551ページ目 親ガチャと孟母三遷

今の世の中、親次第で子供の人生が決まる、残念な人が親だったら人生詰みで結局努力より運という話がありスマホゲームのガチャと合わせて親ガチャと言われているようです。

まあたしかにそういう面はある、というか実際に教育環境が大事という意味では今の世の中に限った話ではなく紀元前の昔からそういうものだったんじゃないかと思います。

孟母三遷という故事成語がありこれは子供の教育には環境が大事という意味で使われますが孟子の母が落ち着いて孟子が学問をできる環境を求めて3回引っ越しする話です。

市場や葬儀場の近くで周囲の子供と一緒に商人ごっこや葬式ごっこをして遊んでいては勉強ができないといった感じで引っ越したわけですがこのお話の教訓は親が環境を整えるだけの財力があり、かつ、子供の教育に理解があることが大事ということも示唆しています。

孟子の母が学問に価値はないと考え教育にカネを使わなかった、あるいは3回も引っ越しするだけの財力がなければ孟子が2000年以上経っても名を残す思想家になっていたかどうかは不明です。

また中国の歴代王朝で行われていた科挙も身分を問わず優秀な人材を登用するための公正な試験という建前でしたが科挙に合格するためには勉強に専念できる環境、無職の生活と当時は貴重だった教科書類の書物を購入できるだけの財力が必要で実質的に富裕層の子弟でもないと才能があっても科挙で合格し出世することは困難でした。

今の日本だとそういう大昔よりもいくらかはマシですが大学までの学費は高いです。

バイトして稼ごうにもコロナ禍で学生ができるバイトは限定されます。

それでも学費のかからない大学や給付型の奨学金を高い学力を身に付けて勝ち取る人もいるので自己責任といった話も出てきますがそれも定員があり全員が全員通るわけではありません。

さらに親が虐待するなどの毒親だと生存すら厳しいものがあります。

孟子のような後世に名を残す偉人になれるだけの素養があったとしても初見殺しでくじけさせてしまってはどうにもなりません。

親が残念、あるいは貧困家庭の子弟であっても教育をきちんと受けられ貧困から抜け出せる環境は必要だと思いますね。