552ページ目 核燃サイクル

自民党総裁選で議論されているようですが結局無理とわかっていても継続して数十兆円を追加で投資して財政赤字が膨らんでいくんじゃないかと思います。

核燃サイクルは日本国内で最終処分場が地元の反対により建設できないための苦肉の策として継続されていますが1950年代から始まってとうとう2020年代を迎えており70年経っても実現はしていません。

エネルギー基本計画を見ると2030年代に実現したいと言っていますが果たして実現可能性はどれだけあって追加投資はいくら必要になるんでしょうか。

原子力を脱炭素の主要な手段として活用するには核のゴミの処分が必須ですが最終処分場も決まらず核燃サイクルも実現できずではとても役に立たず核燃サイクルに使う予算を再生可能エネルギーや水素アンモニア発電、カーボンリサイクルに投資した方がはるかに脱炭素社会の実現に近づくのではないかと思います。

 

…が、大変困ったことに核燃サイクルをやるという名目で中間貯蔵している核のゴミがある青森県からは核燃サイクルをやめるなら全国の原発に核のゴミを送り返すと言う話が出ています。

実際に送り返された場合、各地の原発に核のゴミが溜まり保管場所がなくなれば原発の稼働が難しくなります。

核燃サイクルは無理と内心で思いつつも最終処分場が困難なので出来ないのに出来ると言い張って核燃サイクルを継続し原発も動かすという話になるのでしょう。

もう核燃サイクル以前に原発自体やめたほうがいいと思いますがそれも今まで原発関係に投じた巨額の投資や地元自治体の経済などやめるにやめられない事情もあります。

コロナ対策や経済対策もあり原発関係の問題も現状を動かそうとするだけの余力が次の内閣にあるかどうかは何とも不明で結局現状維持のままになるんじゃないかと思います。

 

とはいえ原発を動かすにせよ停めるにせよ既存の核のゴミは何とかしなければなりません。

北海道で最終処分場の文献調査が行われていますが周辺自治体は反対していてどうなるかは不明です。

過疎化で周辺自治体も含めて完全に人口がゼロにでもならない限り着工は難しいかもしれません。

なおオーストラリアやカナダで以前に他国の核のゴミをウラン輸出国としての責任及び経済活性化の観点から受け入れるといった構想がありましたがこれも地元の反対で実現困難です。

ただもし同種の構想が再び浮上し日本から核のゴミを他国に移動させるとなると当然ですが相応の処分費用がかかるでしょう。

さらに処分費用に加えて追加的な要求、例えばTPP加盟国でもあるオーストラリアやカナダだったら北海道の代わりに核のゴミは受け入れるが風評被害対策もしなくてはならなくなるので小麦や乳製品等北海道と競合する産物の輸入を完全自由化してもらいたいといった話が出てくるかもしれません。

もしそうなった場合は立場的に受け入れざるを得ないでしょう。

核のゴミを国内で処分するにせよ海外で処分するにせよ非常に高くつきますがそれを考えるともうこれ以上核のゴミが出る原発の稼働はやめたほうがいいんじゃないかと思います。

 

とはいえ2021年の冬は寒波が来ましたが2022年の冬も寒波がくれば電力が足りなくなる可能性も0ではありません。

原発をやめるならその分省エネや家庭などに太陽光発電の導入を促すといった対応も必要になってきます。

今年の冬が厳しい寒さにならないことを祈りたいですがそれにしても電力問題のような答えのない問題の抜本的解決はいったいいつになるでしょうね…