1714ページ目 25年度及び26年度以降の退職金課税見直しに反対する

日経記事「退職金課税改正来年度見送り」は確認しましたよ。

住宅ローン返済に悪影響がある、年齢的に転職困難で賃上げも鈍い世代の不利益が大きい、退職金優遇を前提に給料を抑制された世代にとって不公平な退職金課税見直しは来年以降も反対します。

 

物価上昇で月々の返済余力は減ってます。

特に米や電気ガスなど生活必需品の値上がりがキツイです(日経記事「東京都区部物価、11月2.2%上昇 3カ月ぶり伸び拡大」)。

利上げによる支払利息増(日経記事「住宅ローン変動金利上げ、大手行が0.15%程度 10月から」)も見込まれます。

不動産価格も高騰しています(まいどなニュース記事「新築マンション、「買えない」価格に近づく…約7割が「購入を諦める・ためらうほど高い」と回答」ヤフーニュース、スーモ記事「【2024最新版】住宅価格の高騰はいつまで続く?平均額の推移や今後の予測をSUUMO副編集長・編集長に聞く」)。

金利と元本が膨らむのに月々の返済余力が減少するならローンの返済期間は長期化します。

現役時の給料だけでは返済しきれず退職金をアテにした返済計画を立てざるを得ない世帯が増加するでしょう。

政府が退職金課税の優遇税制を廃止することで転職を促すことができる、終身雇用の時代じゃないので長期の退職金優遇税制はいらないと言い張りますが今どきの就活世代と20年以上前に社会人になった現在の中高年世代とは事情が違います。

不動産購入時の年齢は概ね40歳前後ですが(TBSハウジング記事「マイホーム購入時の平均年齢は?年代別の注意点も解説」)年齢が上がるほど転職が難しくなるものです。

給料も下がる傾向がありますがここで転職してしまうと住宅ローンや教育ローン等各種ローンの返済計画に支障が生じるリスクがあります。

中高年に転職を勧めるのは本人やその家族だけでなく債権者にとっても危険なのです。

中高年世代は年齢的に住宅ローンだけでなく10代20代の子供の教育ローンや70代80代の親の介護費用等で出費も多い世代です。

人生で一番カネがかかる時期ですね。

本人の月々の収入でやりくりするのはよほどの高給取りでもなければまず無理です。

ぶっちゃけ借金して毎月少しずつ返済していくしかありません。

借金できるかどうかは本人及び家族の収入だとか購入予定の不動産の担保価値次第ですけどもちろん金額的にまとまった退職金も審査に入ってきます。

特に中高年の場合は働ける年数が20代30代より短いわけですからその分、退職金のこともしっかり聞かれるでしょうね。

それなのに退職金課税優遇見直しで一千万円以上手取り額が減れば(ヤフーニュース記事「「退職金25年で1166万円減」捨て石にされる氷河期世代」)借金が難しくなる懸念があります。

というか退職金があるから現役時に返済しきれなくても退職時に一括返済できると見込んで融資した銀行にとってはものすごく迷惑です。

退職金優遇税制見直しで返済計画を再検討しなければならなくなります。

おい宮沢!森山!お前ら余計な仕事と余計なリスクを増やすんじゃねえ!

 

また今どきの40代50代が社会人になった時代は年功序列で若い頃の賃金が低く抑えられてきた上に新NISA等の資産形成支援も不十分でした。

年功序列の給与体系で出費が増える中高年になった時に対応できる給料が中高年の時期に支払われ終身雇用で年金も手厚く老後の資産形成も全部国と会社任せにしておけば問題なかった時代でしたからね。

しかし今は違います。

だから退職金優遇税制も見直しますというお話ですが今どきの中高年にとっては半分ぐらい登ったところではしごを外されるに等しいです。

退職金課税優遇を見直すなら月々の給料を上乗せする必要があります。

10代20代はともかく会社員人生の半分を年功序列で過ごした世代の不利益が大きすぎるのです。

退職金優遇は賃金後払い説に基づき現役時の給料を抑制する対価の側面があります。

若い頃は本人の実力や成果より低い水準の給料を支払い中高年になった時に見返りとして高い給料を支払い、かつ、退職金も手厚く支払い老後の余生を不自由なく送ってもらうのです。

高度経済成長時代にこの日本型雇用システムが普及していますが会社からすればなるべく人件費を安くして設備投資とかやりたかったから今の支払いを減らして後で支払うシステムにしたんでしょうね。

まあ社会が若いうちはその方が有利ですけど高齢化してくると昔のツケが回ってくるわけです。

んでそのツケの支払いがきつくなってきたので終身雇用年功序列はやめますと言い出したのが90年代00年代なわけですがそのくせ当時の若い世代、今の中高年世代の賃上げはなくむしろ徹底的に買い叩かれたわけで安月給なのは昔と変わらなかったんですね。

そして20年前30年前の若者も今ではリストラ対象になる、定年退職が視野に入ってきた年齢になりましたが今更になって転職困難な年齢になってからの課税強化は不公平です。

 

カネはあるところにはあるんです。

国の税収は過去最高(日経記事「国の23年度税収、還付増でも2.5兆円上振れ 最高72兆円」)、大企業の利益も過去最高(日テレニュース記事「【解説】大企業過去最高益、日本に還流せず 日本に投資を取り戻す、政府、財界の案は?」)です。

しかし労働分配率は過去最低(朝日新聞記事「大企業の労働分配率、昨年度は過去最低 内部留保は過去最高」)で実質賃金もボーナスを除けば2年以上減少を続けています。来年の生活も楽になる見通しは立たず特に氷河期世代だけ取り残されました。

そして退職金の手取り額まで減らし国と企業が家計の富を奪う構図になっていますがさすがに生活できなくなるほど搾取されるわけにはいきません。

裏金自民党は潰れろ!

一般国民に対する搾取に断固反対します。