イスラエル政府とレバノン政府は停戦に合意したようです(日経記事「レバノン停戦合意」)。
本当か?停戦が近づいていると米国は何度も言っていたけど実際にはちっとも交渉が進んでいないということがあったのでまたそのパターンかと思いましたがイスラエル政府は昨日に閣議で停戦の合意を賛成多数で可決しレバノンもミカティ首相が停戦合意を歓迎すると声明を出しています。
イスラエルとレバノンの両国が停戦に合意したというのは本当みたいですね。
最初の衝突から1年以上が経過しレバノンとイスラエルの停戦交渉は難航していましたが一体何でまたこのタイミングで停戦に合意できたんでしょうね?
ヒズボラはイスラエル軍の猛攻で多くの戦力を失い指導者のナスララ師や後継者候補の幹部が殺害されています。
レバノンの首都ベイルートも激しい空爆が行われておりシーア派系武装組織であるヒズボラに対しキリスト教系やスンニ派系の国民が厳しい視線を向けるようになったのではないか。
レバノン北部も爆撃されキリスト教徒のレバノン国民も多数死亡しています(BBC記事「レバノン北部にもイスラエルの空爆、21人死亡 レバノン当局が発表」)。
またレバノンはフランスの旧植民地であり今もフランスがレバノンに大きな影響力を持っています。
フランスからすればこれ以上ウチのシマを荒らされたくないと思ったのでヒズボラに停戦に合意するよう圧力をかけたのかもしれません。
一方イスラエルはどうか。
民間人や国連軍も無差別に攻撃するイスラエルに対しとうとうICCはネタニヤフの逮捕状を発行しました。
ICCはプーチンにも逮捕状を出していますが実際に逮捕されるわけでもありません。
ICC加盟国に行かなければいいだけですからね。
ただプーチンやハマスのテロリストと同じだと認定される効果は小さくありません。
ロシアは元々独裁国家なのでICCからプーチンの逮捕状が出されても今更感がありますがイスラエルは一応西側の民主主義国家という位置づけです。
それがICCから首相の逮捕状を発行されるとなると国際的信用に傷はつくでしょうね。
イギリスもネタニヤフが入国したら逮捕するかもと言っています(BBC記事「イスラエル首相、イギリス入国すれば逮捕の可能性 英首相官邸が示唆」)。
オランダ、アイルランド、カナダ、ノルウェー、南アフリカ共和国もネタニヤフの逮捕に協力する意向を示しています(JETRO記事「ICC、ネタニヤフ首相らに逮捕状発行、国連安保理はガザの即時停戦・人質解放決議案を否決」)。
米国はネタニヤフの逮捕に協力する気はなさそうですがG7含む複数の国家がICCに協力すると言っているのはイスラエルにとってショックだったのかもしれません。
あとネタニヤフの自宅が攻撃されたのも内心で肝を冷やしていると思います。
ネタニヤフの誕生日直前にヒズボラがネタニヤフの自宅にドローンを撃ち込んでいますが後日イスラエル国内の反政府活動家も照明弾を撃ち込んでいます(テレ朝ニュース記事「イスラエル・ネタニヤフ首相自宅に照明弾 反政府活動家3人逮捕 首相不在でけが人なし」ヤフーニュース)。
そりゃまあ自宅が何度も攻撃されるとなるとさすがにビビりますわな。
家族からも何か話があったのかもしれません。
そして米国の意向です。
バイデン大統領としては何が何でもウクライナと中東の戦争を終わらせて民主党政権のレガシーを残したいのだろうなと思います。
トランプにすり寄るネタニヤフに怒り心頭で残りの任期中に何としても停戦させることでトランプに手柄を立てさせたくないということかもしれません。
ウクライナには対人地雷を供与し核兵器の供与も検討しているといった話もありましたが停戦というかレガシーづくりのためには手段を選ばない姿勢が伝わってきます。
ウクライナ支援に禁じ手まで使っていますけど水面下でイスラエルとレバノンの両国に相当な圧力をかけたんだろうなと。
あのネタニヤフが停戦に応じるなんていったいどんな手を使ったんでしょうね。
とにかくこれで停戦です。
あとはイスラエルとヒズボラが確実に合意を履行するかどうかです。
性懲りもなくヒズボラがロケット弾だとかドローンを撃ち込んだり工作員にイスラエル国内でテロを起こす可能性や米国の大統領がトランプに交代した直後にイスラエルが再び戦争を再開させたりする可能性が脳裏をよぎりました。
イスラエルとヒズボラが勝手なことをしないよう厳しく監視を継続する必要がありそうです。
…さてレバノンの復興も課題ですがもちろんイスラエルがカネを出せよな。
民間人の住居だとかインフラ施設までぶっ壊しておきながらスルーして国際社会に復興費用を丸投げするのは認められません。
世界各国だって様々な問題をかかえ大盤振る舞いができるほどの余裕はないのです。
侵略された国の被害に関しては侵略した国がきっちり賠償すべきだと思いますね。