1095ページ目 東京転入超過と企業本社の東京脱出

コロナ禍も収束しつつあり3年ぶりに東京の人口流入が転入超過になりました。

これまではテレワークの影響で人口流入が減っていましたが再び戻ってきた感じです。

何せ上場企業の本社が東京に集中しています。

昭和の頃は今ほどの東京一極集中でなく本社を大阪に置く上場企業も少なくなかったのですが平成以降は東京に本社を移転する上場企業も増え本社勤務の社員も一緒に東京に移住せざるを得ないのである意味当然です。

都道府県の平均年収ランキングを見てもトップは東京で598万9500円、全国平均の年収が496万5700円ですから稼ぎを増やしたければ年収の高い仕事がたくさんある東京に大勢人が集まります。

今後も東京一極集中は変わらないように見えます。

ただその一方で企業本社の東京脱出は継続していて本社機能の転出超過は過去20年で最多になっています。

いきなり本社を移転するといっても準備があり2020年にコロナ禍が発生し移転を考えたがやっと準備が整ったので今になって移転する企業も少なくなかったのかもしれません。

コロナ禍が収束してもコロナ禍前と決定的に違うのはリモート勤務ができる環境が整った点が挙げられます。

実際にやってみて働き方改革だけでなくコストカット効果も実感できたのかもしれません。

移転したのは主にITなど元々リモートに強い業種や工場が地方にある製造業が多くなっていますが顧客対応の都合上、東京にそれなりの規模の営業人員は残すにしても管理部門に関しては東京に置く必要もそこまで高くはありません。

本社が東京から移転するということで社長以下本社勤務の人員も移転に伴ってリモート勤務でなければ地方に移住ということになりますが年収の高い人材の地方居住が進めば東京と全国の賃金格差が縮小し雇用も地方で増えれば東京への転入も下押しすることになり東京の転入超過もまた違った傾向になってくるかもしれませんね。