているイスラエルの存在感が低下する、中東におけるイスラエルの覇権を確立すべく動くことで支持を集めるユダヤ教右派勢力からすれば中東和平は自派の利益にならないと判断したのかもしれません。

もちろんそんな露骨な自派への利益誘導はイスラエルパレスチナレバノン、イラン、シリア等々周辺諸国というか中東全域、いや世界全体を危険にさらす重大な問題です。

ドイツがイスラエルに武器の供与を停止しましたが(毎日新聞記事「ドイツ、イスラエルへの兵器輸出の認可停止 多数の民間人死亡受け」)攻撃用の武器をイスラエルに持たせておくのはものすごくヤバいんじゃないかと思います。

武装勢力が発射するロケット弾やミサイルを迎撃するのに使う分についてはともかくとしてそれ以外の武器に関しては米国も輸出停止にすべきでしょう。

このまま報復合戦がエスカレートしたら世界の危機です。

実はハニヤ師もヒズボラの最高幹部も経済制裁解除を望むイランが米国との手打ちの一環としてこっそり居場所をイスラエル側に知らされて始末されたのではないか、協力者でもいなければ居場所の特定は難しいですしトカゲのしっぽ切りに遭ったという可能性も脳裏をよぎりましたが、それはそれでハマスヒズボラも報復に動くかもしれません。

第五次中東戦争第三次世界大戦にならないことを祈るばかりです…